「サムライマネー」が韓国プロ野球にやって来るのだろうか。韓国プロ野球チームのヒーローズは23日、「新たなネーミング・スポンサーについてJTグループと協議をしている。年内までに交渉を終える予定だ」と明らかにした。日系金融グループ「Jトラスト(JT)グループ」関係者は「日本の本社が直接、交渉に当たっている」と語った。
JTグループは日本でクレジットカード業により成長し、現在23の系列会社を擁する。資産規模は5兆ウォン(約5340億円)台と言われている。JT側は「韓国では貸付業からスタートしたが、今はすべて整理した。現在は貯蓄銀行(JT貯蓄銀行)など3社が経営されている」と述べた。関係者は「JTグループが貸付業をしているなら、そもそも交渉を開始していなかっただろう」と言った。
投資会社センテニアル・インベストメントのイ・ジャンソク代表が2008年に存続の危機にあった現代ユニコーンズを買収した後、再結成したのがヒーローズだ。親会社がないヒーローズはメーンスポンサーから資金を受け、その企業名をチーム名に使用する方式で球団を運営してきた。このため、球団の歴史は8年と短いが、チーム名はすでに3つめになる。今はネクセン・ヒーローズだ。6年間続いたヒーローズとネクセン・タイヤのネーミング・スポンサー契約は今年切れる。
JTグループが今回提示した金額はネクセン・タイヤの2倍以上となる年間100億ウォン(約10億7000万円)台とのことだ。これは魅力的な条件だ。ヒーローズはソウル市陽川区の木洞球場を離れ、ソウル市九老区に完成した韓国初のドーム球場・高尺スカイドームを来年から本拠地として使用するため、現在よりも運用コストが増える。
JTグループはスポーツを通じた広告効果を狙っている。日本プロサッカーJ2リーグ・FC岐阜のスポンサーを務めており、8月に東アジア・カップのスポンサーとしても参加した。事実、JTグループより先に韓国のスポーツに進出した日系貸付業者ラッシュ・アンド・キャッシュは男子バレーボールチームを買収してプロチーム「安山OK貯蓄銀行ラッシュ・アンド・キャッシュ」を創設、効果を挙げている。OK貯蓄銀行関係者は「今年は優勝を達成して知名度が上がり、ネガティブだった親会社(ラッシュ・アンド・キャッシュ)のイメージも刷新された」と言った。OK貯蓄銀行の資産額はこの1年で5倍近く(昨年6月2904億ウォン〈約310億円〉→今年6月1兆6160億ウォン〈1726億円〉)と増加した。ヒーローズのスポンサーのネクセン・タイヤは業界3位から2位浮上している。