16番でティーショットを放つ渡辺彩香=千葉・東急セブンハンドレッドCで(神代雅夫撮影)
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◇富士通レディース<第1日>
▽16日、千葉市緑区・東急セブンハンドレッドC西C(6635ヤード、パー72)▽雨、気温16・7度、風速4・2メートル▽賞金総額8000万円、優勝1440万円▽96選手(うちアマ4人)▽観衆1525人
今季2勝目を狙う渡辺彩香(22)=ユピテル=が冷たい雨と風の中、4バーディー、2ボギーの70で回り、首位と3打差の2アンダー、2位につけた。渡辺にとっては2年前に初シード入りへの足掛かりとなった大会。幻に終わった最終日のV争いを、今年は自身で演出するつもりだ。首位は5アンダーでテレサ・ルー(台湾)、5打差のイーブンパー3位に申ジエ(韓国)、服部真夕(27)=LIXIL=ら7選手が続いている。前週優勝のイ・ボミ(韓国)は1オーバーで10位発進。
渡辺にはこの大会、このコースには思い残しがある。ツアーに本格デビューした2年前、賞金ランク67位でこの大会を迎えた。2日目69と伸ばして、首位と1打差の2位に浮上し、初優勝を狙う位置にいた。だが、最終日は天候不良で中止。初の最終日最終組プレーも豪雨に流された。
「今でもいろいろな人に言われる。今週のプロアマでも。残念だったと見てくれる人もいれば、中止で2位になってよかったねって人もいる。だからやっぱりもう一度ちゃんと優勝争いして、そして勝ちたい」。確かに75パーセントに減額された2位賞金でも、528万円はその後の初シード権獲得の布石になった。だが、渡辺自身は「やる気満々でした」と窓の外を恨めしく眺めた、あの気持ちを忘れてはいない。
この日は6番で2メートルを決めると、7番500ヤードのパー5では、残り210ヤードを3番ユーティリティーで6メートルに2オンさせ連続バーディー。9番にボギーをはさんだが、12番では7番アイアンの第2打をピンそば1メートルに。14番ではティーショットをミスして左サイドの傾斜地に打ち込みながら、4メートルに乗せて4つめのバーディーを奪った。「自己採点は60点。17番の2つめのボギーがなかったら80点ぐらいだけど、フェアウエーからちょうどいい距離が残ったホールが多かったので、もっとよくてもよかったかな」
昨年初優勝、今春2勝目も果たし、現在賞金ランクは6位。2年前とは格段に違う自分がここにいる。だからこそ、今度こそ最終日最終組を回り、優勝をつかみたい。「あしたも雨予報ですかね。こういう天候は逆に集中して、いつもいいゴルフができている。下がぬれれば距離が長くなるし、飛ばせる者にアドバンテージがある」。目標のシーズン2勝目ゲットへ自信をみなぎらせた。 (月橋文美)
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