ドラマ「下町ロケット」の第2話、ものすごく面白かったですね。第1話は佃航平(阿部寛さん)の不運の連続の物語となっておりこれからどうなっていくんだろうと可哀想になってしまうほどでしたが、2話ではいきなり全てが良い方向に転がって、最後は佃航平の熱い言葉によっての逆転劇。
いや〜、お見事ですね。池井戸潤さんの得意とするスカッとする内容でなかなか面白かったです。というか、吉川晃司さんが出まくりの回で画面がとにかく格好良い、かっこいい。
ドラマ下町ロケット2話の感想とネタバレ
視聴率も好調の下町ロケット
下町ロケットの初回放送の視聴率は16.1%とかなり好調でさすが池井戸潤作品といったところでしょうか。1話ではこれからどーなっていくんだ?って感じの終わり方で非常に続きが気になる終わり方をしていたので、2話の視聴率もかなり高いことが予想できますね。
追記:第2話の視聴率は17.8%だったようで第1話よりもアップしていることが明らかになりました!
間違いなく、今季のドラマで上位の面白さを誇る下町ロケット。冒頭の1話で振り返りは的確に説明をしてくれるので例え、1話だけ見逃したとしても問題ないように作られています。あの数分で見事にストーリーを説明してしまうナレーターが凄いんですけどね。
1話では佃製作所の主力製品のステラエンジンが特許侵害をしたとしてマネシマことナカシマ工業から特許訴訟を受けることになりました。そこで、有能弁護士の神谷(恵俊彰さん)と手を組んで、逆訴訟をするという話の展開。
一方で、国産ロケットのスターダスト計画をしている帝国重工が開発したロケットエンジンのバルブシステムが佃製作所が一足早く取得した特許と同じ構造であったというところで1話が終了です。
第2話のあらすじ(ネタバレ)
帝国重工の財前が佃製作所に
帝国重工の宇宙開発部の部長の財前(吉川晃司さん)は、佃製作所が持っているバルブシステムの特許を何としても我が社のものにしなければいけないと、佃製作所に直々に行くことになります。
佃製作所では超大企業の帝国重工がやって来るということで大騒ぎ。そりゃそうですよね。町工場にトヨタが来るようなもんでしょう、これが何かの取引っていう話なら凄いことですもんね。
バルブシステムの特許譲渡の話
しかし、財前の話はバルブシステムの特許の話です。
財前は佃にバルブシステムの特許を20億円で譲ってほしいと提案をします。これは、訴訟問題で費用がかさんでい佃製作所にとっては喉から掴むように欲しい大金でもありました。
しかし、佃は7年前にロケット打ち上げの失敗からロケットエンジンの開発を夢見ている熱い男です。このバルブシステムの開発には相当な思い入れがあり、20億円という金額を突き出されても素直に受け渡すことが出来ませんでした。
「譲渡ではなく特許使用料ではいけないのか?」という提案を財前にする経理の殿村(立川談春さん)。しかし、財前は他のメーカーにこの技術を使われては意味がないとはね退けます。
殿村が「では、独占使用という契約にすればいい」と提案をします。しかし、財前は「キーテクノロジーは全て内製化しないと意味がない、それはできない」と独占契約という条件でも譲歩しない考えです。
殿村は「それは、あなた方の都合の問題ですよね」と反論。財前はなかなか潔い気持ちのよい男です、このことを認め「そう、こちらの都合です。しかし、あなたが方もあなた方の都合があるはずだ」と一歩も引かない様子。
佃はしばらく考える時間が欲しいとし1週間で答えを出す約束をします。
何としてもバルブシステムの特許を手に入れたい財前。帰り際の車のなかで特許価格を50億円くらい値を上げられたとしても安いものだと。
譲渡、特許使用権利か?
