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カーブで揺れる特急…乗り物酔い続出で引退へ 国鉄時代の「振り子式電車」 スピードアップに貢献

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カーブで揺れる特急…乗り物酔い続出で引退へ 国鉄時代の「振り子式電車」 スピードアップに貢献

紀勢線の381系=和歌山市内

 特急くろしおには53年、岡山と山陰方面を結ぶ伯備線の特急「やくも」には57年に投入され、今も第一線で乗客を運んでいる。

 ところが、JR西には乗客から「乗り物酔いする」といった苦情も寄せられ、インターネット上では特急“げろしお”や“はくも”などと揶揄(やゆ)されている。

 自然振り子式での乗り物酔いについて、北海学園大の上浦正樹教授(鉄道工学)は「カーブにさしかかった際に車体の傾きがやや遅れると、酔うようになる」と分析。車体が傾く際に「振り遅れ」と呼ばれるわずかな時間差があり、カーブを過ぎた後も傾きが元に戻るまでの「揺り戻し」に時間差が生じるためだ。

 上浦教授は「座席に座った乗客の目線の位置に振り子の中心があり、立っていれば、さらに酔いやすくなる。最初は車掌も酔ったようだ」と明かす。

 JR西は平成8(1996)年、381系の後継となる新型の制御付き振り子式特急電車「283系」を紀勢線に投入した。あらかじめカーブに合わせて傾きを制御できる最新装置を搭載し、乗り心地も改善。カーブ区間では一般車両より最大時速30キロ速く、大阪の天王寺と和歌山県の新宮間を最速3時間10分台で結んだ。

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