「小田急数え歌」“発見” 開成町の古民家に文書

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文書に記された「小田急数え歌」

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 ♪これわみなさま こうそくでんしゃの ごあんないを 一寸をひろめもうしませう-と始まる「小田急数え歌」を記した文書が、開成町金井島の古民家ガーデン紋蔵(NPO法人すずろ=畠山光子理事長)で新たに見つかった。同所で公開されている関東大震災数え節に続く新たな“発見”に、当の小田急電鉄も「初耳」と驚いている。

 文書は表裏に厚紙を付け四つ折りの半紙をとじたもので、先に見つかった関東大震災数え節と同じ造り。表書きはなく、1枚めくると「こうそく かぞえうた」と目次があり、筆者と思われる「仲上ひめ」の署名がある。また左ページに「小田原からざまのてんしゃばまで」と小田急線の15の駅名が記されている。

 同線が全線開業したのは1927(昭和2)年4月1日で、本紙の前身・横浜貿易新報も「本県下を縦走する 小田原急行鉄道 けふ愈々(いよいよ)開通の喜び」と祝賀広告を含めて1ページを使って開業を報じている。数え歌はその後、広まったものと思われる。

 本文は見開きで20ページあり、数え歌は「人の敷いたる小田原は、高速電車の開けしは、進む便利の世の中よ」(本文平仮名)と七五調で始まる。

 小田原発新宿行き上り各駅停車になぞらえ、「橋を渡れば新松田。前は名高い金時山」「渋沢でここに不思議な名所あり。弘法大師の戒めで水無川原と後までも」「秦野町、日本政府の(葉タバコ)専売所」などと、各駅名と周辺の名所旧跡などを歌い込み、観光案内の一面もうかがえる。

 終わりは「相模の果てなる座間」で、「新宿駅へ着くまでは、まだまだてんしゃは三十七あるよ」と以降は省略されている。

 小田急電鉄CSR広報部は「社史から年長者まで調べたが、数え歌は初耳。ぜひ見たい」と驚きと好奇心が入り交じる。

 同古民家は、故西海紋蔵さん(1899~1985年)が58年に改築した江戸時代から続く茅葺(かやぶ)き家屋。管理人の志澤晴彦さん(52)は「仲上ひめに思い当たる人はいない。関東大震災数え節の手習い帳と合わせて、庶民の記した情報を知ってもらえれば」と語る。

 問い合わせは、畠山理事長電話090(2483)0698。

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