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広報紙「ひろしま市民と市政」

広島市ホームページ平成25年1月1号トップページトピックス新春座談会 スポーツ王国広島、新たな幕開け

新春座談会 スポーツ王国広島、新たな幕開け

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 2012年、広島のスポーツを盛り上げ、市民に感動を与えたサンフレッチェ広島とコカ・コーラウエストレッドスパークスホッケー部。両チームの監督と市長が市役所で、スポーツによるにぎわいの創出について語り合いました。

広島市長
松井 一實

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 あけましておめでとうございます。
 2013年が市民の皆さんにとって、
 よい年でありますようにお祈り申し上げます。


サンフレッチェ広島
森保 一監督

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もりやす はじめ(44歳) 1987年にマツダSCに入団。その後、サンフレッチェ広島の中心選手として活躍。日本代表でも活躍した。サンフレッチェ広島コーチなどを経て2012年監督に就任。1年目でチームをJ1リーグ優勝に導き、Jリーグ・アウオーズで最優秀監督賞に選ばれた。友好都市・長崎市出身。
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優勝がかかる試合で先制ゴールを決め、お約束のパフォーマンス

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J1リーグ初優勝を決め、胴上げされる森保監督と歓喜に沸く広島ビッグアーチ(昨年11月24日)


コカ・コーラウエストレッドスパークスホッケー部
柳 承辰 監督

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ユー スンジン(43歳) 韓国代表としてアジア大会で2度優勝。日本では表示灯ホッケーチーム(現名古屋フラーテル)で活躍。同監督などを経て、2008年からコカ・コーラウエストレッドスパークスホッケー部監督。昨年、全日本選手権、日本リーグ、全日本社会人選手権の3冠を達成した。姉妹都市・大邱広域市出身。

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ホッケーはサッカーとルールが似ているため「スティックを持って競技するサッカー」とも言われる

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日本リーグ2連覇を決め、レッドスパークスメンバーに胴上げされる柳監督(昨年10月21日)

2012年は、優勝で盛り上がりましたね

市長 サンフレッチェJ1リーグ初優勝、レッドスパークス3冠達成、おめでとうございます。しかもサンフレッチェは広島で優勝を決めてくれましたね。優勝が決まった日、私はテレビで観戦していましたが、スポーツは市民の心を一つにしてくれることを改めて実感しました。

森保 ありがとうございます。サンフレッチェを率いて1年目で、市長に最高の結果を報告することができて、本当にうれしいです。サポーターの皆さんをはじめ、たくさんの人にお祝いの言葉をいただきました。
 FIFAクラブワールドカップにも出場することができ、2012年はとても充実した年でした。

柳(ユー) コカ・コーラウエストレッドスパークスは、昨年末の全日本選手権をはじめ、日本リーグ、全日本社会人選手権も優勝して3冠を達成することができました。ホッケーの4大大会を完全制覇することが目標だったので、あと一つの国体優勝を逃したことで少し悔しい気持ちもありますが、今年は必ず4冠を達成したいと思っています。

市長 ぜひ4冠達成を成し遂げてください。
 ところで、署名が30万人以上も集まって、サッカースタジアム建設の気運が盛り上がっていますね。あるイベントであいさつをしたとき、私はJ1リーグで3回優勝したらスタジアムができると言ったんですけどね、1回優勝すれば作るといううわさが流れてしまったんですよ。

森保 市長、もともとのあいさつは忘れてください(笑)。ぜひ今回の優勝で検討していただきたいと思います。

市長 スタジアムがあったらいいというのは皆さん共通の願いだと思います。財源の問題もありますからどうやったら実現できるか仕掛けを考えていかないといけませんね。

両チームの強さの秘密は何ですか

市長 サンフレッチェについて、当初は監督も含めて若手が中心になって、戦力ダウンと言われてましたね。だけど、その予測を覆して終始好調で、優勝しました。その要因は何でしょうか。

森保 技術的というよりも、精神的に一人一人の選手がいい準備をして、練習の時から取り組んでくれたのが良かったと思います。それと、シーズン前の下馬評で、主力の李忠成選手や経験のある選手も多く移籍して、残留争いか、下手したら降格するんじゃないかとマスコミなどで言われているのを僕も選手も見聞きしていました。そこを何とか見返してやろうという気持ちが、精神的な頑張りを引き出してくれたのではないかと思います。

市長 逆境が選手の奮起を促して気持ちを引き締めたと、そしてチームの団結につながったということですね。
 ところで、一度優勝したら気が抜けて落ちてしまうこともあると思いますが、レッドスパークスは高い集中力を維持できている。何か秘密があるんでしょうか。

 2年前、日本リーグを初めて制覇したときは、勢いという部分も確かにありました。優勝争いをしていたソニーは、日本リーグ4連覇を遂げた強豪で、そことの決勝で延長戦の末に勝ちました。その勢いもあって2冠を取れたと思います。しかし昨年は、選手たちが優勝したということに対してプライドを持ち、優勝チームらしいプレーをしなければいけないという意識が芽生え、自主的に練習をする雰囲気になったことが大きいと思います。

