なぜ評判が「イマイチ」なのか
安倍内閣が掲げた新三本の矢の評判がイマイチである。一億総活躍の下で、①名目GDP600兆円、②出生率1.8、③介護離職ゼロ、というのが今ひとつすっきり理解できないということだろう。
それに加えて、以前の三つの矢①金融政策、②財政政策、③成長戦略がどこにいったのかという議論もある。
まず、以前の三つの矢は継続され、その上で、新三本の矢ができるのだと理解していいはずだ。そして、新三本の矢のうち、中心は「名目GDP600兆円」であるはずだ。
名目GDP600兆円を達成するには、一億の国民すべてに活躍してもらう必要があるはずで、一億総活躍というのは、いわば名目GDP600兆円の別表現なのだろう。
②出生率1.8、③介護離職ゼロは、実現するための政策コストがかかるはずで、それも名目GDP600兆円があれば、より容易にできるはずだ。その意味で、名目GDP600兆円が達成できないとなると、新三本の矢はうまくいかなくなる。
名目GDP600兆円は、目標としてはいい。このような経済成長の目標を国民に示すのは、1960年の池田勇人内閣の「所得倍増計画」以来である。名目GDP目標水準はわかりやすい新しい政策目標になりうる。
ただし、難点はその達成時期である。達成時期を明示しないのは、政治スタンスとしてはわかるが、政策論では目標とはいわない。達成時期を明示するには、達成手段も示す必要がある。
ちょっと野心的かもしれないが、安倍首相が自民党総裁の任期期間である2018年までに、名目GDP600兆円を達成することは、決して不可能ではないと思う。ただし、以下の3つの条件すべてが絶対に必要である。一つでもかけては目標達成できない。
1)20兆円補正予算
2)10%への消費再増税の凍結
3)インフレ目標3%(日銀法改正)
この、それぞれについて、いかにして達成するかを説明しよう。
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