【コラム】慰安婦問題の根本的な解決策

元慰安婦のハルモニ(おばあさん)、ごめんなさい

 その間、当時ご健在だったおばあさん約150人のうち約100人が亡くなってしまった。このほど私は朝鮮日報東京支局に移り、この15年間にさらに厚くなった慰安婦関連資料に赤い線を引きながら、「この問題はいまだに解決していない」という記事を書き続けている。そうしながらも、胸に引っかかっているのが「解決とは何か」ということだ。

 韓国側の要求の核心は、日本が「慰安婦問題は大日本帝国という国家が犯した戦争犯罪であり、その責任は大日本帝国と大日本帝国を継承した日本国にある」とすっきり認めることだ。だが、それを安倍晋三首相は認めるだろうか。いや、認めないだろう。安倍首相の次の首相は認めるだろうか。可能性は低い。では、どうすべきなのだろうか。

 このことについて、韓国政府・韓国与野党・韓国人の見解はバラバラだ。韓国には「100年かかってもきちんとした方法で雪辱する道」が何なのかについての国論がなく、「日本が悪い。安倍が悪い」という原論だけがある。韓国人同士で非難し合うことになるのではと恐れ、安倍首相のことばかりののしり続けている。日本人だけでなく、韓国人にも「本音」と「建前」があるのだ。

 歴史問題に対する唯一の根本的な解決策は、強くなることだ。日本は絶対に韓国の望み通りの反省はしない。その日本を相手に、忘れもせず、許しもしないが、実利はしっかりと手にし、あきらめずに毎日少しずつでも彼らより強くなることだけが、ある日の朝、慰安婦問題を含む歴史問題で韓国が望む場所に到達する道なのだ。

 ただ、そこに到達する日までに多くのおばあさんたちが亡くなっていくと思うと、胸が締め付けられるばかりだ。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員
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