週刊 ニュース深読み「働き盛りがなぜ?“中年フリーター”270万人の衝撃」 2015.10.24


おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
今週初めは、横浜市のマンションで傾きが見つかり、くいのデータが改ざんされていた問題です。
今週、工事を行った旭化成建材が、過去10年間に請け負った件数が公表されました。
その数なんと。
3040件。
45の都道府県に及んでいます。
このうちデータの改ざんに関わった施工管理者が、9つの都県の41件を担当していたことも明らかになり、各地に不安が広がりました。
問題の発端となった横浜市都筑区のマンションです。
こちらの50代の会社員の男性。
共働きの妻と2人で暮らしています。
8年前、およそ30年のローンを組んで部屋を購入しました。
ついの住みかとして探し、手に入れたマイホーム。
戸惑いは隠せません。
3LDKの部屋に住むこちらの男性は、妻と2人の息子と暮らしています。
組んだローンは3000万円以上。
払い終わるのは。
8年前、購入した際に読んでいたパンフレット。
くいが固い地盤にまで届いていることが図で示され、基礎の頑丈さがアピールされていました。
家族で年月を積み重ねてきたわが家。
割り切れない思いを抱えています。
今回の問題が発覚したのは、去年11月。
マンションの住民が、棟と棟を結ぶ渡り廊下の手すりの高さがずれているのを発見。
会社側が調査を行うと、上下に最大でおよそ2センチずれていました。
建物を支えるくいのうち、8本が強固な地盤に十分に達していないことが分かりました。
マンションは、業界大手の三井不動産レジデンシャルが販売し、その工事を、三井住友建設が請け負いました。
くいの打ち込みを担当したのは旭化成建材。
調査では、この旭化成建材の現場の施行管理社が、70本のくいのデータを改ざんしていたことが明らかになったんです。
施工管理者は、データを改ざんした理由について、データを紛失したり、機械のスイッチを入れ忘れた自分のミスを隠すためで、悪意はなかったと話しているということです。
火曜日には、その旭化成建材と親会社の旭化成が、発覚後、初めて記者会見を開きました。
その2日後、再び開かれた会見では。
旭化成建材が10年間に請け負ったくいの工事は3040件で、45の都道府県に及ぶと公表。
このうちデータの改ざんに関わった現場の施工管理者が担当した物件は41件です。
最も多い愛知県の23件、次いで岐阜県の6件、三重県の5件など、施工管理者がもともと勤めていた会社があった東海地方に集中しています。
旭化成側は当初、物件の名称などを明らかにしないとしていました。
その理由について。
ところが、国土交通省には、自治体などから数多くの問い合わせが。
石井国土交通大臣は。
旭化成側に対して、3040件の関係者に、施工管理者が関わった物件がどうかを含めて連絡するよう指示。
指示を受けて、旭化成建材は、関係者への通知を開始しました。
ただ、データの改ざんの有無など、詳しい内容は、国土交通省が来月13日までに報告を求めている調査が終わってからになる見通しだとしています。
スタジオにはこの問題を取材していて、1級建築士の資格を持つ中村解説委員です。
3040件の人たちに、自分たちのマンションがそうであるということを、最初伝えないとしていたのは、どうしてなんですか?
これはですね、まだ、データの改ざんが行われていたことがはっきりしているのは、横浜市のマンションだけですね。
ほかはまだ調査が始まろうとしている段階ですから、そういう段階で、その物件名を明らかにすると、資産価値が下がるとか、そういうことにつながるんではないかという心配もあって、これをどう公表するかっていうのも、賛否いろいろあったんですね。
ですけれども、これだけ不安が全国的に広がっている中で、3040件がどの建物かっていうのを明確にする必要があるということで、所有者には知らせるということになったということですね。
大きく不安が広がったということですね。
そうですね。
ただ、住宅を買うときって、販売会社としかやり取りしませんけれども、もはや誰が作っているかすら分からない、これ当たり前のことなんですか?
これは横浜の例ですか?
そうですね。
横浜の、この販売会社があって、ゼネコンとか呼ばれている元請けの建設会社があって、その下請け、旭化成建材が、くいを作っていたと。
下請けの下請け。
そうですね。
ここは何してるんですか?じゃあ。
こちらは、現場のスケジュールとかですね、実際、建物を建てたりとか、施工するのは、この下請けがくいを作ったりとか、コンクリートとか、工事をするのは、下請けの会社がして、ゼネコン、元請けの会社はスケジュールの管理をしたり、施工の管理、品質管理ですね、それをする役割をしてます。
そこがじゃあ、くいがちゃんと下まで届いているかどうかを、管理しないといけないんじゃないですか。
そうですね。
今回の場合も当然、くいを作っている会社はちゃんと作らなければいけないですけど、元請けの会社の責任者、現場責任者がいますから、その人がちゃんと打たれているのか、固い層まで到達しているのかを確認する必要はあったわけですね。
今回、元請けの責任者は、それぞれのマンションの建物の最初の1本についてはくいの打っている現場に行ったということなんですけれども、それ以外についてはほとんど行っていなかったということですので、そのへんの施工管理の在り方ですね、ここらへんに問題があったというふうにもいわれているわけですね。
今後の課題もそのへんにあるんじゃないかと。
このあとポイントになってくるところというのはどこですか?
