（出囃子）
（立川）え〜どこの世界でも話の達者な人というのは人気者になります。
その一方で人とうまく話せずトラブルや悩みを抱えている人もいらっしゃいます。
俗に言う話し下手っていうやつですね。
今日はそんな話し下手を克服したいと悩むある若者の話です。
いらっしゃいませ。
社会人２年目の２３歳。
どうです？なかなかのイケメンでしょ？このイケメン都会で一旗揚げようと去年ふるさとの石川から大阪の会社に就職。
宝石やブランド品の買い取り販売を行うお店を彼一人だけで切り盛りしているんです。
（松嶋）え〜？ところがこのイケメンかなりの話し下手だというんです。
接客の仕事なのに話しかけられない。
しかも相手は百戦錬磨の大阪のおばちゃん！よりによって大阪を選ぶなんて。
ちょっと待って下さいね。
言葉巧みな値上げ交渉にたじたじ！
（三宅）これは大変だわ！こんな調子が続いて会社の営業ノルマを今まで一度も達成した事がありません。
分かりました。
ならばその悩み私が承りましょう！こんがらがった毎日を解きほぐそう。
さあ今日のテーマは「話し下手」という事ですが松嶋はあんまり関係ないね。
いやでもね私ね初めての人はあんまりしゃべりたくないというか何しゃべっていいか分かんない。
ああ。
話題を探す事があまりうまくない？そう！三宅さんはないでしょうこの話し下手。
私はないでしょうね。
小学校の頃からスターだったから。
さあ今回はですね…。
ぶった切ったね今。
番組初の２０代の若い方からのお悩みが寄せられました。
そのお悩みを答えて下さるきわめびとご紹介しましょう。
落語家の立川談笑さんです。
よろしくお願いします。
お元気ですか？立川談笑です。
（笑い声）落語家六代目立川談笑さん。
あの立川談志も認めた実力者。
古典落語を現代的にアレンジする独自のスタイルが特徴です。
そんな談笑さんのモットーは意外にも…？うまく語るだけではなく相手の反応を見極めそれに応じて話す事こそが大切だといいます。
テレビ番組のリポーターや司会者としても活躍の場を広げる一方雑誌や新聞などでも人間関係を円滑に進める独自の方法論を展開。
コミュニケーションの極意を多くの人々に伝えようとしています。
「聴く心」が大事だと？そうなんですよ。
落語家というとお話をする商売だから発信発信発信って思われがちなんですけれどもいやいやいや実は…それは今日のお客さんの感じをつかむとかそういう事ですか？そうです。
まくらで今日のお客さんはどんな感じっていうのを振ってそのフィードバックでこちらが調整をしていく。
例えば客席の動きがピシッとピタッと止まってる時は集中して話を聞いてるんですよ。
であんまり好きじゃないっていう時には全体がねモゾモゾと動き始めるんです。
（松嶋）それはそうだ。
でもそれ話の途中で気付いてもどうしようもないですよね？いやその時に…何年ぐらいかかったんですか？それができるようになるまで。
早え！うそうそうそ。
４月下旬。
談笑さん大阪にある村田さんの店を訪ねました。
こんにちは！こんにちは。
お邪魔します。
ええ〜っと伺うところによりますと…。
はい。
そうですね。
ふだんの村田さんどんなふうに接客をしているのでしょうか？まずやって来たのは真珠のアクセサリーを売りたいという店の常連さん。
ところが楽勝宣言から僅か１０分後。
談笑さんから笑顔が消えました。
こちらはプレゼントを買いに初めて来店したというお客さんですが…。
村田さん話しかけません。
気持ち悪いやろ。
その後も接客中なのに黙り込んでしまう事が度々…。
あらら。
更に店の宣伝をするためティッシュを配ろうとしても…。
ぐいぐい行かなきゃ無理だよ。
道行く人にほとんど声をかけられません。
うん。
談笑さん村田さんの話し下手にある特徴を見つけました。
初対面の人になると別人のように何も話せなくなる村田さん。
その理由を聞いてみると…。
村田さんが話し下手になったのは小学生の時。
