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 ローマ・カトリック教会が、教義の根幹である「家族のあり方」を論じる世界代表司教会議は25日、3週間の議論を経て閉会した。教会がタブー視する同性愛者や離婚者に理解を示すフランシスコ法王に対して保守派が反発する中、教会の基本原則は維持されたが、柔軟な姿勢も一部取り入れられた。

 24日にまとめられた最終報告書は94項目。世界中から集った司教265人による投票ですべて承認された。法王は報告書を踏まえて今後の方針を決定する。

 最終報告書を受けて演説した法王は「恐れず、現実から目をそらさず問題と向き合わなければならない」と改めて指摘。「真に教義を守る者は、文書を保つ者ではなく、その精神を保つ者だ」と訴えた。

 最終報告書では、カトリックが認めていない離婚や再婚を経験した信者について、「可能な限り様々な方法でキリスト教徒の一員とさせるべきだ」とした。禁じられてきた重要儀式への参加は明確ではないが、可能性が出たと解釈する欧米メディアもある。法王は会議前の9月、長い時間と費用がかかる教会の婚姻無効手続きの簡略化を決めている。