そうですね。
先ほどの3040件の中で、改ざんされている、データが改ざんされているものが、横浜市以外のマンションにあるかどうかということだと思いますね。
これだけ不安、広がっていますので、徹底した調査というものが行われるということが求められているというふうに思いますね。
それにしても、耐震偽装の事件が数年前ありましたよね。
あれで、業界の人たちはみんな襟を正したのかと思ってました。
それは実際、正したと、わたしは思っていますけど、そうですし、制度もですね、変わったり、方針も変わったりして、いろいろな対策が行われたということはあったと思うんですね。
ですが今回のこと、これ地面の、建物のことって一般の人はなかなか、詳しいことは分からない。
さらに地面の中で見えないところだということで、消費者としては、業者を信頼するしかないというところでこういう改ざんが行われていた。
しかも、修理するのではなくて、建て替えをしなければいけないかもしれないというそういう検討されるようなことだったということなので、業界は信頼回復に一層の取り組み、努力というのが今、求められているところだというふうに思います。
ここまで、中村解説委員に聞きました。
続いてはこちらです。
今週木曜日、若い選手たちがプロへの一歩を踏み出しました。
高橋純平。
注目の右腕、高橋純平投手は、3球団が1位指名。
初々しくも頼もしい。
ですね。
期待したいですが、そのプロ野球が、今、大きく揺れています。
ドラフト会議の前日に、日本野球機構の調査委員会が記者会見。
新たに巨人の2人の選手が、野球賭博を行っていたことを明らかにしました。
巨人の福田聡志投手が、プロ野球の試合などで、野球賭博をしていたことが明らかになった問題。
日本野球機構の調査委員会は、新たに巨人の笠原将生投手と、松本竜也投手の2人も、野球賭博をしていたと発表しました。
笠原投手はプロ7年目、今シーズンは中継ぎで、20試合に登板しました。
松本投手は4年目、ドラフト1位で巨人に入団しました。
これまで1軍での登板はありません。
球界を揺るがす事態に、巨人は。
ファンからは。
警察や賭博に詳しい関係者によりますと、野球賭博は、胴元と呼ばれる賭博を主催する人物が、客の取りまとめと賭け金の分配を行います。
客は、プロ野球などの試合を対象に、どちらのチームが勝つか予想して金を賭け、試合の点数の差や賭けた金の額に応じて分配金が支払われる仕組みです。
調査委員会などによりますと、最初に野球賭博をしていたのは、笠原投手。
去年4月ごろから、およそ半年間に知人の男性などとおよそ10試合。
別の飲食店経営の男性などと10試合から20試合で行っていたということです。
松本投手は去年6月ごろからおよそ4か月間、十数試合、そして福田投手もことし8月ごろから、およそ10試合で野球賭博を行っていたということです。
笠原投手は、松本投手と飲食店経営の男性とのやり取りを仲介したり、福田投手に知人の男性を紹介したりしていました。
野球賭博の問題は過去にも。
昭和44年に発覚した、いわゆる黒い霧事件です。
暴力団が関係した野球賭博に選手が関わり、自分のチームが負けるようにプレーする八百長を行っていたことが発覚。
複数の選手が、プロ野球界から永久追放処分を受けました。
調査委員会は、3選手が出場した試合では野球賭博は行っておらず、八百長行為は確認されていないとしています。
しかし専門家は、八百長を持ちかける賭博組織が背後にあった可能性も視野に入れるべきとしています。
今回、野球賭博に関わった3人が、いずれも投手だったことについては。
日本野球機構の調査委員会は、引き続き調査を続け、およそ1か月後をメドに、最終報告をまとめることにしています。
次はこちらの映画。
懐かしい。
バック・トゥ・ザ・フューチャー。
そうなんですね。
時は1985年。
高校生のマーティと科学者のドクが、車型のタイムマシンでタイムトラベル。
パート2では未来へ行きました。
その日付が出ます、こちらです。
よく見てくださいね。
オクトーバー2015、2015年の10月21日、つまり。
今週の水曜日?
ということなんです。
いよいよその日がやって来ました。
ついにその日を迎えた今週21日。
マーティとドクは映画のままの格好で、アメリカのトーク番組に出演。
時の流れを感じる。
盛り上がりは日本でも。
映画にちなんだ期間限定のカフェがオープンし、多くのファンが訪れました。
映画、バック・トゥ・ザ・フューチャー。
シリーズの舞台は1985年。
そのころ、日本では。
慌てなくても大丈夫です。
走らないでください。
小野さん、覚えてます?
科学博覧会。
この眼鏡、覚えてます。
あれをかけると、物が立体的に見えると。
そうなんです。
未来の技術だったリニアモーターカーなどが呼び物となりました。
このテレビゲームもね。
ゲームソフト、スーパーマリオブラザーズが発売されたのもこの年。
私も家族で夢中になりました。
シャワーヘッド片手にエアロビクス。
なんでしたっけ?これ。
こんなエアロビクスも行われていたという。
美容と健康に気を使う若い女性に人気があります。
そして、国内初の携帯電話、ショルダーフォンも発売。
これ重さ、およそ3キロあったそうです。
来ましたね、来ましたよ。
この瞬間を…。
あれから30年。
マーティたちが到着した未来の日のイベントには、映画そっくりに作られたタイムマシン、デロリアンが登場しました。
今の若い人にはなんのこっちゃでしょうけど、このころ夢中になったんですよ、この映画に。
小野さん、この装置、あのシーン、覚えてますか?
ごみを燃料にする装置、覚えてますよ。
ごみを燃料に換えて走っていたデロリアン。
今回、燃料に使われたのは古着です。
古着?
ベンチャー企業が、古着から燃料として使えるバイオエタノールを作る技術を開発。
そのエネルギーでこの車は走っているんですか?
はい、映画の中の技術を実現したんです。
さすがに時空は越えられないか。
映画の中の未来の技術、今ではね、いくつも実現しているんですよ。
例えばこれ、テレビ電話。
ありますよね、今ね。
そうですね。
そして指紋認証。
はい、ありますね。
さらに、空飛ぶスケートボード。
それはない。
これね、あるんです。
あるんですか?
実用化はされていないんですけれども、自動車メーカーが製作しています。
えっ、本当だ、浮いてる。
そうなんです。
で、自動で靴ひもが締まるあのスニーカーも、メーカーが開発を発表しました。
えっ、本当に?
これと同じもの、ほら。
最初の1足は、主演のマイケル・J・フォックスさんに贈られました。
映画が見せてくれた未来の世界。
この先の30年後は、どんな未来が待っているんでしょうか。
30年後の未来。
どうですか?ドク。
30年後の未来を、私たちが築くものだということですか?
