ワインレポート

　国賓として英国を訪問している中国の習近平国家主席は20日、エリザベス女王主催のバッキンガム宮殿の公式晩さん会で、イングリッシュ・スパークリングのリッジビューのグロヴナー2009で乾杯し、1級格付けのシャトー・オー・ブリオン1989を供されるという最高級のもてなしを受けた。1級格付けのボルドーで、戦後最高のワインの一つとされるオー・ブリオン1989を供したのは、外交儀礼上で、中国を最大限に重視していることの表れと言えよう。


　ガーディアンなど地元メディアによると、料理は舌平目とロブスターのムース、鹿肉ローストのマディラ・トリュフソース、ダークチョコレートなど。晩さん会にはエリザベス女王、ウィリアム王子夫妻、キャメロン首相ら150人が出席した。中国との経済関係を重視する英国は、習近平国家主席にバッキンガム宮殿を宿舎として提供し、トップクラスのワインをそろえてもてなした。政治、経済的な課題を抱える米国のオバマ大統領が、9月に国賓として訪問した習近平国家主席に、ホワイトハウスの公式晩さん会で、23ドルのオレゴンのヴィオニエを供したと揶揄されたのとは対照的だった。安倍首相が昨年4月に英国を訪問した際は、アン王女と会見し、キャメロン首相と首脳会談を行い、シティ主催の晩さん会に出席した。
　リッジビューは、デカンターのテイスティングでも高得点を得た代表的なイングリッシュ・スパークリングワイン。バッキンガム宮殿で、自国産のスパークリングを食前酒に供する習慣が定着してきた。白ワインはドメーヌ・マルキ・ダンジェルヴィーユのムルソー・サントノ2007、オー・ブリオン1989はパーカーポイント100点の偉大なワイン。デザートには南アのクレイン・コンスタンティアのヴァン・ド・コンスタンス2008、当たり年のワレズ・ヴィンテージ・ポート1977が供された。いずれも評価の高い甘口ワインだ。
　オー・ブリオンとヴァン・ド・コンスタンスは中国で縁起が良いとされる「8」にちなむヴィンテージだった。

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