何気なく言ったひと言で友達を傷つけてしまったのがきっかけでした。
以来初対面の人と話す事に警戒心を強く抱くようになりました。
へえ〜。
ああそうなんだ。
初対面の人ですか。
うん。
しかもそういう自分が嫌いっていうそこまで入っちゃってるんですね。
こんな人になります。
どうぞ。
（三宅）こんな感じになる…。
（松嶋）ガッチガチや。
（三宅）そういう意味ですね。
例えばお店に入っての接客上でもマニュアルで武装する訳ですよ。
決められた事をやってますというので自分は傷つかない間違ってないんだと。
こういう人とっつきづらいじゃないですか。
（松嶋）嫌や嫌や。
こっちも苦手やねんから避けてまうよね。
そうそうそう。
でも今村田さんはこの鎧を着てる状態ですから…。
そうなんです。
恐怖心を乗り越えて取らなくちゃいけない。
さあそのためにね荒療治ですよ。
何やったんだ？日曜日の朝。
（チャイム）村田さんの鎧を脱がすためにまず向かったのは…。
おはようございます。
おはようございます。
いいですね。
突然の自宅訪問に驚く村田さん。
さあこんな朝っぱら…着いた先は大阪の繁華街難波。
（拍手）談笑さんが考えた荒療治は街頭インタビュー。
道行く人に声をかけ会話をしてもらいます。
いいやんいいやん。
初対面の人と話す事が苦手な村田さん。
なかなか声をかけに行けません。
すみません。
はいどうぞ。
これはかなり勇気がいるよね。
更に声をかけますが…誰も立ち止まってくれません。
もうちょっと若い子行け！
（松嶋）分かる分かる。
２０組以上声をかけましたがインタビューに応じてくれる人が現れません。
予想以上の苦戦に談笑さんにも焦りの色が…。
談笑さんここで話し下手克服の極意を伝授する事に！はい。
スマイルスマイルスマイル。
自分から鎧を脱いでみる。
そして相手に好意を持って話しかける。
大切なのは笑顔。
ああすみません。
うん。
笑顔笑顔。
声をかける事２５組目。
休日？今日みたいな日曜日の休日って。
夫婦の何か秘けつとかって…。
（村田）どちらかというと我慢するって事ですか？いい答え引き出した。
ありがとうございます。
（拍手）何組目だって？２５。
オッケーオッケーオッケー。
（村田）すみません。
いいじゃないですか！いいじゃないですか！笑顔で話せば相手も笑顔で答えてくれる。
村田さん第一歩を踏み出しました。
いやいやよかったね〜。
へえ〜すごいね。
頑張ったね。
ここまで来ましたね。
ね！表情がどんどんどんどん変わってくるじゃないですか。
（三宅）それが分かりますからね。
初め私らもほらやっぱり街頭インタビューって仕事でやるけれども私彼みたいに努力もせえへんかったからスタッフの人に「適当に声かけてきて」って言うて。
そうそう。
これが楽しいと思ってやるのか嫌だなって思ってやるのかっていうのは絶対にじみますからね。
ええ。
街で声かけられた人も嫌々声かけられてる人とはね話は盛り上がらないんですよ。
そう。
この荒療治で村田さんは鎧は脱げましたかね？脱げましたね。
村田さんこのように変わりました！あれ？意外な服着てた。
下。
鎧を脱いで相手に好きだよっていう気持ちが見えるようになりました。
じゃこの好きを伝えてそのあとどうするかでその頭のかぶとが取れる訳ですね。
そういう事ですね。
かぶとを取るためにはどうすればいいのか。
おはようございます。
おはようございます。
談笑さん仕事で役立つ会話術を村田さんに伝授。
落語家は演目に入る前にまず何気ない話でお客さんの緊張をほぐすんだそう。
村田さん無駄話に挑戦！出だしはいい感じ！あれ？もう終わり？話題が途切れないって本当大変なんだよね。
気を取り直してもう一度。
フフフフ！今度は無駄話でお客さんが笑ってくれました。
へえ〜。
頑張って話さなくても相づち次第で会話は弾む。
「本日はようこそお越し下さいました。