市長 一つの劇的な勝利が契機になってチームに緊張感が生まれたんですね。

スポーツ王国広島の復活を目指して取り組む

市長 両チームをはじめ9つの広島のトップスポーツチームが加盟する「トップス広島」の活動も盛んに行われていますね。広島市でもスポーツを通じた「まち起こし」に取り組んでいて、両チームの本拠地がある安佐南区や安佐北区で区民応援デーを開催するなど、まちの活力になるよう地域が一体となって応援しています。

森保 「トップス広島」は、僕たちトップレベルのスポーツチームが広島の人と感動を分かち合い、スポーツの素晴らしさや楽しさを伝えることで「スポーツ王国広島」を実現するために組織された団体です。柳さんのチームとも一緒になってがんばっています。

 「トップス広島」が最も大事にしていることは地域密着、地域の皆さんに愛してもらい、一緒にチームの勝利を喜び合うことです。フラワーフェスティバルなどさまざまなイベントに参加させていただいて地域活性化のお手伝いをしたり、小学校などでスポーツ教室を開いたりして、多くの人に愛されるチームを目指しています。

市長 素晴らしいことですね。

 話は少しそれますけど、私は昨年の10月22日に日本ホッケー協会から全日本女子(さくらジャパン)の監督に指名していただきました。私は広島のチームの監督ですから、当然合宿も広島でやりたいと要望しました。その結果、昨年12月に第1回強化合宿を広島で行いました。

森保 盛り上がりますね。

 アジアでも中国や韓国では冬、グラウンドでトレーニングができない状況です。広島だと1月でも2月でもできますから、もっと充実したホッケーの施設があれば世界からいろいろなチームが来ると思います。

市長 それはいい話ですね。スポーツ王国広島への追い風ですね。これは着実に環境を整えることも考えないといけないですね。

2013年はどんな年にしたいですか

市長 2012年、大きな結果を残した両チームですが、今年の目標はどういったところに置かれますか。

森保 柳さんが今作り上げているチームのような「常勝チーム」という言葉は僕の中にもあって、チームがより安定して力を発揮できる、優勝争いを常にやっていける、そういうスポーツ王国にふさわしいチーム作りをしていきたいと思います。まずは、リーグ2連覇を目指したいと思います。

 ホッケーというスポーツを広めるためには成績も大事ですが、チームの存在意義でもある地元に密着し、広島の人にもっとホッケーを楽しんでもらうことに力を入れていきたいと思います。また、日本代表候補にレッドスパークスの選手が現在9人も入っています。このチームは日本のホッケー界を引っぱっていく使命があります。昔、山陽高校やマツダオート広島がとても強くて、広島はホッケー王国でしたよね。広島をホッケーのメッカとして再興させられるように本気で取り組みたいと思います。

市長 両チームの目標が達成されれば昨年以上に広島が盛り上がりますね。がんばってください。大いに期待しています。
 ちなみにお二人が個人的にがんばりたいことはありますか。奥さんと仲良くしたいとか、そういったものでもいいんですけど(笑)

森保 じゃ、僕はそれで(笑)。 それもありますが、今年もサッカーを楽しみたいと思います。いろいろプレッシャーとかありますけど、今こうやって現場で仕事させてもらえているので、本当に幸せな時間を過ごさせてもらっています。今年もまたこの幸せな時間をかみしめて楽しんでいきたいと思います。

 私は広島に来て今年で6年目になるんですが、広島がすっかり好きになってしまいました。

市長 ぜひずっといてください(笑)

 ありがとうございます。それは会社にも言ってください(笑)。私は自分の人生の、指導者としての人生の花を、ここ広島で咲かせたいと思っています。あとプライベートなことなんですが、まだ子どもがいないんで、今年こそはと思っています。

市長 私は子どもが4人います。アドバイスするとしたら、子宝に恵まれる温泉とか行かれてみたらいいんじゃないですかね(笑)

森保 我々は、方向性がはっきりしている中での仕事ですが、市長さんは我々スポーツ界とは違ってすごく難しい仕事をされてるんじゃないのかなと思います。広島市をどういう風にしたいと思ってらっしゃるんですか。

市長 私はこの街を「世界に誇れるまちに」と言っています。そういう理念の前に、自分が本当にこの街に生まれ育ってよかったなって、じわっと思えるようなものにしていきたいと思うんです。でもこれを一人で思っていたって駄目なんです。どういう風にしたらそうなるかなっていうことをみんなで考えて、自慢できるところ、ここがいいなっていうところを見つけ、伸ばしていくということをちょっとずつやっていく。市役所には1万人を超える職員がいますから、一人一人の職員が市民と一緒になって本気で取り組んでいくとすごくいい街になると思うんですよ。両チームの活躍で広島の自慢の一つ、トップスポーツがさらに盛り上がりました。これをもっと伸ばしていきたい。お二人ともぜひ協力してください。

森保 今年も期待に応えられるようにがんばります。

 スポーツ王国広島を一緒に創っていきましょう。

市長 私も二人に負けないようがんばります。


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