通算9アンダーで優勝した松村道央=袖ケ浦CC袖ケ浦で
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◇ブリヂストンOP<最終日>
▽25日、千葉市緑区、袖ケ浦カンツリークラブ袖ケ浦コース(7119ヤード、パー71)▽快晴、気温19・4度、北西9・2メートル▽賞金総額1億5000万円、優勝3000万円▽64選手(アマチュア2人)▽観衆6172人
首位と4打差の7位から出た松村道央(32)=吉野電化工業=が1イーグル、4バーディー、2ボギーの67で回り、通算9アンダーで逆転優勝した。2014年3月のインドネシアPGA選手権以来、約1年7カ月ぶりとなるツアー通算5勝目。堀川未来夢(みくむ、22)と片山晋呉(42)=イーグルポイントGC=の日大師弟対決に日大出身の松村が割って入り、待望の今季初優勝を奪い取った。
グリーン手前のラフ、ピンまで11メートルのアプローチ。松村には上りの一直線のラインが見えていた。「いつもなら寄せに行くけれど、リードされていたので狙いにいった」。首位と1打差で迎えた16番パー5。3打目。58度のウエッジをコンパクトに振り、そのままねじ込んだ。会心のイーグル。追いつき、一気に追い越した。「優勝カップに手が届いた」と確信する勝負打だった。
控えめを装って臨んだ最終日に、実はほくそ笑んでいた。最大瞬間風速は15・7メートル。秋晴れの袖ケ浦には朝から強い北風が吹きつけ、上位陣のスコアは停滞、下降。だが、「最近は風の強いラウンドでいいスコアが出ている。だから、風でラッキーだな、と。風はウエルカムでやれた」という。
今季は開幕12戦で予選落ちは7度。「前半戦は印象の『い』の字もない」と妻・香織さん。悩み、苦しみながら、9月のANAオープンで5位、ダイヤモンド杯で4位と、秋になってようやく上位に食い込んだ。他の選手には牙をむく風が松村の背中を押し、「戦える手応え」という自信まで運んできてくれた。
最終組で火花をぶつけ合う2人の日大OBに感化され、もう1人の日大出身者が間隙(かんげき)を突いた。「最近は東北福祉大(出身)の選手が強いけれど、まだまだ日大も強いと見せられてうれしい」。日大ゴルフ部の現役部員約20人が応援に駆けつける中、最後に笑ったのは堀川でも片山でもなく、伏兵の松村だった。 (松岡祐司)
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