労働改革5法案についても、朴大統領は「17年ぶりに労使双方と政界による大きな妥協を実現した。今や法案を成立させてほしい」と述べたが、文代表は「5法案のうち2法案は、労使と政界が妥協した内容に反するものであり、残りの法案も合意にはない内容が含まれている」と反論した。朴大統領は会談の最後に「3年間にわたってお願いしてきた若者の雇用に関する法案を必ず成立させてほしい」と重ねて求めた。文代表は会談終了後、記者たちに「経済再生や経済民主化について多くの時間を割いて話し合ったが、期待する返答は全くなかった」と述べた。
朴大統領は「予算の審議が順調に進まなければ、庶民の生活が苦しくなり、新たな経済成長の機会も逃すことになる」として、来年度予算案の審議を法定期限(12月2日)までに終えるよう要請した。これに対し野党の執行部は反対しなかったが、新政治連合の李院内代表は「国会の審議権も尊重してほしい」として、幼児教育関連予算に中央政府の完全負担を盛り込むなど、争点になる話を持ち出した。国会先進化法により、予算案を成立させる上で野党の同意を必要とはしなくなった。一方、韓中自由貿易協定(FTA)を国会が早期に批准することについては、与野党双方が共感した、と関係者たちは話した。
このほか、文代表は韓国独自の戦闘機(KF-X)導入事業で中心となる技術の移転が実現しなかったことについて「国会レベルの真相調査が必要だ。大統領も関係者たちに厳しく責任を問うてほしい」と主張した。また、李院内代表は安全保障室長と国防部(省に相当)長官などに対し人事面で責任を問うよう求めた。だが、朴大統領はこれらに一切返答しなかった。与野党双方は合意文の発表はせず、この日話し合った内容を後日、両党の院内代表や経済委員会議長、院内首席が参加する「3+3会合」であらためて話し合うこととした。