渡辺大知・清水富美加・高畑裕太・中村ゆりか
『まれ〜また会おうスペシャル』
言いたいこと言っちゃえば座談会。 後編

じつは脚本家の篠﨑絵里子さんからみなさんへの質問があります。
「もし自分が演じたキャラクター本人だったら、ドラマとは違う選択をしたという場面があったら教えてください」というものです。
    • (考え込む3人)

    • ぼくは、変わらないと思う。

    • えっ、ウソ!
      せっかく篠﨑さんがいい質問を用意してくれたのに、「変わらないと思う」で終わり?

    • あっ、えっと・・・・・あの・・・ちょっと考えるので、誰かしゃべってて。
      でも、あれだけ1人の女性を好きになったら、ぼくも洋一郎のようにほかの女性には目がいかなくなると思うんだけど・・・どうしよう?・・・考える。

    • 今、最初からいろんなシーン思い出してるんですけど・・・なんだろう?

    • そうそう、私も、いま頭の中で、ずーっと今までを振り返ってた。

    • うーん・・・・・(考え込む)

    • 一子ちゃんは大阪や東京に行ったり、そして圭太とちょっと付き合ったり、そのほとんどが希ちゃんを意識した行動だったと思う。希ちゃんみたいに太陽のような女の子がそばにいたら、自分が黒くなっていく感じはすごく理解できるけど、私だったら一子のようにあそこまで劣等感は感じなかったと思うな。きっと、希ちゃんと自分を比べたりしないで、自分にできることや、やりたいことを探していたかな。

    • お兄ちゃん(大輔・柳楽優弥)のことで、希ちゃんが誤解をまねくシーンが2回あって、美南ちゃんはそのたびに希ちゃんのことを許したけど・・・私だったら2度目はないかな。きっともう以前のような友だちには戻れないような気がします。友だちだったら誤解される前にちゃんと話してほしいと思う。

    • スピンオフドラマの前編で高志が曲を作れなくなったシーンがあったけど、僕だったらそういうときは1人で考え込まないで周りの人に相談すると思う。
      というか、これまで曲を作ってもCDを出せないことはあっても(笑)、曲が作れなくなることはなかったからな。

    • 僕が思うに、もし大知くんが高志だったら、曲が作れなくなるよりさきに無口が無理でしょ?

    • たしかに、無口は無理かも!(爆笑)

    • 高志はおしゃべりだったと思うよ。

    • うぅーん・・・確かに・・・そうかも(笑)。

    • で、(高畑くんは)何か思いついた?

    • はい!
      洋一郎が東京の一子の部屋に押しかけて行ったとき、洋一郎は一子の迫力に負けて自分の気持ちをビシっと言うことができなかったけど、僕だったら一子を正座させて、何時間も話し合ったと思う。 これで、どう?

    • ・・・。
      スピンオフドラマの撮影のときに、中村さんが「高畑さんっておもしろい人ですね、そこにいるだけで笑っちゃう」って言ってたよ。

    • 本当に!?

    • ・・・・嘘です(笑)。

    • 冗談でも、そういうのは言っちゃあダメ!誤解するから。

本みなさんの話をいろいろ聞いていると、
『まれ』という作品への愛情がとても伝わってきますね。

    • 僕は10か月くらい撮影していて、『まれ』の撮影現場に行くのが学校に行くような感じだったので、『まれ』は母校のような存在。撮影が終わったとき、卒業しちゃったような感じになって心に穴があいたようだった。

    • 私は本編では横浜編だけの登場だったので、ずっと能登チームがうらやましかったんです。もちろん横浜編は横浜編ならではの楽しさやパワーがあったけど、同年代の子が集まっているのが楽しそうだなって。今回、同級生メンバーと共演できてますます『まれ』という作品が大切なものになりました。

    • 僕は横浜編にも能登編にも出られたのがとても幸運だと思っていて、その横浜と能登をつないでくれるのが、今回の美南ちゃんだね。

    • 同級生メンバーの女の子にはいないタイプだから、それも良かったよね。みのり(門脇麦)も落ち着いた感じだけど、でも美南ちゃんってまた違うタイプだから。

    • そうかもしれませんね。周りのみなさんがワイワイしていても、美南ちゃんだけはちょっと冷静というか・・・自分のペースを崩さないところはありますね。
      だから、たとえ焦っていても1度気持ちを落ち着かせてから話すような、ちょっと一息つかせるような空気は出したいなと思っていました。

