産経ニュース

【日曜経済講座】相次いだ市場政策の禁忌 中韓は「他山の石」 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【日曜経済講座】
相次いだ市場政策の禁忌 中韓は「他山の石」 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇

 ニューヨークで証券アナリストが内々に集まり、中国経済の現状を話し合った。耳目を集めたのは「1990年代の日本経済に似ている」という分析だ。「過剰供給で不良債権を処理する必要があるのだが、責任問題が浮上するのが嫌で『ゾンビ企業』が放置されている」という。

 90年代の日本では「総合経済対策」と銘打って、政府が構造改革よりも目先のテコ入れにご執心だったが、これは現在の中国にも当てはまる。

 こんなとき、経営に問題のある企業をあぶり出すのは簡単だ。信用力を反映する株価や社債利回りの根拠を聞いて回ればよい。だが、今年の中国政府は言論抑圧を用いて市場の価格形成機能を矯正しようとした。8月の急落劇の際には、市場不安をあおった記者を訴追した上、インターネットでの議論を規制した。

 米メディアでは、「売りを浴びせた海外投資会社の社員が拘束された」との観測が紹介された。ただすべきは企業の情報開示なのに、急落のとがを外国人に負わせたのだ。

関連ニュース

【日曜経済講座】TPPでの国益忘れた対米協調を憂う 空白30年の愚を繰り返すな! 田村秀男

「ニュース」のランキング