どんなふうになっているかということなんですが、文部科学省の科学技術・学術政策研究所という場所が、各分野の専門家に行ったアンケート調査では、さまざまなものが今後30年間に実現するかもしれない科学技術として予測されています。
その一部がこちらなんですが、例えば私たちの暮らしに身近な分野ですと、介護を支援するロボットですとか、映画にも登場していました、眼鏡なしで立体的な映像が見られる装置。
さらに何かをつかんだり、触ったりしたときの感覚を脳に伝えることができる義手、また宇宙では、こちら、宇宙観光旅行ですとか、月や火星に恒久的な有人の活動拠点を作ること。
そして、宇宙空間で太陽光発電をして、その電力を地上に送る技術なども挙げられているんです。
どれも実現するかどうかじゃなくて、実現させるかどうかってことですね、ドク。
次に参りましょう。
鹿児島県の口永良部島の爆発的な噴火からおよそ5か月。
130人余りの島の住民全員が避難生活を続けているんですが、今週、帰島に向けた動きがありました。
水曜日、火山噴火予知連絡会が、口永良部島について、5月と同じ規模の噴火の可能性は低くなっていると発表。
これを受けて気象庁は、噴火警戒レベル5の噴火警報を継続したうえで、警戒が必要な範囲を、火口の西側ではおおむね2.5キロ以内、そのほかの地域では、おおむね2キロ以内に縮小。
島の居住区域の大部分が警戒範囲から外れることになりました。
これについて、避難している住民は。
ただ、すぐに島に戻れるわけではありません。
島では5か月の間に、複数の場所で土砂崩れが発生。
大雨や台風によって一部が壊れたり、室内に湿気がたまって、かびが生えたりするなど、補修が必要な住宅も複数あります。
ああ、ひどい状態です。
電気や水道などのインフラの復旧も必要で、屋久島町では当面、全島を対象にした避難指示を継続することにしています。
仮設住宅に暮らすこちらの夫婦も、ふるさとの島に戻る日を心待ちにしています。
警戒範囲の縮小を受けて、屋久島町は、復興対策本部の会議を開催。
年内の帰島を目指して、来月にも現地対策班を島に入れ、作業を始めることを決めました。
今週はこんなニュースもありました。
イギリスのエリザベス女王みずからが歓迎のスピーチで迎えたのは、中国の習近平国家主席です。
女王と共に、馬車に乗ってパレード。
バッキンガム宮殿に滞在するなど、王室と政府挙げての異例ともいえる厚遇ぶり。
そのねらいは、チャイナマネー。
ヨーロッパの景気が低迷する中、中国の投資を呼び込みたいという思惑があります。
これに対し、中国側が用意したのは、巨額の投資案件でした。
21日行われた首脳会談では、イギリスの原子力発電所の建設計画に、中国が出資することで合意したほか、航空機のエンジンや船舶といった製造業など、両国間で合わせておよそ7兆4000億円の契約が結ばれました。
イギリスの求めに応える形となった中国のねらいは、どこにあるのでしょうか。
巨額の資金を背景にした中国の外交について、専門家は。
続いては、深読みのコーナー。
このことばに、皆さんどんなイメージがありますか。
そもそもは80年代後半既成概念を打ち破るとか社会を遊泳する究極の仕事人など新しい働き方を表すことばとして生まれた、フリーター。
…なんですが最近ニュースで伝えられるのは…35歳から54歳までのいわば働き盛りでアルバイトや派遣・パートいった非正規雇用で働く人たちのこと。
民間の調査会社の調べではこれまで増えに増え現在270万人以上。
こうした状況は、日本全体にまで大きな影響を及ぼすと専門家は指摘しています。
働き盛り世代で増える非正規雇用。
この問題が日本をどう揺るがすのか。
チャンスや希望につながる働き方とは?とことん深読みします。
きょうもメール、ツイートでのご参加、お待ちしています。
そうなんですよね、かつてフリーターということばは、嫌な上司に我慢はしない、お茶くみもしません、自分の好きな仕事にひたすらまい進しますという、自由で冒険心のある生き方の選択肢だったんですよね。
それがいつの間にか、中年フリーターということばになり、これが、日本を揺るがすかもしれないといわれているというのは、一体全体、どういうことなんでしょうか。
徳永アナウンサーの、こんなプレゼンからスタートです。
おはようございます。
小野さんはフリーターにそういうイメージをお持ちかもしれませんが、世代によっては変わるかもしれません。
ここに世代間ギャップがあるんですか。
あるかもしれません。
このへん見ていきます。
なぜこの問題を深読みでやるかというと、今、小野さんが言ったとおりこれ、個人の問題だけで済まないからです。
ゆくゆく困るかもしれないのは、この方です。
この方って日本さんですか。
日本さんです。
国が困るかもしれないという話です。
どういうことか分かりやすくするために、さっきバック・トゥ・ザ・フューチャーやっていましたが、われわれも時計の針を巻き戻してみます。
中年フリーターと呼ばれる人で、最も多いのが、この今から22年前の1993年に4年制大学を出て、社会に出た人たちです。
私が1992年卒業なんですけど、たった1年違うところが設定でいいんですね。
それだけでだいぶ感覚が変わるはずです。
このころ日本は、大騒ぎでした。
バブルが。
うわっ。
それ、やらないといけませんか?口で言うだけではだめですか?
この風船、予備で10個作ったんで、1個ぐらい割ろうかなと思って。
バブルがはじけまして、経済が大変でした。
このころ93年からおよそ10年ぐらいの間をこう呼びます。
就職氷河期。
私ともえさんぐらいがどんぴしゃ、この世代なんですよ。
就職氷河期っていう、同世代がこれに。
えっ、私、違うと思うよ。
そうでした?
同年代でしたっけ?私もうちょっと自分は若いと思っていましたけど。
僕もそう思ってるんですけど。
就職氷河期っていうのが。
93年から2003年ぐらいまでの間に、大学を出て、世の中に出ていくぐらいの世代の全体を、これ、就職氷河期と、実はいうんですよ。
私、ちょうどその時期でした。
そうなるんですよ。
意外と広いんですよね。
意外と広い。
この時期というのは、急に景気が悪くなったんで、お金をとにかくもうからない。
だから、出るものを削ろうと、人件費を削りたくなりました。
だから採用をとにかく減らしました。
会社にたとえ、入ったとしても、こうでした。
それまではほとんどが正社員だったんですが、非正規でとりあえず入らざるをえない人が増えた。
この場合のフリーターは、自分で選んでなるフリーターじゃなくて。
このギャップです。
なるほど。
ここの。
小野さんの時代までは、好きで選んでなってた。
そのあとの世代は、選ばざるをえないということです。
で、正社員とかよくいうんですが、定義というのがなんとなくありまして、これ、法律で書いてあるわけではないんですが、この3つを満たしている人を、大体正社員と呼ぶんですって。
派遣とかではなくて、会社に直接雇われている人、パートじゃなくて、フルタイムで働いている人、それから期限を区切られていなくて、基本、こっちから辞めますって言わないかぎり、ずっと働ける無期雇用、この3つがそろって、初めて正社員。
これが欠けてたら、非正規というわけです。
かつては、派遣そのものが法律上アウトだったんですが、だんだん国もこれを後押ししていって、規制を緩和していったので、この非正規と呼ばれる人が、それからどんどんどんどん人数が増えていくようになりました。
ただ、若いころは手取り、月収見ると、データ見ると、正社員が大体月20万円なのに対して、非正規は17万。
まあそんなに額が変わるわけではなかったんです。
とりあえず今は非正規で、将来なんとかなるだろうと思ってた人もいたかもしれません。
そして、時計の針を進めます。
今です。
将来が来ました。
待っていたのは、この現実です。
それでも日本社会ってやっぱり正社員はキャリアアップして、中には管理職になる人も中には出てきて、手取りも月収も上がる人が多い。
大体34万ぐらい、平均すると、正社員。
フリーター、非正規の人はどうなっているかというと、多くが中年フリーターになったと。
手取りはほとんど変わらない、そのまま。
なんでかっていうと、ご存じのとおりですが、まだまだ日本社会って、こういうのがあって、正社員というのは入ると、基本的には給料がちょっとずつ上がっていく仕組みに、昇給というのがある。
でも下には、それがない。
そしてここ見てください。
階段もなければはしごもついておりません。
現実は最初非正規だと、なかなか正社員にいくことって難しいといわれているんです。
この中年フリーターという人が、今現在でこんだけ。
結構な人数ですね。
テレビをご覧の方の中には、もしかしたら、好きでこっちやってる人もいるのにっていう人もいるかもしれません。
特にパートの主婦の方とか、それは好きで非正規だよって言うかもしれませんが、実は、これ、データからは既婚の女性の数を抜いてこれです。
独身女性と男性を足しただけで、270万人。
私の周りでも、結婚したけど、子ども欲しいんだけど、要は非正規だから、子どもを産むまでの生活費はないっていう人もいるんですよね。
だからこういうことなんだなって思いました。
そう。
つまり、個人も困ってる。
で、もっと困ってるのが、実は会社や国だったりするんです。
会社や国?
