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トルコ大使館前 乱闘騒ぎで9人けが
10月25日 17時10分

トルコ大使館前 乱闘騒ぎで9人けが
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25日午前、来月1日に実施されるトルコの総選挙の在外投票を行うため、東京・渋谷区のトルコ大使館に集まった人たちの間で乱闘騒ぎがあり、少なくとも9人がけがをしました。クルド系トルコ人のグループとトルコ人のグループの間で対立が起きたとみられ、警視庁が警戒を続けています。
警視庁によりますと、25日午前7時ごろ、東京・渋谷区のトルコ大使館の前で、来月1日に実施されるトルコの総選挙の「在外投票」を行うために集まっていた人たちの間で乱闘騒ぎがありました。
その後も小競り合いが続き、午前11時前には、集まった人たちが再び殴り合うなどして、警視庁によりますと、警察官2人を含む9人がけがをして病院で手当てを受け、このうち外国人2人が骨折しているということです。
このほかにも少なくとも3人がけがをしたとみられていますが、搬送を断ったため、けがの程度は分からないということです。
警視庁の調べでは、クルド系トルコ人のグループとトルコ人のグループの間で対立が起きたとみられ、大使館付近で掲げられた旗を巡るトラブルがきっかけだということですが、詳しい原因は分かっていないということです。
トルコ大使館には、在外投票を行うため、その後も大勢の人たちが訪れ、午前11時ごろには600人ほどになり、警視庁は、機動隊を動員して警戒に当たるとともに、一時は周囲の交通規制も行いました。
警視庁によりますと、投票自体は、双方のグループが交互に行うことで混乱なく続き、周囲の騒ぎも午後になって収まっているということです。
投票は25日午後9時まで行われる予定で、警視庁は騒ぎが拡大しないよう引き続き警戒しています。

「10人ぐらいでけんか」

トルコ大使館の前で騒ぎを目撃したというクルド人の男性は、「午前6時ごろ、大使館前に来たらトルコ人のグループがいっぱい来ていた。駐車場近くでけんかになっていて、警察官が何人も駆けつけていた。けんかは若い人たち10人ぐらいで、3、4人がけがをして病院に運ばれたと思う。争いのために大使館に来た訳ではないのでやめてほしい」と話していました。
在外投票に訪れた35歳のトルコ人の男性は、「朝6時ごろから大使館の近くにいたが、クルド系の人がトルコ人の悪口を大声で言っていた。最初はみんな無視していたが、次第に乱闘が起き、自分も巻き込まれて、顔にけがをした。こんないざこざが起きて悲しいです」と話していました。

トルコ総選挙とは

トルコの総選挙は来月1日に投票が行われる予定です。
トルコでは2002年から13年間にわたりAKP=公正発展党が過半数の議席をおさえ、単独政権を維持してきましたが、ことし6月に行われた総選挙ではクルド系の政党に票を奪われる形で議席を減らし、過半数を獲得することができず、野党との連立協議も決裂しました。
このため、AKPによる単独政権を目指すエルドアン大統領は大統領権限で再選挙の実施を決めました。
トルコでの投票に先立って東京にあるトルコ大使館では、25日、日本で暮らす有権者のための在外投票が行われていたということです。

独自の国家持たないクルド人

トルコには、隣国のイラクやシリアなどにまたがって暮らす独自の国家を持たない民族、クルド人が住んでいます。
トルコでは、クルド人武装組織が分離独立を目指して長年、活動を続け、政府と対立してきたほか、ことし6月に行われた総選挙ではクルド系の政党が大きく躍進しました。
トルコのエルドアン政権は、7月、イラク北部や国内でクルド人武装組織への大規模な軍事作戦に乗り出し、これに反発する武装組織と衝突を続けています。
こうしたなか、今月10日には、首都アンカラで両者に対して和平を訴えるデモが行われていた際に、100人余りが死亡する爆弾テロ事件が起き、クルド人が大勢巻き込まれたため、政府の治安対策が不十分だとしてクルド人などによる抗議デモが相次いでいます。

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