ありがたく御礼申し上げます」ではなくて「いや本日は本当にようこそお越し下さいました。
ありがたく御礼申し上げます」っていうふうに…下手でいいから気持ちを込めて話しかける。
早速ティッシュ配りで実践！村田さん気持ちを込めた言葉で店のアピール！すると…。
あれ？先ほどの女性が戻ってきた。
さっきのおばちゃん！
（村田）どれですか？問題ないです。
大丈夫です。
お店に興味を持ってくれたみたい。
戻ってきたのがすごいですよね。
いけるんじゃない？これはもういけるでしょ。
いやすばらしいこれ。
という事はここまで来たらもう鎧は全部取れたんですかね？という事になりますかね。
じゃあはい。
失礼します。
（松嶋）村田君やんか！
（三宅）何だよ！
（松嶋）何やのよどうよ？
（三宅）お前悪口言わなくてよかったね。
ほんまや。
危ない。
言っといてこういう事は。
そうなんです。
スタジオにお越し頂いていたんです。
今回のね最初全く自分はダメだなと思ってた時から今鎧が全部取れた。
どういう感じですか？今は。
最初は本当にマニュアル調というか自分の知ってる知識だったりとか接客の基本的な挨拶だったりとかを言って関係が深くなったと思ったつもりでいたんです。
「好きになる」ってさっきもおっしゃってましたけどもやっぱり好きになる感覚ってそれまで全然分からなくてでもやっぱり…え〜そんなもんなんや。
という事は…自分自身に自信がついたよねきっとね。
はい。
さあ村田さん。
（三宅）今から私がお客さんになりますので自信がついた村田さんの接客ぶりを是非見せて頂きたいと思います。
うわ〜！楽しみ〜！
（三宅）セットチェンジをお願いします！では話し下手克服最終テストを説明します。
村田さんの接客を受けて三宅さんがまた来店したいって思えたら合格となります。
いらっしゃいませ。
うわ〜。
これどういう時計か分かる？ちょっと見させて頂きますね。
これはどういった経緯で？これおやじの形見っていうかね。
ああなるほど。
分かる？全部分かります。
これ選ばれるって事はもうかなり渋い方なんじゃないかなと思いますね。
（三宅）おお〜。
という事はうちのおふくろとどう知り合ったかも分かる？う〜ん…やっぱり出会いはバーとかじゃないですかね？あれ？分かる？ちょっと離れて離れて飲んでて「あっちに１杯」みたいな感じで出会ったんじゃないんですか？「これあちらのお客様からです」みたいな？それが牛丼だったりして。
（笑い声）今つまんないのに笑ってくれた？では判定をお願いします！
（拍手）最初あんだけダメだったっていう感じが今ここまで来たっていうのはすばらしいですね。
よくもすてきな営業マンを誕生させてくれましたね。
よく努力したよね！おはようございます。
今日もお店で仕事に励む村田さん。
その笑顔でこれからも頑張ってね！2015/10/22(木) 11:05〜11:30
ＮＨＫ総合１・神戸
助けて！きわめびと「話し下手を克服したい」[字][再]
今回のテーマは「話し下手」。客とうまく話せないという入社２年目の若者の悩みに、落語家・立川談笑さんが立ち上がる。驚きの改善策、そして話が弾む会話術とは？！
詳細情報
番組内容
今回のテーマは「話し下手」。客とうまく話せないという入社２年目のサラリーマン。その悩みに、落語家・立川談笑さんが立ち上がる。繰り出される驚きの改善策、そして、話が弾む会話術とは？！
出演者
【司会】三宅裕司，松嶋尚美，一柳亜矢子，【出演】落語家・真打ち…立川談笑，【語り】本上まなみ
ジャンル :
情報／ワイドショー – 暮らし・住まい
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー／教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
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