ちょっとそのモデルを見てみましょうか。
正社員で、だんだん手取りが上がっていくと、昔ながらのスタイルはですよ、家買って、こういう感じですよね、日本って。
結婚して、子どももうけて、車を買う。
なかなか出費は大変だけど、いろんなもの買わなきゃいけないよねって言いながら、だんだん拡大していくっていうものですよね。
ローンを組んでね。
GDPを600兆にしますとか、デフレ脱却しますとか、ずっと言ってますよね、国は。
でもそれを支えているのはほとんどが個人消費です。
つまり庶民がものをいっぱい買うようにならなければ、景気というのは回復しないんですね、本格的に。
じゃあ、現実、下増えてるって言ってました。
今、もえさんの話にもありました。
こうですよね。
その結婚したくても経済的にできないんですって答えている人が、国の調査でも、ちゃんと答えている人が相当数いるんです。
当然、授かりたくても授かれない人が出てきます。
少子化も止まりません。
ものも買いたくても買えません。
今、国が目指していること全部が成り立たなくなるかもしれないという問題。
大問題ですよね、こう見ると。
近くに最近、結婚した人、ちょっとたまたまいないんですけども。
いやいや。
そうですか?そうだけど、いろんな付けが回って、完璧なプレゼンで、本当に言うことないぐらいですけど、付けが回ってきたの、やっぱり今まで正社員にこだわりすぎた文化なんですよ。
それで大企業が正社員守るために、保身に走って、それで犠牲者いっぱい出てきたから、いっそのこと、非正規とかフリーターってする表現やめて、もうみんな普通に、欧米みたいに、普通に働くだけなんですよ。
この日本型の雇用を、一方で残していることが、どうなるかって今、デーブさんのご指摘があったんですけど、実はこれ、続きがありまして、将来です。
さっきは未来のことまで話してましたが、われわれも未来の話をします。
老後になります。
日本のそのシステムが残っていますので、蓄え、給料、貯金がありますよね、正社員の人は基本的に。
年金制度、それから退職金制度もあります。
ここ見てください、その日本型が残っているっていう指摘でしたけれども、福利厚生というのがあります。
正社員という制度は、現役のころから、会社がちょっとずつ老後のためにお金を出してくれる仕組みがあるので、それを頼りにみんな高いお買い物もできるというわけです。
じゃあ、下はというと、そのはしごだけ、外されてるわけです。
実はこんな試算があります。
中年フリーター世代の人が、このまま老後を迎えたら、最悪こんなこともありうるという試算です。
老後の蓄えが。
そっか。
蓄えたくても蓄えられない。
保障もしてもらえてない。
なので、生活保護に走る人が出ざるをえないんじゃないかという指摘もあります。
つまり、その場しのぎというか、経済をなんとかしなきゃと、あのバブル崩壊のころにルールを作り、後押ししてきた企業や国に、将来、この付けが、来ちゃうかもという話です。
中には言うかもしれません、時はもうたってるじゃない、アベノミクスっていうじゃない。
今、雇用情勢はバブル期並みによくなっているのは確かなんです。
ただ、氷河期じゃなくなったんですが、ただし、今増えているのはほぼ、こっちです。
えっ?
正社員の総数は実はこの2、3年で減ってます。
むしろ非正規が増えています。
下手をすると中年フリーター予備軍という人が、年間30万人弱、今でも社会に出ていっています。
大丈夫かなって話です。
企業はどうしてこんなに、正社員じゃなくフリーターばっかり採用してしまうんですか?だって、ちょっと考えたら分かりそうなもんじゃないですか、自分とこの会社の商品買う人がいなくなるぞっていうことは。
辞めさせやすいんじゃないですか?
それもありますけどね。
辞めさせやすい?
まずは当面の利益を確保しなくちゃいけないということがあると思うんですね。
やっぱり将来、社会としてどうなるかっていうことも重要だろうとは思うんですが、それぞれの企業っていうのは、やっぱり企業としての生き残りというのが重要になってくるわけですね。
いや、生き残ってないですよね。
だって、その1年は大丈夫でも、まさに20年後にものが売れなくなるという状況を、招いたのは、自分たちじゃないですか。
どうして気が付かなかったでしょうね。
わが社だけが、例えば正社員の数増やしたからといって、消費が増えるのかというと、みんながやらなくちゃだめなわけですよね。
そうなってくると、そこに競争っていうのもありますし、やっぱり株主っていうのが今、重要になってくるということがあると思いますね。
株主だって、ちょっと考えたら、これはこのままいくと、この会社は先細り、誰もお客さんがいなくなるって、気が付かないんですか?
いやいや、わが社が、例えば正社員を増やして、例えば賃金上げたからといって、じゃあわが社の商品がたくさん売れるかというと、それはまた別の話ですよ。
社会全体の所得がいかに増えるかということですから、自分とこじゃなくて、隣の会社やってくれと、みんなやってくれと言うんだけど、私はやっぱり現実考えても、そうはいかないよと。
いやいや、隣の人もそう思ってるぞって思ったら、自分がやらないとだめじゃないですか、なんかその、え?そんなこと。
きょうは小野さん、えらい気合いが入ってますね。
いやいやいや、だっておかしくないですか?
