ボディースキャナー:「不審物も見える見える」成田空港で
毎日新聞 2015年10月26日 11時37分(最終更新 10月26日 12時37分)
◇東京五輪に向け全国主要空港に導入へ 国交省
国土交通省は26日、乗客に電波を当てて不審物を透視する「ボディースキャナー」を成田空港で報道陣に公開した。27日から試験運用を始める。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、全国主要空港に導入し、テロ対策を強化する。
スキャナーは、金属探知機では見つけられない爆発物などの探知用に各国で導入されてきた。日本でも10年に成田空港で試験運用されたが、モニターに体形が鮮明に映し出されるため、「プライバシー上問題がある」との声が出ていた。このため新たなスキャナーは、単純化された人型の絵の上に不審物のある場所を示す形に改善された。
この日の報道公開では、ポケットに異物を入れた空港職員が円筒状の装置に入り、両手を上げたまま3秒ほど待つと、モニターに異物の位置が黄色く示された。ハンカチやちり紙などにも反応するため事前に出しておく必要があるという。
来月からは羽田空港でも試験運用を始め、既に試験をしている関西国際空港の結果も合わせて問題がないか検証する。1台数千万円の費用は、国管理空港は国が全額負担する方針だが、その他の空港は航空会社と空港管理者が負担する。【渡辺暢】