佃製作所ではお茶を出しに行っていた女性従業員が20億円という言葉を耳にしていたのですでに車内ではバルブシステムの特許が20億円で売却できると大騒ぎになっていました。そりゃ、倒産するかどうかって時に20億円の大金が舞い込んでくるチャンスが出てきたのですから当然ですよね。
しかし、佃航平はまだ「まだ結論を出したわけではない」と社員の興奮をなだめます。
社員を集めて意見を求める航平。
殿村は特許譲渡には慎重な姿勢を見せており帝国重工はバルブシステムの開発で少なく見積もっても100億円の開発費を投じているはずで20億円という金額は安すぎると反対。また、技術開発部長の山崎光彦(安田顕)も反対。もし、バルブシステムの特許を譲渡してしまうとこれから先の展開が封じ込められることになってしまうと。
とはいえ、まだその他の製品での利用価値があるのかどうかわからない状況なのでなかなか難しい判断となってしまうのです。現状で活用価値がある技術なら譲渡はありえないという決断ができるのでしょうが、難しいところですよね。
航平もかなり迷っています。しまいにはボーリングでスペアを取ったら譲渡、取れなかったら特許使用権、に持って行くと掛けに出るという暴挙(笑)しかし、結果はレーンが下がってからピンが倒れるという何とも言えない結果、航平は「自分で決めろ、ということなんだな」と理解するのでした。
期間を延ばす航平
1週間後、航平は財前の元に訪れます。
社内では意見がまだまとまっておらず、特許使用契約の検討をして欲しいとお願いします。しかし、財前の気持ちは変わらないと反論をします。しかし航平も引き下がらず、結論にはまだ時間がかかると食い下がります。スターダスト計画自体が遅れをとっていることから財前は使用契約の道も検討してみると、態度を少しだけ緩和することに。
さて、どうなるのでしょうか。意外と、財前という男は物分りはいいタイプの人物のようですね。
ナカシマ工業は相変わらず裁判の時間稼ぎ
一方、ナカシマ工業との特許訴訟については裁判が行われています。相変わらず、同じような内容の裁判をして時間稼ぎをしているナカシマ工業。ナカシマ工業の狙いは時間を稼いで費用を底につかせるという戦略。
弁護士の神谷は何度も「時間稼ぎだ!」と訴えるものの、大企業擁護とみられる田端裁判長はその意見を退けます。しかし、ある時に田端裁判長が神谷の意見に賛同した時がありました。このサインを見逃さなかった神谷。
流れがちょっと変わりつつあったのです。
財前はナカシマ工業の三田と知り合いだった
財前はこの時に上司の水原(木下ほうかさん)にバルブシステムの特許で問題があったことがバレてしまい非常にまずい状況に。昔からの知り合いだったナカシマ工業の三田(橋本さとしさん)に連絡をして会うことに。
目的は佃製作所とナカシマ工業の特許訴訟についてどうなっているのか。
ここで財前は確信したのです。ナカシマ工業の狙いは佃製作所の買収だと。特許を持っている佃製作所がもしナカシマ工業の傘下に入ることになれば、法外な価格の使用権利契約をさせられる可能性や、特許を他社に売却してしまう可能性もあると判断。
何としても佃製作所とバルブシステムの特許の交渉をしないといけないと誓うのでした。
佃航平の証人尋問
ナカシマ工業の顧問弁護士・中川(ピータさん)から証人尋問の依頼を受けた航平はそれに臨みます。神谷弁護士は事前に用意をしていたマニュアルは忘れて、佃社長の熱い思いをそのまま裁判長にぶつけてくださいと。神谷が準備した証人尋問のマニュアルを覚えてきた航平は突然の方針変換に驚きます。
そして、証人尋問が始まります。なんと、傍聴席には財前の姿も。
中川はステラエンジンの開発の経緯について細かい質問をして航平を追い詰めます。いつ試験に成功をしたのか細かい日時など、過去のロケット打ち上げ失敗の話を持ち出し、そんな企業に技術力があるとは思えない、捏造をしたのではないかとか酷い言い様です。
そこで航平は思いが熱くなり、過去のロケット打ち上げの失敗の話を包み隠さず話し始めます。しかし、中川弁護士は質問の回答になっていないと反論をしますが、田端裁判長はもう少し話を聞きたいと続けるように促します。
航平は技術者としての熱い思いを語ります。
航平の技術者としての熱い思い
