読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

太ったおじさんみたいなおばあさんの皮肉とメロドラマに満ちた遺言。

東日本大震災の津波の様子をNHKで見てしまった

それは東日本大震災の時。大きな揺れがあったと同時に
NHKをつけました。それからのことは覚えていませんが

津波が発生しました!と上空からヘリが津波の中継し始めました。
生放送です。今起こってることです。

町がどんどん津波に飲み込まれていきました。
何回も言いますが、これ生中継です。ナレーションや解説はなく
淡々と港町が津波に飲み込まれていく姿がテレビで流されていたのです。

NHK側もあまりに大規模な地震すぎて、情報収集が大変すぎて
「情報が集まるまで、とりあえず現場の映像流しといて!」みたいな
大騒動だったんだと思います。だからこんなものが生放送されたのかと。

最初は港町が飲み込まれてゆきました。ゆっくりに見えますが
人が走ったぐらいじゃ、飲み込まれてしまうスピードだったと思います。
あまりにもむごすぎて記憶を消し去ってしまったのか、
人が飲み込まれていく姿は覚えていません。

「えっ!えっ!これ、人が住んでる家でしょ?人が乗ってる車でしょ??」
怖いと同時に驚きすぎて、怖いからテレビを消そうという発想すら
思いつきませんでした。人が住んでいる家と、人が乗ってる車が
ただただ、何個も何個も津波に飲み込まれてゆきました。

住宅地にまで津波が達した時、津波の高さにも気づきました。
二階建ての家は軽く飲み込んでいたので、建物の3階以上の高さだと推測できました。

そして住宅地を飲み込んで、今度は山側の畑を飲み込んでゆきました。
「えっ!えっ!この津波は海から何キロ内陸まで進むの???えっ!えっ!」

農地を飲み込んでいる頃には、常に山が画面に映りこんでいました。
「えっ!えっ!津波ってこんなに山側まで来るの??」
結局、山の上のほうは飲み込まれませんでしたが
山と山の間の、谷にある住宅すら飲み込まれてゆきました。

そして、津波が家に当たった瞬間に家に火がついてゆきました。
火を使っていたということでしょうから、確実に中に人がいたのだと思います。
「あっ!燃えたっ!」と思ったと同時に家が砕けて
燃えながら流されてゆきました。そして、そういう燃えながら
流されている家が画面の中に何軒も映りこんでいました。

これを書きながらも体が震えます。その生中継を見てしまったのです。
東日本大震災の後に、マスコミ関係者、特に編集者の多くがうつ病になったそうです。
人が津波に飲み込まれて死んでいく場面を見つけて
消さなければいけない仕事だからです。
日本人は人が死ぬ場面を見るのに慣れていませんから、
そんなものをニュース映像として放映したら、
クレームが殺到する出ようから。 私は歳も歳ですから、お葬式で死体を何体も見たことがありますが さすがに目の前で人が何百人も死んでいく姿は見たことがないので いまだにトラウマは消えません。 私は、生中継で数十分もそういう光景を見てしまったのです。 (実際に何分だったかは、時計をみていたわけではないから分かりません。  でも、私には何十分にも感じられました。) 更年期障害の状態が悪くて、思い出してしまったので ストレス発散のために書きなぐってみました。今でも怖くて苦しいです。 歳を重ねるにつれて見聞きした物事の数が増え、ノイローゼになりやすくなる と私は思う。だから、それを乗り越える力も強くしなければ…と思いますが そんなに簡単にはいかないのが人間。それでも生きてゆくのが人間。 命があるということが全てです… 書いたらちょっと楽になりました。 ※前半の住宅街のくだりまでは、ニュースの見すぎで 後から上書きされた嘘の記憶のような気がしてきました。 本当は畑が飲み込まれていくあたりから見たのかも… でも、生中継されてたのはたしかです。ここまで思い出せるくらい この出来事を受け入れられたのは、ここで書きなぐったおかげです。 この場があったこと、本当にありがたいです。