でもね、それは失われた20年とか、そういう長いスパンで今、ここに来てるから、振り返ってみたら、なんでその間になんとかできなかったの?って思うかもしれけど、まさかそのときに、私もちょうどバブル崩壊のころ、もうすでに経済部で記者生活やってましたけど、こんなに長く厳しい状況が続くなんて、当時は誰も思ってなくって、とりあえず当面、今、例えば就職が一気に冷えたときも、その新卒の問題だけじゃなくて、例えば地価は暴落する、株価は急落する、失業する人はどんどん増える、世の中全体が大変で、この新卒の人たちが就職氷河期で厳しくなるっていうことも、たくさんある大変なことの一つという捉え方しか、もうそのときには余裕がなくてできなかったんですよね。
でも余裕がなくてできなかったって、もうその方たちの人生はずっと続いてるわけですから。
そうです。
そこをしっかり考えないと、今、対策打たないと、よくないと思うんですよ。
いや、まさにそこなんですよね。
実は日本の場合には、非正規になると、ずっとその非正規のまま固定化してしまうと。
正社員になかなか転換できないってことなんですね。
例えばドイツあたりで言うと、やっぱり若い人は有期雇用っていうの、多いんです。
多いんですけど、30歳過ぎてくると、それが転換してくる、無期雇用のほうに変わっていくと、そういったものがあるんですけど、日本ではそれがなかなかないというような新たなまた問題がそこでは出てくるんだと思いますね。
でも正社員に憧れている人たちまでいるとしたら、父親がそうだったとか、分かりますけど、ただ、業種によっては、どんどんステップアップしたいから、数年間いてまた自分でベンチャーやったり、やっぱりIT関係だったり、いろんな所で働いたりして、非正規だからこそ伸びていく人も中にはいるんですよ。
どうしてもこの一般の話すると、それぞれの業種によって、だいぶ違いますよね、状況によってね。
やっぱりだって、正社員の幸せっていうのはありますからね。
あります。
福利厚生がちゃんとしていて、安心して、あした、きょうごはんが食べられればいいじゃなくて、あしたも食べられるって思えること、来週も仕事があるって思えることは、すごい幸せですよね。
正社員の場合には、やっぱりいろんな形でですね、保障されてるってことあるんですね。
例えば景気が悪くなってもすぐには解雇しませんよとかですね、あるいは生活費もなんとか生活給与で払いますよということがあったと思うんですね。
ただその反面、拘束が強いっていうのがあるんですね、やっぱり長時間働かなくちゃいけないとか、あるいは転勤もですね、頻繁にしなくちゃいけないですとかね、仕事自身も選べない。
むしろ会社のほうがその仕事を与えるっていうことになってくるわけですね。
そうなってくると中には若いうちは、むしろ正社員よりは、拘束よりは自由にというようなことっていうのことは、当然出てくると思いますね。
非正規の30代の女性から。
小野さんね、きょうお越しの専門家は、みんななんでこれ、早く言わなかったのっていう、早くから言ってた人たちばかりなんですよ。
国に提言していた樋口さん、そして小林さんは、まさにその現場をずっと取材してきたジャーナリスト。
ずっと前から取材してきた。
ずっと残業してる人ばっかり。
いやいや。
そんな話じゃない。
そうですね。
特に私も昭和世代の、2000年に卒業したときは、不本意非正規。
不本意非正規?
本当は正社員になりたかったけどなれなかった。
ちょうど2000年というのが、大卒就職率が初の6割を下回る、2人に1人しか就職できなかった。
しかも定義があいまいで、正社員が1年以上の雇用ということで、すべてが正社員じゃなかった。
そんな時代でした。
だからその不本意非正規を取材しようと思ったんですか?
そうですね。
これいつか、日本の経済が弱体化すると思って取材をしてきて、まさに今、実は底が抜けていくんじゃないかと思っています。
2000年には、もう気付いてらした。
2002、3年、私が社会に出て2、3年目から、そういった足音が聞こえてくるような感じでした。
やっぱりまずね、不本意非正規っていう、やむをえず非正規、正社員に雇われませんという人たちが転換できるっていう仕組みをやっぱり作っていく。
それはただ全体の中の非正規というのは2割ぐらいといわれているんですね。
残りはむしろ、正社員よりは今の例えば短時間、パートのほうがいいとかっていう人も多いわけです。
やっぱり今度は正社員のほうにも働き方については、いろんな拘束が強いというような、そういった問題があるということは事実なんです。
企業側としても、正社員と非正規のちょうど中間みたいな、そういうシステムのものを、新しいものを作ったらいいんじゃないですか?
まさにそういうふうに思います。
最近ですと、正社員についても限定がある。
例えば地域的にも転勤は嫌ですよっていうのもあれば、仕事についても職務限定。
あるいは残業嫌ですよって言うような、そういう限定正社員というようなものも増えていると思いますね。
限定正社員っていわれるわけですね。
正社員の場合には、いくつか無限定のものがあるわけです。
それは、要するにまず任地が決まってない、限定されていない。
転勤、どこでも行きますよ。
それから働く時間が結局、ちゃんと限定されていない。
つまり残業が、命じられたらなかなか、それも拒否できないというのがありますね。
あとは仕事の範囲も、一体、なんの仕事をするかって、一番重要なことが、実は会社の、要するに人事で、はい、経理行ってください、はい、営業行ってください、はい、企画行ってください。
一体なんの仕事を、本来専門でやってるのか分からなくなるぐらいぐるぐるぐるぐるたらい回しにされることもあるっていうね。
それに対して、例えば任地はもうそこで変わりませんよ。
転勤ありませんよ、そこで正社員としてやってくださいというのを、例えば限定正社員の1つ、地域限定正社員と言うんですけど、そういったいろんな働き方を、考えていこうじゃないかと。
だから大雑把でいいんですけど、ただ、競争力が弱くなるのは、専門職の人、育てないんですよね。
お役所もそうです、ノンキャリアとキャリアってそうじゃないですか。
アメリカなんて、警察官、本当末端のお巡りさんがトップまでいけるんですよ。
何人もいるんですよ。
つまり区別してないんですよ。
日本ってどうしてもエリート主義の残りがありまして、それでこういうことをたくさん問題が蓄積してきたと思うんですよね。
だったらもう自由競争に、成果主義、冷たい言い方ですけど、頑張る人、頑張るっていうことで、フリーターとか、そういうなんですか、区別するような言い方もいらないと思うんですよ。
だから配置転換が行われることによってね、広い職業経験というのを、経験を積むことによって技能を蓄積しているわけですね。
ただ深さがどうかという、深みをなかなかその仕事に持っていない。
それがまさに専門職っていう人たちが、なかなか日本には育たないというようなことなんですね。
専門職を育てるのも、正社員で、ずっと同じところに、同じ職種を続けていけるとチャンスがあるということもありますよね。
なればいいんですけど、すぐ意味なく移動させられる。
ぐるぐるぐるぐる、担当の仕事が変わるわけですよ。
なるほどね。
その一方で、非正規になると、処遇が問題と同時に、なかなか能力開発として、人材として期待されていないというところがありますから、会社で能力開発してくれないとというような問題もあります。
あと矛盾しているのは、管理職になると、えらい暇になるんですよね。
最近は忙しいですよ。
偉くなればなるほど、ゴルフ、どこ行くってばかりなのにね。
ちょっとツイートご紹介しますね。
ただただ見通しが甘かったね、自分たちの今だけしか見えていない経営者たち。
企業はフリーターを増やすことで自社の商品を買ってくれる顧客を減らしまくって、自分で自分の首を絞めてるじゃないですかという声がある一方で、たぶんこの方は経営者と思われます。
まだ景気のもち上げが足りないんです。
正社員待遇じゃないと人が来ないというくらい、景気をよくしなければというお声も来ています。
でもとりあえず、今、270万人をなんとかしないといけないし、27万人がことしも、来年も、フリーターとして、非正規で採用され続けているままでいいのかどうかっていうことを話すということで大丈夫ですか?
