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「南京大虐殺文書」記憶遺産登録の裏に、
国連トップの座をめぐる陰謀説も

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第134回】 2015年10月24日
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 ついでの話をすると、大韓民国の朴槿恵大統領も「戦勝国」の代表として抗日戦勝パレードに出席したが、とても悲しいことに、韓国も抗日戦勝国ではないのだ。サンフランシスコ講和条約が締結されたとき、韓国はアメリカに泣きつき、お願いだから私たち朝鮮民族も「戦勝国」に入れてくださいよぉと懇願した。が、大戦時、あなたたちは「日本人だったでしょ」と戦勝国入りを一蹴されている。韓国は日本と戦ったどころか、日本人だったのだ。だから「戦勝国」なんてとんでもない話なのだが、朴大統領はしれっとすまし顔でパレードに参加していた。お父さんに教えてもらわなかったのかな。朴パパこと故朴正煕(パクチョンヒ)元韓国大統領の日本名は高木正雄さんですよ。

 もうひとつ、ついでの話をしておくと、サンフランシスコ講和条約締結の際、韓国は独島(韓国での名称:竹島のこと)を韓国領と認めてくださいよぉとアメリカにお願いしたが、ラスク書簡(領土問題に関するアメリカ側の返答)で「竹島は日本の領土ですよ」とこちらも一蹴されている。いまだに韓国はラスク書簡は無効だ、独島は韓国領だと言い張ってますけどね。

 しかし、だ。嘘もつき続ければ真実となる――、という格言が真実かどうかはさておき、韓国は慰安婦たちは強制連行されたと延々と嘘をつき続け、中国は南京大虐殺があったという嘘を延々とつき続け、そして今回の記憶遺産登録にこぎ着けた。

 すると、たいへん困ったことに、世界が中韓の嘘を信じてしまうのである。

 慰安婦問題のときがそうだった。河野洋平元官房長官が調査もせず韓国側の言いなりに慰安婦の強制性と軍の関与を口走り、村山富市元総理が真っ赤な談話を発表してしまったうえに外務省があまりにもお粗末な仕事(国際舞台で強制性を否定できないお間抜けぶり)を発揮してくれたせいで、慰安婦=性奴隷なる認識が世界で定着してしまった。河野村山両人の言質を取った韓国は、ソウルの日本大使館前を取っかかりに国内各地、アメリカやオーストラリアでまで慰安婦像の設置を始めた。

 外務省が間抜け集団なのは、次のことからも読み取れる。今年七月、前衆議院議員の杉田水脈(みお)氏がジュネーブの国連本部で開かれた女子差別撤廃委員会の準備会合に自費で参加したときのことだ。彼女は、慰安婦問題を長年報じてきた朝日新聞も記事を取り消し、従って強制連行はなく、慰安婦は性奴隷ではないとスピーチをした。

 このとき、委員会からは「あなたは日本政府の回し者か」と詰問調の質問が出たとのことだが、他方では「このような見解(慰安婦の強制連行はなかった)を当委員会は初めて聞いた。あなたの主張に事実の裏付けはあるのか」との問いかけもあったという。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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