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吸わないのは中途半端なヤツら
少し古い話になるが、たばこ特別税は旧国鉄が民営化されてJRになる際の負債28兆円を償還するために誕生した。税率は一般のタバコで1000本につき850円。つまり1本につき1円程度を喫煙者から徴収し、国鉄の借金は返済されている。今のJRは、喫煙者に対して感謝の気持ちを忘れていないだろうか。
JR東海の新幹線では、昔はあった喫煙席を廃止。グリーン車3両につき喫煙ルームが2つ隣接している。普通車は10両に4つ。自由席は3両にたった1つだ。JR東日本に至っては、全車両禁煙である。最近では駅のホームの喫煙スペースも端に追いやられている気がする。この風潮に私は大きな違和感を抱く。
喫煙率が年々ここまで下がっているのに肺がんが急増しているのを考えれば、タバコを肺がんの原因とするのは間違いだ。喫煙者の医療費と非喫煙者の医療費を比較しても明らかに喫煙者の医療費が少ない(本誌2012年4月2日号)。東京に住んでいるならクルマの排ガスのほうを問題にすべきだし、西日本では中国からのPM2.5の健康被害も甚大だ。
どうせ何を言っても結論ありきの禁煙ファシストは放っておくとして、厚生労働省ももう少し冷静な議論を喚起する努力をすべきだ。
世界の潮流はむしろ喫煙者を大事にする方向で進んでいる。例えば、タバコを吸うヤツは時代遅れと言われていたが、最近の海外映画では喫煙シーンが増えてきた。オバマ大統領をはじめとしてタバコを吸うセレブも多い。それは海外での超一流ホテルに泊まってみてもわかることだ。かなりの頻度で海外に出張する私の経験では、高級ホテルで喫煙フロアが禁煙フロアよりも高い階層にあるのが8~9割。禁煙フロアが上にあるのは米国のワシントンを中心とする一部地域だけだ。ニューヨークは国連もあるせいか“国際基準”で禁煙フロアは優遇されていない。
ヨーロッパでもアラブでも中国でもアフリカでも、私が会ったセレブはみんなタバコを吸っていた。航空機も一般旅客機では喫煙不可能だが、プライベートジェットでは吸える。
いまだに「禁煙、禁煙!」と騒いでいるのは、日本人と一部の中途半端なアメリカ人だけだ。世界は禁煙ファシズムの怪しさに気づき始めた。
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禁煙ファシストは、「タバコは百害あって一利なし」というが、心の健康やストレスを扱う免疫学の医療分野では、喫煙が健康にいい影響を与えていることが確認されている。
図を拡大 これがタバコピラミッドの新・概念図だ!
サラリーマンにとってのメリットは、なんと言っても喫煙が出世の近道だということだ。1日中、机に座ってPCに向かっているタバコを吸わないサラリーマンがいる。よく仕事になるなと不思議に感じる。自分の会社の幹部の顔ぶれを思い出してほしい。営業成績が特によくなくても調整能力だけで取締役にまで上り詰めた人が必ずいるはずだ。逆に営業成績だけがいいヤツにはろくな人間がいないだろう。
営業成績をどれほど残したところで、それだけで出世させていたら会社の経営は必ず傾く。企業のリーダーに求められるものは、営業成績と上司や部下とのコミュニケーション能力の2つなのだ。
そこでコミュニケーション能力を高めるアイテムとしてタバコが登場する。タバコ部屋は、部署や階級の壁を越えた人間関係を築くことができる最高の環境だ。愛煙家同士という安心感もあり、初対面でも打ち解けることが可能。タバコ部屋で磨いた対話能力や、幅広い交流から得られる情報をうまく活用すれば、必ず出世できる。タバコは人間関係をつくるうえでの重要なツールである。
最近、おかげさまで講演依頼などをいただくことも増えてきた。しかし、依頼者との打ち合わせに禁煙のレストランを指定されたら、相手が本気かどうか疑ってしまう。私がヘビースモーカーであることは周知の事実で、北朝鮮のナンバー2との会談の際も先方が私に灰皿を用意したほどだ。仕事を依頼する相手のことを調べるのは当たり前だろう。
もし、打ち合わせに禁煙の部屋へ案内されたときは「次ありますから」と30分で切り上げることにしている。予定があるのは嘘ではない。タバコを吸うという最も大切な用件が入っているからだ。
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イエス・キリスト「裏切り者がいる」
しかし、私がもっとも許せないのは、タバコを途中でやめた裏切り者たちのことだ。キリストの最後の晩餐におけるユダのようなものだ。裏切りは万死に値する。私の見立てでは、そういう輩には共通点がある。
まず、タバコの銘柄をコロコロ変える人間だ。収入が増えたり、出世して立場が変わったりするにつれ、価格の安い「ゴールデンバット」「わかば」から「セブンスター」「ピース」になって、最後は葉巻を自慢げに吸うような連中は、コロッと禁煙してしまう。メンソールのタバコを好んで吸うヤツも怪しい。禁煙ファシストどもから、ちょっと強く言われたり、「こうしたら簡単にやめられるよぉ」「この禁煙本読んでみなぁー」という甘い誘いを受けたりすれば、すぐにタバコをやめるのだろうな。なんて意思の弱いヤツだ。君に信念はないのか。まったくないのだろう。
タバコ部屋で、会うたびに銘柄が変わっていたり、メンソールを吸っていたりするヤツに会ったら「この中に裏切り者がいる」とイエス・キリストのようにボソッとつぶやいてみるのがいい。裏切り者はドキッとするだろう。いい牽制になる。
私はずっとゴールデンバットだ。これからも裏切るようなことはしない。そんな私に対してJTはゴールデンバットを段階的に値上げするという卑劣な行動に出るという。
JTと財務省は庶民をいじめることばかり考えていないで、もっとタバコの売り上げを伸ばす方法を考えてもらいたい。例えば、キューバ産の葉巻が世界的なブランドになっているように、タバコも100%日本産をつくって輸出したらどうか。どんなに高価格でも海外(特に中国)で大ヒット間違いなしだ。
最後に私の家庭事情を告白したい。私が自宅で何度もタバコを吸いながら居眠りをしたせいで家を燃やしかけ、女房にカンカンに怒られ、室内での喫煙を禁じられてしまった。そのせいで喫煙をするにはベランダに出る必要がある。大雪や嵐の日には、70歳にならんとする私が命懸けでタバコを吸っている。ここまでしてタバコを愛する人間をJTは大切にすべきではないか。
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