もちろんね、今、中年フリーター、これは非常に大きな問題、270万人っておっしゃいました。
同時に、無業の中年っていうのも、男性の中でも増えてるんですね。
その人たちが大体130万人ということで、合わせて400万人が、ある意味で不安定というところに追いやられてるということがありますね。
ちょっと説明付け加えますと、要するに中年フリーターというのは、フリーターというのはとにかく働いている人たちですね。
それとは別に、中年ニートっていう言い方が、ニートって呼ばれる人たちがいて、その人たちはいわゆる働いていない、無業の人たちがいるわけですね。
ですからこれ、全部合わせると大体400万人ぐらいの方が、今、そういう不安定な立場にいる。
その人たちはすごそうですね。
そうですね。
納税できない人がかなり増えてる、働き盛りというところがポイントで、今まさに、たくさん働いて、お金あって、税金納めるという人、それがこれでは日本の経済は危うい。
そういったことで、今本当は、この世代でも、消費もできないで、ペットボトルのお茶も高くて買えないっていう人がたくさんいる中で。
だから親の年金に、中には頼って生活しているっていう中年層も出てきてますし。
それをどうしていくかを、ここから先、考えたいんですが、ちょっとその前に、徳永アナウンサーのこのプレゼンをお聞きいただきましょう。
特効薬って、もちろん、こういうもの、全くないんですけれども、じゃあ、何もしてないかというとそうでもない。
現場をいろいろ話を聞くと、変化自体は出てきているんですね。
ちょっとそれを2つ、ご紹介します。
要はどうしたら多くの人がもっと希望を持てるようになるかということです。
まずですね、中年フリーターと呼ばれる世代の人たちに多いといわれているのが、そもそもチャンスがない、減ってしまっているということです。
つまり40代になっちゃうと、書類だけで落とされちゃうっていうのがあるそうです。
そこでこの5月、こんな取り組みが始まりました。
東京都では、正社員就職サポート事業というのを始めました。
これ、対象は中年の皆さんに呼びかけます。
働きたい人、正社員になりたい人とに応募してくださいと呼びかけるんですね。
どういうふうにやるかというと、これはハローワークと一緒なんです。
登録してもらって、求人のある企業との間を仲介するということですが、ただ仲介するんじゃないんです。
徹底的に売り込んでくれます。
経営者の皆さん、われわれ東京都、お勧めの中年の方、紹介します。
都が1週間まず、ビジネスマナーなど、研修をします。
ぜひ、ぜひまずは、ひとつきでいいです。
働かせてください、雇ってくださいよ。
試してみてくださいよというふうに呼びかけます。
よければぜひ、正社員として雇っていただけませんかというお膳立てをしてくれます。
ちなみにこの1か月、人件費、都が持ちます。
へー。
こういうやり方です。
実はこの若い人の就職支援というのはあるんですが、中年限定で、しかも非正規から正社員になれるようにというのに絞ってやっているというのはほとんど今までなかったんです。
このために、つまり中年フリーター世代を応援するために東京都が用意した予算、年間これだけ。
さて、この先うまくいくやらという話です。
成果、上がるといいですね。
今ツイートで、何年か働いたら正社員に…。
中年は正社員になる前に首を切られるのがおちだよという声が来ていますし、ものすごくたくさん実際、非正規で働いている人たちから、つらい声が届いています。
4億円あるんだったら、東京都で雇ったほうが早いんじゃないかな。
でもここまで都が、国政じゃなくて都が努力して、なんとかやろうっていう、いかにも危機感があるってことは否定できないですよね。
企業だけじゃない、市役所でも非正規です。
入って見て、非正規雇用の人数の多さにびっくりです。
病気になって、欠勤。
時給なので収入がた減りです。
という声も来てますね。
うまくいくといいな。
1回だけの職業紹介ってことじゃないんですね。
やっぱり寄り添って、まさに親身になって、その人と一緒に就職活動をするというようなところですか。
そうすることがやっぱり、不安を取り除くし、成果も上がってくるんじゃないかというふうに思います。
少しずつ国も始めてはいるんですよね。
企業にとってもトライアルをやることで、リスクが少し軽減されるので、非常に歓迎な政策だと思います。
重要なのは、最初のたった1週間、研修っていうのが、最初にありますね。
たった1週間でもいい。
とにかく研修をね。
これは何するんですか?
基本的なビジネスマナーが中心なんだそうです。
ビジネスマナー?中年に?
