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サンマ漁、最低水準 北海道東部 量半減、浜値は倍

北海道新聞 10月18日(日)14時0分配信

 【釧路、根室】北海道東部を中心に最盛期を迎えている国内のサンマ漁が、記録的な不漁だ。15日までの全国の漁獲量は平年並みだった昨年の同時期に比べて半減し、道東の花咲、厚岸、釧路、浜中の主要4港も4割減と落ち込む。詳しい統計が残る1980年以降、年間の漁獲量が過去最低となる可能性もある。資源量の減少や漁場の変化に加え、9月以降の荒天で出漁できない日が多かったことが響いた。品薄感から浜値は昨年の倍近くに値上がりしている。

 根室・花咲港ではこの時期、1日最大千トンの水揚げがあるが、15日は18隻計45トンにとどまった。「サンマが全然いない。今日もまるきりだめだ」。水揚げ作業を早々に終えた漁船員(55)は残念がった。

 漁業情報サービスセンター(東京)によると、サンマ漁が本格化した8月上旬以降の漁獲量は昨年同期比48%減の5万5050トン。漁獲の多い道東の主要4港に限っても38%減の計4万374トンと低迷している。

 漁は今月中旬から終盤に入り、年末まで続く。同センター漁況グループの渡辺一功(かずよし)リーダーは「最終的に13万トンを下回りかねない」とみており、過去最低だった99年の13万4944トンに及ばない可能性も出ている。

 原因の一つは日本近海に来遊する資源量の減少だ。水産総合研究センター東北区水産研究所(宮城)によると今年の推定資源量は記録的な不漁だった2013年の約4分の3の136万1千トン。外国の大型船が北太平洋の公海でサンマを「先取り」していることが影響しているとの見方もある。(釧路報道部 安房翼、根室支局 犬飼裕一)

最終更新:10月18日(日)14時0分

北海道新聞

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