韓国の「ポジション」めぐり米中の学者が舌戦

ミアシャイマー教授「米が反中連帯結成 韓国も加わるべき」
王緝思院長「米中衝突ない 韓国の中立に期待」

 米国と中国を代表する国際政治学者たちが23日、「G2時代」(米中を世界の超大国だとする時代)における韓国の外交の方向性や南北統一問題をめぐり、ソウルで舌戦を展開した。

 『大国政治の悲劇-米中は必ず衝突する!』『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』などの著者で、米国の外交政策に影響を与えてきたジョン・ミアシャイマー米シカゴ大学教授は23日、国立外交院(尹徳敏〈ユン・ドクミン〉院長)が「光復70周年、韓国外交の道を問う」というテーマで開催した国際カンファレンスで、「中国の台頭に対抗し、米国と中国に隣接する各国が反中連帯を結成、アジア地域で激しい安保競争が発生するだろう」との見解を示した。その上で、「中国はアジアで『ゴジラ』になろうとしている。米国はこれまで、ドイツ帝国・日本帝国・ナチスドイツ・ソ連を破壊したことからも分かる通り、潜在的な競争相手を容認したことがない」と言った。さらに、「これまで韓国は、米中のはざまで中間的ポジショニング(位置取り)をしてきたが、安保競争が激化すれば、韓国は米国主導の反中連帯に加わるのか、それとも中国に便乗するのかを選択しなければならない。厳しい決断だが、韓国は結局米国と手を握るだろう」と分析した。

 しかし、胡錦濤・前国家主席の「外交ブレーン」と呼ばれた北京大学国際戦略研究院の王緝思院長は「今後、アジア・太平洋地域で軍備競争が激化するだろうが、北朝鮮の核問題は米中間のクッション的な役割をしている。韓米中3カ国の関係の中で、中国は韓国がもう少し中立的になることに期待している」と述べた。

 2人は韓半島(朝鮮半島)の統一に対する見解も異なる。ミアシャイマー教授は「中国の台頭に伴う安保競争は韓半島の統一に否定的だ」と分析、「北朝鮮は中国の重要な戦略的資産であり、中国は米国と手を握る韓国が主導する形の統一を絶対に許さない。近いうちの統一は難しい」と語った。

 だが、王院長は「中国は南北統一を歓迎する。統一は中国にとって優先順位の第1位ではないが、米中は共に統一を支持することもできる。ただし、どのような方法で統一されるのかが問題だ。武力統一なら、我々(中国)が介入すべきかどうかという問題が生じるだろう」と述べた。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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