サムスンSDIは22日、中国陝西省西安市に新設した電気自動車(EV)用バッテリー工場の完成式を行い、中国市場の本格的な攻略を開始した。中国では現在、政策支援効果でEVの普及が急速に進んでいる。
新工場は2億ドル(約241億円)を投資し、西安市のハイテク産業集約地である高新技術産業開発区に完成した。完成式には趙南成(チョ・ナムソン)社長、張元基(チャン・ウォンギ)中国サムスン社長、陝西省の姜鋒副省長、下請け企業関係者ら約200人が出席した。
新工場は年4万台分のEV用バッテリーを生産可能だ。EV用バッテリーとガソリンエンジンを併用したプラグインハイブリッド車基準では15万台分となる。
新工場は完成式に先立ち、先月から稼働を開始した。現在中国だけでなく、世界のバス市場で首位の宇通客車、中国トラック市場首位の北汽福田汽車(Foton)をはじめ商用車、乗用車メーカー10社にバッテリーを供給している。
中国の昨年のEV販売台数は8万2000台で、前年比で400%以上伸びた。今年は16万台、来年は24万台の販売が見込まれ、世界のEV市場の10%を占める最大の市場となる見通しだ。サムスンSDIは西安工場に既に投資した2億ドルを含め、2020年までにライン増設などで計6億ドルを投資し、年間10億ドルの売り上げを達成したい構えだ。
趙社長は「西安はシルクロードの始発点で、中国の経済発展プロジェクトである『一帯一路』の主要拠点だ。中国の歴史的伝統と将来の発展戦略に歩調を合わせ、西安工場を世界的なEV用バッテリーの中心地としていきたい」と述べた。