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【芸能・社会】

ナベサダ、ブラジルから国家勲章

2015年10月21日 紙面から

クリスマスツアーは、「ボク自身が楽しめると思う」と話した渡辺貞夫=東京・渋谷で

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 ジャズサックス奏者の渡辺貞夫(82)に、ブラジル政府からリオブランコ国家勲章が贈られたことが20日、分かった。所属事務所などに連絡があった。同章は、1963年に制定されたもので、外交分野で功績が顕著と認められた外国人並びにブラジル人に対し、ブラジル連邦共和国大統領が授与する最高勲章の一つ。

 ナベサダは、68年に初めてブラジルを訪れて以来、ブラジル音楽にインスパイアされて数々の作品を残したほか、現地のミュージシャンとの交流を通じて日本とブラジルの友好交流に寄与した。

 ナベサダは、「光栄なことであり、今後の励みになります。ありがたいことと感謝しています」とコメント。過去の日本人受章者には、坂本龍一、ラモス瑠偉、小野リサらがいる。

 ブラジルからの吉報に合わせるかのように、今月7日に出したアルバム「ナチュラリー」は、ブラジル録音の快作だ。2年前にも現地で録音し、こんなに早く再びブラジルを訪れるとは思っていなかった。

 きっかけは、今回、共同プロデュースとストリングスのアレンジを依頼したブラジル人チェロ奏者ジャキス・モレレンバウムとの出会い。アントニオ・カルロス・ジョビンの最後のバンドメンバーで以前から知っていたが、昨年8月にブルーノート東京での来日公演を聴いた後、楽屋を訪ね意気投合した。

 「彼も非常に喜んでくれてね、ぜひ、ということで。うれしい出会いでした」。善は急げとばかりに昨年末には曲を送り、6月にレコーディングした。

 手応えは、バッチリ。「アルバムのタイトル通りにできました。全部ワンテイクでさっと終わりましたから」と当然という話しぶり。「ファーストテイクが一番新鮮だしね。後になって、もう少しこうしたら、というのもありますけど、一回しか録ってないから直しようがないもんね、ハハハハ」と笑い飛ばした。

 タイトルのネーミングには、あるエピソードがある。著名なスイスの精神科医エリザベス・キューブラー=ロスの著書に感銘して書名にちなんだアルバム「ホイール・オブ・ライフ」を出した時、知人を通じて送ったことがあった。その知人から、「ロスさんはよくナチュラリーという言葉を口にする」と聞いたことがあり、何となくひらめいたという。自然体という自身の心境と重なったようだ。

 ほかに「ウォーター・カラーズ」「スマイル」などこれまでとはひと味違った、ライト感覚で聴き心地のいいブラジリアン・テイストの一作。新作をフィーチャーしたクリスマスツアーは12月11日静岡、同12日東京など6カ所で。

 

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