さて、第3回です。
会計入門でも、やや専門寄りの本というリクエストでしたので、その方向で続きます。
複式簿記は技術であり、その技術の背後には会計学の理論があります。
財務会計の理論といいましても、私が学んで実務に適用してきたのはあくまで制度会計と言われる、法や規則で従うべきとされる会計の理論であり、純学問的なものではありません。
制度会計は、
財務報告を作成するために直接の利用者する企業、
財務報告を監査する公認会計士たち、
財務報告を読み分析して企業に資金を投じる投資家、
それを規制・保護しようとする監督官庁や証券取引所、
あるいはそれらに影響される/影響を及ぼしたい政治家など、
多種多様な利害関係者に囲まれております。
制度会計は、それら利害関係者の間で議論され、様々な駆け引きを経て制定され、改正されていきます。
そのため、制度会計で使用されている財務会計の理論は、全体が整合している美しいものではありません。
それでも、制度の理論を知らなければ議論にすら入れません。
その制度会計である財務会計テキストで、やはりお勧めしたいのはこちら。
- 作者: 桜井久勝
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2015/03/11
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毎年改定されます。わずか450ページ弱の簡潔なテキストですが、企業会計原則からはじまって組織再編や連結までカバーしています。
これに書かれている内容をすらすら説明できるようになれば、会計をマスターしたといえるのかも。
とは、いいましても「財務会計講義」は簡潔なテキストであり、こちらで補っています。
こちらは公認会計士試験用の受験テキストのようですが、1・2巻に分かれていてかなり詳しく説明されております。
- 作者: 佐藤信彦,河?照行,齋藤真哉,柴健次,高須教夫,松本敏史
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2015/04/29
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こちらはかなり難しいので、財務会計講義を読み込んで、だいぶ理解できてきた、という方でないとお勧めはできません。
いうまでもありませんが、基準書はしつこくめくりましょう。
- 作者: 日本公認会計士協会,企業会計基準委員会
- 出版社/メーカー: 日本公認会計士協会
- 発売日: 2015/03/10
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続きます。(次回、IFRS編。)