東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜 #10【ハンカチ必須の名作!】 2015.10.22


知っているんです。
事前に。
バランスをとったんですね。
(雅也)
僕がいちばん恐れていたこと
(山田)もう大分大きくなってるねぇ
(栄子)・「おころりよゴジラちゃんはいい子だねんねんよ…」お帰り。
(雅也)うん。
ただいま。
ちゃんと診てもろうたん?
(雅也)うん。
あの先生よかろ?丁寧で。
・「おころりよいい子だね…」
(雅也)そうやね。
・「いい子だねゴジラちゃんはねんねこよねんねんよ…」
大地震。
火星人襲来。
地球最後の日
(耕平)せせせ…先輩。
世紀末やっち。
地球なくなるげな?
(前野)まだまだ先の話やけ…
(耕平)うわぁー。
ホントになくならんと?
(前野)そ…そげなことあるわけなかろうも
子供のころに持っていた本にかかれた恐るべき未来。
僕はそんなことを恐ろしいと感じることがなかった
僕がいちばん恐れていたこと…
それが現実味を帯びて本当に近づいてきたような気がしていた
(栄子)今日のぬか漬けは自信作たい。
(一同)おーっ。
(耕平)ホントおばちゃんは漬物名人たい。
そうたい。
漬物名人たい。
みんないーっぱい食べんしゃい。
(一同)はい!おばちゃんの料理食べれんも今のうちやきね。
縁起の悪かこと言わんでよ。
(レオ)栄子ママいないとさみしいだよ。
(徳本)そうですよ。
これからどこで飯食えばいいんですか!?ねえ?おい!
(鳴沢)えっ?う…うん。
(耕平)みんな路頭に迷うけ。
おばちゃん早く退院せなね。
はいはい。
(花子)巣鴨に行かなくちゃ。
(歌子)そうよ。
(由子)うん!まなみちゃんまだ実家におるん?ああ。
落ち着いたらすぐ戻ってくるっち。
そう。
電話代かかって困るわ。
オカンにもよろしくっち言うとったよ。
そうね。
(耕平)徳本さん。
(徳本)うん?
(耕平)勝負やきね!
(レオ)勝負!
(徳本)おっ!おばちゃんがレフェリーたい。
(徳本・レオ・耕平)乾杯!マー君。
後ろやってくれんね?うん。
ねえマー君。
うん?オカン死んだら葬式するときによ。
何言うとるん!?互助会にずーっと積み立てとったけそこに連絡しんしゃい。
死にやせんのやから。
オカン胃がんなんよ。
病院で出してもろた診断書見てしもうたんよ。
またすぐ治るけん。
手術はせないけんかもしれんばってんまた前のごと治るよ。
大丈夫やって。
死にやせんよ。
オカンはもう2回も生き返っとるんやから。
そうやね。
うん。
そうたい。
僕がいちばん恐れていたこと

(雅也)おはよう。
おはようさん。
えらいすっきりしとうね。
早食べ。
うん。
いただきます。
どうぞ。
うん。
うまか。
用意できたけ。
お話があると。
何ね?座り。
うん。
朝はきちんと起きること。
仕事の人に迷惑かけたらいけんよ。
これにしっかりと書いとき。
はいはい。
ゴジラに餌をやること。
動物はしゃべれんけんちゃんと面倒見なきゃいけんよ。
はいはい。
それからもう一つ。
オカンに何かあったらそのたんすに箱があるけそれば開けんしゃい。
何もなかよ。
マー君。
何ね?そしたらちょっと行ってきますけえ。
留守の間お願いします。
どうせまたすぐ帰ってくるっちゃけん。
行くばい。
行くよ。
オカン?行くよ。
・『蕾』
東京タワーのふもとにある病院にオカンはまた入院することになった
元気になったらのぼらなね。
そうやね。
オカンの病気。
入院。
いつかと同じ風景
それなのに今までとどこか違う。
オカンの背中は小さくて頼りなくて切なかった