でも裏を返せば、ブランクがある人もいるわけです。
つまりね、日本の場合には、会社が社員を雇うときに、即戦力じゃなくて、全然なんの知識もなくていいですよ、とにかく一から会社がちゃんと教えますからっていうことで、雇うわけですね。
ちゃんと研修もやる。
その中では、基本的な、要するに日頃のそういう敬語の使い方とか、文章の書き方も含めて、それをちゃんとやるわけです。
逆に言うと、非正規で入ってしまうと、そうしたきちっとした研修も受けないまんまで、ずっと働き続けるということになってしまうことがあるわけですね。
ですから、これはやっぱり都がちゃんと僅かな時間でも、とにかくちゃんとまず、まずちゃんと研修をやると、ここは私、ものすごく重要なところだと思います。
最初はただ上司のごますり。
大事なこといっぱい。
それも大事なことかもしれない。
もう一つじゃあいきましょうか。
さっきもえさんが、正社員と非正規の間がもっとできれば。
実はそういう動きが、外食チェーンを中心にちょっとずつ出てきているんです。
40を過ぎますと、なかなか安定したいんだけど、いつ、首になるか分かんないっていうのは嫌なものです。
そこでこんな動きを見つけました。
関西を中心に、外食チェーン店、和食チェーン店を経営している取締役の田口さんって方に聞くと、会社は会社で今、困っていて、急に人手不足感になってるので時給上げ合戦になっていて、ちょっとでも1円でも高い所に人が行く。
また負けると取られちゃう。
また上げると来るっていう、人が定着しなくて、ノウハウ、効率が悪くなっちゃうという悩みもあるそうです。
そこで、こんなことをしました。
全部を正社員にすればいいんだけども、そんなお金はないので、一部だけ、だけどやってみる。
それが、正社員は正社員でも、短時間性社員制度。
これ、簡単に言うと、月々の収入以外は正社員とほぼ同じに近づけますという仕組みです。
手取り、月々の給料はあまり増えないかもしれないけど、正社員と近く、保険も入ります。
介護や育児の休暇も取っていい、ボーナスも出しましょう、そして、さっきから出ている安定ですね。
無期、つまり基本、あなたが辞めたいというまで、こちらから切ることはなしにします。
うれしいですね、それは。
そこはやっぱり、一番大きいらしいんですよね。
でもそれを言ってもらえるっていうことは、働いていらっしゃる方が、とてもいい働きをしているからだっていうことですもんね。
このチェーン店で、パートやアルバイトをしてる人って全部で9000人近くいる、大きなチェーンなんですが。
頑張りがいありますよね。
その中で、私もそこに入りたいと、そこでなら長くできると手を挙げる人が今、次々と出てきているそうです。
でも?絶対ここで、でもってくると思いました。
なんか来るとは思いました。
やだやだ。
今、徳永アナウンサーが息を吸ったから、絶対でもって来るなと思いました。
これです。
このために必要なコストが、年間1億を超えるそうです。
希望のためにどこまでコストを払うべきかが問われているということなんですね。
ファストフードで、賃金自給、すごく高くしたんですよ。
何があったかって、回転率が減って、つまり人辞めていかない、モチベーション上がって、ご機嫌で愛想もよくなって、売り上げも上がるんですよ。
つまりうまく相乗効果があって、確かにコスト高くなるけれど、付加価値もいっぱいあるんですよね。
スーパーでも、今までアルバイト、パートでやってきました。
無限定じゃなくて、時間もわりと短かった。
だけどその人たちを正社員に変えることによって、逆にお客に対する接待も変わってくるとかですね、それで売り上げも上がってるし、利益も上がるというふうになってきている企業もあるわけですね。
ただ、どうぞ、小林さん、なんか。
こちらの限定性社員もそういった意味で作られた制度なんですけれども。
名ばかりなところもあって、実は、ふたを開けてみると、手取り、月給16万円で、実家からは出られないとか、あとは限定社員とか、地域限定社員、この正が抜けてるだけで、新卒なのに契約社員で、ノルマだけ課されて、使い捨てさせられるとか。
それ、正社員と思って就職したら、だまされたってことですか?
そういうことも行われているので注意が必要ですね。
実際、これいい取り組みに見えますし、いろんな企業でやってくれたらって思いますけど。
でもさっきの話に戻ると、企業は、そして株主は、1年先、2年先の利益、ことしの利益しか見てないわけですよね。
そしたら20年後にどうなるかを予想もしない人たちが、これ、やってくれますかね?
でもね、これから働く人、どんどん減るんですよ。
少子高齢化で、働く人たちがどんどん減ってきて、企業としては、例えば日本全体としては、これから外国から労働者の人たちをもっと入れなきゃいけないんじゃないかという議論が出ているぐらいに、これからどんどん人手が不足しますから。
今がそういう意味では、チャンスなんです。
これまではどうしても買い手市場っていうか、どうしても企業側が強かったけど、これからは働く側がもっともっと高い条件で雇われる可能性が出てくるわけですから。
でもここでね、不安材料たくさんあるから、やっぱり自己対策っていうか、防衛が必要で、例えば若いときから、よくいわれるんですけど、20歳ぐらいから働き出して、自分の収入の10%だけ貯金しておけば、50、60になったら信じられないぐらいのお金があるわけですよ。
あるいは、なんですか、信託みたいな投資、地味な投資なんですが、何十年ほっておけば、少しずつ払っていけばいいんですけど、そういうプランが必要ですよ。
でも20代って、もうね、何、がむしゃらで、忙しくてそんなこと考えてないけど、本当は自分自身の中の対策、やっておかないといけないと思うんですね。
ただ個人でやるべきこともあると。
非正規で手取り17万、16万の世界ですと、まず貯金ができなくて、本当、ゼロの人もたくさんいて。
結婚もできないし。
小林さんのことばへの反応も来ています。
限定社員という、正社員もどきみたいな採用もあるのかって驚きの声も来ています。
でも、一方で、ちょっと中小企業の人事担当者ですっていう方から。
苦肉の策で、リストラもやりました。
ほとんどの企業はきれい事を言っていたら、いられない状況です。
希望のためのコスト増は難しいです。
すみません、ちょっと私も、企業に厳しいこと言いましたよね。
ですけど、ですけど。
おっしゃるようにやっぱり今後は人口減っていくんですよ。
特に日本ですとね、97年、そのときが生産年齢人口っていう、15歳から65歳まで、それに比べて今、約900万人減ってるんですね。
その年齢層の人たちが。
今後ますます減ってくるということになると、今までは景気が悪かったからこの人口が減っているということはあまり気にしないで、非正規でも募集すれば人が集まったということですけど、今後はそれは難しいんじゃないかなというふうに思いますね。
同時にね、あまり心配のことばっかり言いたくないんですけど、ロボット化とか、ハイテク化して、人間そのものをどんどん必要なくなるんですよ。
今から20年でもたったら、機械しているものが多いんです。
今だって、人間やんなくてもいいこと、今やっているぐらいですから、無理やりですね。
小林さん、10年以上前から、私言ってきたじゃないの!っていうところのきっと、熱はお持ちだと思うんですが。
そうですね。
非常に10年前、団塊世代が、なかなか理解してくれない世代だったんですけど、いまここへきて、孫ができないっていうことで、なぜかというと、やはり不安定で、結婚できない、出産できないということを、今理解してくれているので、少しこう、潮目が変わってくるんじゃないかなと思いますけど。
なんかこう、人が人をね、なんていったらいいんだろう、なんかその、会社があって、人がいるって、逆じゃないかなって思うんですよ。
人がいるから、会社があって、それによって、物を買う人がいてっていう。
