ブリュッセル=吉田美智子、喜田尚
2015年10月26日13時28分
欧州連合(EU)は25日、中東などから流入する難民や移民が通過する「バルカンルート」の関係国など13カ国を集め、緊急の首脳会議を開いた。各国は協力強化で一致。隣国との合意なしに自国を通過させない措置をとる一方で、10万人規模の一時収容態勢を整備するなど、人の流れを制御することで合意した。
会議にはドイツやオーストリアのほか、非EU加盟国のセルビア、マケドニア、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)なども参加した。この地域では、ハンガリーの国境閉鎖でスロベニア、クロアチアなどの小国に多くの難民が押し寄せ、不協和音が広がっていた。
共同声明によると、難民支援や国境管理など、7分野17項目の措置で合意した。難民や移民が多く到着するギリシャは、年末までに3万人規模の施設を設置することを表明。またUNHCRも各国との協力でバルカンルートに計5万人の施設を設置するなど、計10万人が一時的に地域にとどまれる態勢をつくる。
また難民が多く流入しているスロベニアに週内に他国から警官400人を投入するなど、それぞれの国への具体的な支援を打ち出した。
各国はこれらの措置で、国境から次の国境へと移動する難民らの動きを抑制し、地域のこれ以上の混乱を回避したい考えだ。
EUのユンケル欧州委員長は記者会見で「隣国は対立するのでなく、協働するべきだ。難民を雨と寒さの中に置き去りにしないための措置に合意できた」と述べた。(ブリュッセル=吉田美智子、喜田尚)
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朝日新聞国際報道部
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