今朝、娘がヨレヨレのシャツじゃみっともないからといってアイロンをかけてくれた話をして、このアイロンを開発をしたエジソンがいなかったらアイロンというものすらなかった。
特許というのは技術者を守るためにあるべきもので、金のことしか考えることができなくなったら技術の進歩はない、そんな特許ならないほうがマシ、金のことしか考えることができないナカシマ工業にこの特許の技術を開発することは絶対にできるわけない、この特許は我々が開発した!と熱く語ります。
そして、航平は裁判長に
「裁判長。これだけは言っておきます。たとえこの裁判に負けたとしても、ナカシマに特許を奪われたとしても、へでもありません。培ってきた技術力だけは決して奪えない。正義は我にありだ!!」
流石ローマ帝国の技術者だ #tbs #下町ロケット pic.twitter.com/medPSjn3WH
— とむ (@tom_0129) 2015, 10月 25
と。顔が濃すぎる。
これを見ていた財前も胸を打たれているのかじっと航平に視線を送ります。財前も元々は技術者であり7年前にはロケットセイレーンの打ち上げ時に衛星の開発に関わっていました。
裁判はもう一つの審理に移ります。ナカシマ工業は新たな根拠資料を提出するとさらに時間稼ぎをする戦法と取ります。田端裁判長は「もう少し主張を簡略化できないか」と指摘。
流れとしては佃製作所側にかなり有利になっているようです。そこで、田端裁判長は両代理人にこの後、時間を取ることができないかと呼び出します。
別室に集まる佃製作所とナカシマ工業。
田端裁判長は「本件では佃製作所が特許侵害をしていないと認める」という判断をしていることを述べ、本件に関しては和解をするべきだと提案を持ちかけたのです。このまま裁判を続けることになればナカシマ工業が負ける可能性は大きく損害賠償額は70億円となります。ここで神谷弁護士は和解に応じるのであれば8割の56億円の支払いで結構と伝えます。
まさかの完全勝利。和解という形となりましたが56億円の損害賠償金を手にすることができるのです。なぜ、このように田端裁判長は判断をしたのか。実は、神谷が今までの判例を調べ直したところ彼は決して大手企業擁護する裁判官なんかではなかったのです。なので、佃の熱い言葉を聞かせることで勝つことができるのではないかと思ったのです。
半沢直樹の東京中央銀行の名前が
56億円の損害賠償金が入ってくることを聞きつけた元メインバンクの白水銀行が佃製作所にやってきました。白水銀行は佃製作所がピンチの時に手を差し出してくれることがなかった酷い銀行です。そんな白水銀行はがそのお金を入れて欲しいとへこへこと頭を下げてやってきたのです。
航平はそんな白水銀行に今後は取引をするつもりはない、東京中央銀行をメインバンクにすると断言するのでした。
きました。半沢直樹。半沢直樹が出てきたら面白いんですが(笑)
もし、取引をしたいならその腐りきった考えを改めてから出直してこい!と航平が言っていたので、結局のところ白水銀行に戻るってことなんでしょうかね?
熱意の逆転劇、第3話では帝国重工との戦いが激化か
航平はナカシマ工業に完全勝訴したことでバルブシステムの特許の譲渡は当然するつもりありません。さらに、特許使用契約についても認めないという考えを示しました。
帝国重工ではこのバルブシステムの特許がない限りロケットの打ち上げをすることができません。もし、新しいタイプのバルブシステムの開発をしたとしても最低でも2年かかるという試算だからです。
財前は絶体絶命のピンチに陥ったことになりますが、第3話以降はこのバルブシステムの特許を巡って、中小企業の佃製作所と大企業の帝国重工の闘いが繰り広げられることになりそうです。
スカッとジャパンよりもスカッと
フジテレビで放送されているスカッとジャパンよりもスカッとしますね。まあ、このスカっとというジャンルは半沢直樹を製作したTBSが元祖とも言えますからお家芸といえるかもしれません。
それにして、2話の佃航平の熱い思いからの逆転劇はなかなか見応えがありました。
それを傍聴していた財前のなんとも言えない表情もなかなかいい感じ。彼も技術者ですから航平の言っていることはよく分かるんでしょうね。
航平の言っていることが理解出来る一方で帝国重工としてはバルブシステムの特許を何としても手に入れたい。その間で財前はどのようにして、解決に導くことになるのか、ますます面白くなりそうです。