なんかこう、本当逆転しちゃってる感じがして、すごい悔しいなと思います。
当たり前のことが当たり前でなくなってしまったというところです。
今からね、やっぱり潮目を変えなきゃいけない。
やはり一つ、大きな流れとして最近あったのは、やっぱりブラック企業っていうことばをね、労働運動に敏感な人たち、労働者の権利に敏感な人たちが、そういう働かせ方を、ブラックなんだと、そういう企業はブラック企業だということばを定着をさせて、今、そういう企業が、少しずつそういう中で、社会的な圧力で、少しずつやっぱりそういう働かせ方をもうちょっと改善させてるわけですよ。
ですから、今回、やっぱりわれわれが考えなきゃいけないのは、この一人一人のね、努力ではいかんともしがたい、雇用の格差、正社員と非正社員との格差。
やっぱりこれを少しでも縮めていく、これは企業の責任なんだということを考えれば、そういうことをしない企業は、逆に、それこそがブラック企業でもあるぞと、社会的にそういう厳しい目で、もっともっと企業を見てもいいんじゃないかな。
失礼ですけど、正社員の中で、本来ならば、お荷物っていうかの人、多いんですよ。
全部じゃないですけど。
個別に評価すればいいってことですよね。
厳しくやったほうがいいですよ。
あともう一つ、株価左右させるために、運営はやめてほしいですよ。
株主って、自分で働いてやってるんじゃなくて、お金余分にあるから投資してやってるだけで、うまくいけばいいんですけど、それだけのためにね、ことしの3か月間、クオーター、…やめたほうがいいんですよ。
短期間だけ。
まさに株主もどういった会社の株を持つかといったときに、ぶらっくきぎょうのいったものは持たないというような、そういう選択をしていくということが重要だと思いますね。
そうかそうか。
ブラック企業と呼び、そこの商品をボイコットしたり、その店に行かないようにしたりすることで、潮目を変えたっていう例をもっと参考にすればいいということですか。
だから逆にいえば、そうやって、やっぱりもうちょっと雇用の格差をきちっと企業は努力すべきなんだと。
そういう企業を、例えば今、ホワイト企業と呼ぼうというような言い方もありますし、少しでもみんなが社会的に要請として、企業に対してそういうことを要求していく。
そうしたら、企業もそれは無視できなくなりますよ。
そうすれば、山口もえさんがおっしゃるような、なんか本末転倒じゃない世の中に。
そうですね、本当になんか、本当に皆さん、本当に企業の方、考え直してほしいなって思います。
そこで安心して働いていくためには、年収400万円ぐらい必要だといわれていて、まずここをちょっと目指していくべき、これは正規、非正規問わずに目指していく目標だと思います。
そうか、そうか。
必ずしも、非正規をとにかく正規に、正社員にしろっていうことを言うだけじゃなくて、もっと逆の方向として、収入をちゃんとこれぐらいを確保して。
同一労働・同一賃金といったものを当てはめていったり、社会保障をきちんと統一して、正規、非正規問わずに受けられるというようなシステムの構築が必要じゃないかと思います。
昔ね、戦後一時は、生活きゅう賃金っていう考え方があったんですね。
なんですか?
要するに賃金とは何かって、ものすごい大きな話になるんだけど、今は要するに労働生産性上がって、今度賃金を上げますよという考え方になっていますけど、そうじゃなくって、ちゃんと労働者がきちっと生活ができて、生活が保障される、その分の賃金をもらうことこそが、権利なんだという、一時期、戦後一時期、そういう労働運動の中で、そういう考え方も出てきたんですね。
もう一回そういう視点、なかなか、今、それをそのまま繰り返すわけにはいかないかもしれませんが、そういう考え方って、議論って大事だと思いますよ。
正規、非正規だけが企業の責任ではなく、国の将来をどうしていくかが企業の責任だと思う。
中小企業は、今のことしかない。
パートは会社の都合で足元を見られている。
ブラック企業対策をなんとかしなくては。
残業代を支払わない、有休を取らせない会社に罰則強化をというようなご意見が来ている一方で、やっぱり実際非正規の方からのつらいお声もたくさん来てるので、ご紹介します。
こういう人たち、本当にもったいない。
国はね、今、一億総活躍社会を目指すって言ってるわけですよ。
だったら、やっぱり一人一人のね、努力ではどうしようもない雇用の格差というものを埋めてこそみんなが活躍できるわけですよ。
ですからそれをこれから国民会議を開いてね、実際、具体策を決めるって言ってますけど、そこはぜひ、そうした働く人たちの、ちゃんと声を吸い上げて、どういうふうにその今の非正規の人たちの処遇をもうちょっと上げるのか。
それを真剣に国として、考えて初めて一億総活躍だと。
でもその1億か2億4000万人の瞳か分かんないんですけど、そのために国会議員の人数減らさないのは本当に目的じゃないかと思うぐらいですけど、ただ、今まで何もしてこなかったということで、一応、具体化して、そういうキャッチな名前はいいとして、一応やろうとしていること評価せざるをえないと思うんですけど、やっぱり国がやると、権限があるから、実行はできるんですよね。
やっぱりそれぞれの企業が、頑張るっていうのはもちろんのことなんですけれども、そこに限界があるとすれば、やっぱりそこは政策っていうところが、すごく重要になってくるというふうに思いますね。
でもそれとても、これまでずっとあれだけの数の非正規が、ずっと生まれ続けているのに、何もしてこなかったっていうことは。
国のほうも、あるいは先ほどの東京都のほうも、何もやってこなかったわけじゃなくて、いろいろやってきてはいるんです。
ただまだ薄い。
そこをやっぱり手厚くですね、いろんな対策を考えていかないといけないんじゃないかなというふうに思いますね。
企業がどうこうできるレベル超えてるよというご指摘もありますし、企業のせいにしててもしかたがない。
みずから考え、行動すべきとおっしゃるお声もあるんですが、私たちができることって、今、なんでしたっけ?今できることは?
やっぱりもう社会的な圧力として、声として、企業にそれを求めていく。
それから国がとにかく一億総活躍っていってるんだから、その国民会議で、樋口さん、この国民会議の委員でもいらっしゃるんで。
そうなんですか?
ぜひ、みんなで樋口さんに頑張ってくださいと。
頑張ります。
そうですね、樋口さんに頑張っていただくっていうことでいいんでしょうか。
2015/10/24(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「働き盛りがなぜ?“中年フリーター”270万人の衝撃」[字]

いま“中年フリーター”と呼ばれる働き盛り世代の非正規労働者が増えている。その数、実に270万人以上。日本を揺るがす問題になりかねないと警鐘を鳴らす専門家も…。

詳細情報
番組内容
政府が「一億総活躍社会」など誰もが働きやすい社会を目指すとする中、非正規雇用の労働者が増え続けている。正社員との年収格差は300万円を超え、特に深刻なのは“中年フリーター”などと呼ばれる35歳〜54歳の非正規雇用の人たち。民間調査会社の調べでは実に270万人以上にのぼり、晩婚化・少子化への影響や生活保護予備群の可能性を指摘する専門家も…。働き盛り世代がなぜ?解決の糸口はどこに?深読みする。
出演者
【ゲスト】デーブ・スペクター,山口もえ,【解説】慶應義塾大学教授…樋口美雄,労働ジャーナリスト…小林美希,NHK解説委員…竹田忠,【キャスター】小野文惠,高井正智,【気象キャスター】南利幸ほか

ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
スポーツ – スポーツニュース

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