    • 美南ちゃんも、ゆりかちゃんも聞き上手だよね。
      同級生メンバーは話したがりが多いから、特にあの人は。

    • 「あの人」とか言っても、文面では分からないから、「高畑くん」って言って(笑)。

    • 今回もみんなが言いたいことを言うシーンが多かったから、そこに美南ちゃんがいると、ほっとするというか、安心できたよね。

    • 私の場合、オーディションのときからギラギラした熱い思いで臨んだ作品は『まれ』が初めてで。一子ちゃんも波瀾万丈の人生を歩いていたけど、私もいろいろ女優として悩んだ時期でもあったので、私も『まれ』という作品を通して夢や希望をもらいました。だから『まれ』のファンでもあるし、自分の人生の中でかけがえのない存在になった作品ですね。

    • 本格的に役者としての道を歩いてこうと決意したのが昨年で、幸運にもそんなときに『まれ』に参加することができました。
      最近は、10月になると「そうか昨年の今ごろ『まれ』はクランクインしたんだな」と思うし、たぶん12月になると「昨年の今ごろはちょっと出番が少なくなって、さみしくなった時期だな」、そして来年の春になると「『まれ』の放送がスタートした時期だ」、夏には「そうか、昨年の今ごろクランクアップだったな」と思い出すはず。今もことあるごとに『まれ』のことを思い出す。
      僕にとって『まれ』は役者としての原点であり青春の故郷です。これから10年、20年と役者を続けていくと、つらいこと悲しいことがあると思いますが、そのときの支えになってくれる作品が『まれ』だと思う。そういう意味で『まれ』は、僕の青春の原点です。

    • 今のコメント意外と良かったね。最初は「青春の故郷」だったけど最後は「青春の原点」になっていたけど。

    • じゃあ、「青春の原点」でお願います(笑)。

前編では、高志と美南の恋が描かれましたが、後編『一子の恋〜洋一郎25年目の決断〜』では一子と洋一郎のその後の恋模様が描かれます。
最後に、後編の見どころをお願いします。

    • 洋一郎はソーシャルネットワークで知り合った女の子(仁子・にこ/清野菜名)に安易に心をひかれるけど、それを仲間に「ちょっと待て!」と諭されるシーンがあって、そこで洋一郎が自分の胸の奥にため込んでいた思いを語ります。いつも、明るくて、単細胞であっけらかんとしているようだけど、洋一郎も胸の奥にたくさんの思いをため込んでいたんだなというのが分かる。新たな洋一郎の一面が見られると思うので、そこは楽しみにしてほしいですね。

    • そのシーンは男子だけで話しているんだけど、男だったら「うん、分かる」と共感してもらえるいいシーンになっていると思う。

    • 一子ちゃんは、本当は弱いところもいっぱいあるけど強がっている。でも私は、“強がれる強さ”ってあると思います。それは、本編を演じながら感じていたことで、今回はさみしいけど洋一郎の背中を押してあげる“女の強さ”が描かれています。30代になってさらに強くなっている!そういう一子ちゃんがかっこいいなと思いました。
      あと、個人的には一子ちゃんがある女性とバチバチやるシーンがあって、そのときの一子ちゃんがすごくブスなので、そこを見てほしいです(笑)。

    • そういえば、その女子でバチバチやるシーン。一子が刺身を切るところがあったけど、あれすごかったね(笑)。映像を見て笑った!あんな包丁の使い方をする人なんて見たことないんだけど(笑)。

    • あそこは一子ちゃん的に、「魚なんて、生臭いし、触りたくない!」って思っている女の子がやるとあんな感じかなって(笑)。

    • 女子メンバーは桶作家で、男子は塗師屋(ぬしや)で、別々にワイワイやっているのがおもしろかったね。

    • 両方とも洋一郎のことなんだけど、一方は女の目線というか女のプライドで戦っていて、男たちはさっき高畑くんが話したように男同士ならではの熱い思いで言い争っているという。

    • 別々に撮影していたから、そのときは分からなかったけど、出来上がった映像を見ると、すごくおもしろかった!

    • 男子も女子も真剣なんだけど、ふざけているみたいな空気感だったね。

    • 男同士のシーンはそれはそれで楽しかったけど、『一子の恋〜洋一郎25年目の決断』というサブタイトルなのに、富美加ちゃんと2人のシーンが少ないのは残念だったです。

    • 私は、洋一郎さんと一子ちゃんの関係性がとても切なかったです。

    • 富美加ちゃんは、今回の結末はどう思っているの?

    • 大満足しています。脚本家の篠﨑さん、ありがとうございました!!!

    • ・・・うん。

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一子と洋一郎の恋の行方は?
スピンオフドラマ後編『一子の恋〜洋一郎25年目の決断〜』は
10月31日(土)よる7時からBSプレミアムで放送です。
ぜひ、ご期待ください。