人は仕事でもプライベートでも常に「考える」という作業をしている。毎日行う作業なので、年間で計算すると、膨大な時間になると思う。なので、この部分の効率を上げれば、生産性が上がるのではないか?と思うのは自然なことだ。
もちろん、人の生活は生産性だけではないが、少なくとも仕事では(プライベートのある部分でもそうかもしれない)、生産性を上げることが大事だ。そうすることで、時間の節約になり、それが気持ちの余裕や豊かさに結びつくかもしれないからだ。※可能性としてはあるということだ。
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▼ 本当にあなたは考えているのか?
何か問題に直面したとき、困っているのか、悩んでいるのか、対策を考えているのか、わからなくなることがある。情報はとりあえず集めたが、そこからどのような結論を導き出せばいいのかわからない…どう行動に結びつければいいのかわからない…と立ち往生しているような状態である。
その状態は、考えている…というよりも、困っている、悩んでいる状態である。こうなってしまうと、合理的に考えることができず、前に進むことができない。そんなときは、思い切って(思考らしきものを)一旦そこで打ち切り、原点に戻ることだ。
何が問題なのかについて、(問題の)捉え方を間違えていないか、別の解釈があるのではないか?と、そこから考え直すことだ。問題の捉え方に間違いがなければ、おそらく情報の集め方に問題がある。集めた情報の質と量が適切なのかどうか、よく見直すことだ。
自分は頭が悪いから…と思ってしまうと、そこで思考停止だ。ただ、楽な方向へ逃げているにすぎない。あなたは、これまで生きてきた中で、相当考えているはずだ。考えることについては、すでにとんでもない経験値(経験知)があるのだ。なので、頭が悪いから…などと考える必要は全くない。
▼ ひとつのことを長く考えてはいけない
たとえば、ブログの記事のテーマや内容をどうしようか…と考えることがあるが、ジッと机に向かって長く考えてもいいアイデアは浮かばない。ボクシングでいえば、相手のガードの上からときどきジャブを単調に打っているだけ…という感じで、手詰まり感だけが深く、効果的なパンチを打てない状態なのだ。
手詰まり感や閉塞感に包まれたら、そこで考えることを一旦やめることだ。
▼ 考える回数を増やす
考える長さよりも、考える回数を重視した方がいい。同じシチュエーションで考える(たとえば、机の前で考える)というよりも、外部環境(場所)を変えながら考える回数を重ねた方がいい。幸いなことに、考えるという作業はどこでもできる。電車の中でも、歩きながらでも、トイレの中でも可能だ。
おそらく、外部の環境(場所)を変えることが、思考に何らかの影響を及ぼすのだろう。そうすることにより、問題の違う側面がみえたりだとか、突破口らしきものがみえてきたりすることがある。
個人的なおすすめは、歩きながら考えるということだ。通勤時でもいいし、オフィスの中を歩いてもいい。狭い部屋の中でも、少し歩きながら考えるだけで頭の働きが違ってくるのだ。
考える回数を増やすということは、間をあけることでもある。間をあけることについては、以下の記事で述べたように、1)気づきがある、2)内容の剪定ができる、 などの効果がある。
比較的難しい問題について考えるときは、この(間をあける)効果を享受することを考えた方がいいだろう。
▼ 大 ⇒ 小 と考える
これは、森全体をみてから個々の木をみる…ということだ。ビジネスの赤字が問題になっているのであれば、収入が足りないから赤字になっているのか、支出が多いから赤字になっているのか、両方なのか…をまず考える。
収入が足りないのであれば、客数の問題なのか、客単価の問題なのか、その他の問題なのか…支出が多いのであれば、変動費の問題なのか、固定費の問題なのか、さらに固定費であれば…と細かく考えていく。
ときには時系列で考える…ということも必要になるかもしれない。大 ⇒ 小という考え方をベースにして、頭の中でロストしないように、順序立てて考える…ということが大事だ。
▼ 組み合わせを考える
いろいろな情報を分析して結果を得たとする。その段階では、それらの結果は別々のピースにすぎない。先のボクシングの例でいうと、ストレート、フック、アッパーと個々のパンチにすぎないのだ。これらを組み合わせてコンビネーションにすることで、極めて有効な攻撃をすることができる。
それと同じで、それぞれの情報から得た分析の結果を組み合わせて、有効なものにするということを意識するのだ。(見えていないだけで)有効な組み合わせというものがあるので、それを探したい。
▼ まとめ上げる
いろいろな情報を分析して得た結果のうち、不要な枝葉の部分を切り落とし、残った重要な部分から結論を引き出す…というのが、考える最後のプロセスだ。上述した「組み合わせる」ということも、このプロセスに含まれる。多くの場合、結論はシンプルな言葉で表すことができるはずだ。
※シンプルだが、奥の深い言葉になるはずだ。
もし、結論をシンプルに表現できないのであれば、最後の「まとめ上げる」という工程でミスをしている可能性がある。上手く収斂させることができなかった、ということだ。取捨選択が不十分で、重要な部分の絞り込みが足りないのかもしれない。そんなときは、もう一度、その工程を見直してみることだ。
▼ まとめ
もっと上手に考えることができないか?という問題意識からこの記事を書いた。
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人は仕事でもプライベートでも常に「考える」というプロセスを踏んでおり、ここの効率を上げれば生産性が上がるのではないか?と考えられる。人の生活を考える上で、生産性を上げることが常にマストだとは考えないが、そうすることで、時間の節約になり、それが気持ちの余裕や豊かさに結びつくのであれば一考の余地はあるだろう。
何か問題に直面したとき、困っているのか、悩んでいるのか、対策を考えているのか、わからなくなることがある。その状態は、考えている…というよりも、困っている、悩んでいる状態である。こうなってしまうと、思考が立ち往生し、前に進むことができない。そんなときは、思い切って思考を一旦そこで打ち切り、原点に戻ることだ。
考える長さよりも、考える回数を重視したい。同じ状態で長く考えるよりも、外部環境(場所)を変えながら考える回数を増やした方がいい。「考える」というプロセスを、細切れにするというイメージだ。
外部の環境(場所)を変えることが、思考に何らかの影響を与える。問題の違う側面がみえたりだとか、突破口らしきものがみえてきたりすることがあるのだ。ちなみに私のおすすめは、歩きながら考えるということだ。何回かの思考の内の一回でもいいので取り入れてみてほしい。
考える最後のプロセスは、「まとめ上げる」ということだ。いろいろな情報を分析して得た結果のうち、不要な枝葉の部分を切り落とし、残った重要な部分から結論を引き出す…というプロセスになる。ここでは、大⇒小と考えたり、組み合わせを考えたり…という技術が必要になる。
まとめ上げた結果(収斂作業の結果)は、シンプルだが奥の深い言葉で表すことができるはずだ。この出来が、上手く考えることができたのかどうか…のひとつの指標になると思う。