僕がオカンの手を引いて歩くのはその日が初めてだった

(兆治)チビ!
(雅也)オトン。
(兆治)おう。
育毛剤でのぉ毛の生えたぞ。
まあある程度長く使わんと効果出らんのやけどしかしまあこれが品薄でからあちこち取り寄せて…。
髪の話はもうええち。
何しに来たん?じゃあオカンとこ行こうかのう。
今検査受けよるけん。
うーん。
病室は相部屋か?四人部屋。
個室に行ったらもういかんぞ。
どういうことね?長くはもたんちゅうことよ。
(兆治)どうか?調子は。
(栄子)どうもこうもなかよ。
(兆治)まあ手術せんといけんやろうのう。
近々先生から話があろうばってん手術はもうしとうなかよ。
医者が切るち言うんならせにゃいけんやろが。
あんたプリン好きやろ?食べんしゃい。
ほれ。
(兆治)病院の飯はまずうてからかなわんやろ。
なーんかこの辺がつかえてね。
ほう。
ふうー。
たばこ買うてくるけえ。
相変わらずやね。
せっかく小倉から出てきてくれたんやから。
十分たい。
ウサギまーだ生きとるんか?もうそん年になったらハゲとってもよかろうも。
髪がないとのう洋服が決まらんようになるんよ。
チビ。
何?オカンのう…。
今度はダメかもしれんのう。
(鳴沢)大丈夫?ほかは間に合ってんの?「WEEKLYシネマガイド」と「週刊TVジャーナル」も待たせとるんよ。
もう何日か延ばしてもらえるように言っておくよ。
それとなく事情も話しておく。
悪かね。
うん。
まなみちゃんは知ってるの?お母さんのこと。
連絡取っとらんけん。
(目覚まし時計のベル)
(有馬)検査の結果ですがスキルス性のガンで進行胃がんです。
状況としてはもう大分広がっています。
お母さんの体力的な問題もありますが何しろ進行が早くて胃の周りのリンパ節や肝臓にも転移しています。
手術はできるとでしょうか?
(香苗)ああー。
マー君遅かね。
(雅也)ごめんごめん。
もうバカチンが。
あっ。
あんたやっぱり遅刻してしもうたね。
悪かね。
そしたら行こうか。
うん。
どげんしたと?芝居下手かねぇ。
マー君も香苗も。
姉ちゃん…。
検査の結果どげんやった?マー君から聞いても先生から聞いても同じことやき。
マー君。
オカンにホントのこと言ってくれんね?スキルス性の…。
進行胃がんやって。
手術はできんって。
そうね。
それでなオカン。
抗がん剤治療っちいうのがあるんよ。
治療はちょっと苦しいかもしれんばってんやれることは何でんやってみよう。
マー君もわたしも頑張るけん。
頑張ろうオカン。
頑張ろう。
今まで何度もよみがえっとるやん。
オカンは運のよかとやけん。
またようなってあれは何やったんやろうって笹塚で笑いよるよ。
ねっ?そうやね。
頑張ってみようかね。
うん。
一緒に頑張ろう。
うん。
うん。
オカンの抗がん剤治療が始まった
(有馬)劇的な効果を得られる可能性は決して高いとは言えません。
強い副作用が予想され患者さんの体にもかなりの負担がかかりますうっ!ああー。
オカン?
抗がん剤が投与されてすぐにオカンの体調は見るからに悪化した
オカン!
(香苗)つらいね。
姉ちゃんつらいねえ。
オカン!頑張り。
頑張り!うん。
うーん!うん。
ううっ。
オカン大丈夫?大丈夫ね?うっ!ううっ!頑張り!大丈夫?
(鳴沢)中川。
「週刊TVジャーナル」のイラスト。
あっ。
あっ。
今すぐに用意するけん。
ちょっと待っとって。
もう少しだけ締め切り交渉してみるよ。
ああ…。
うん。
もうよかよ。
いや。
でもせっかくここまで。
よか。
中川。
・・
(まなみ)もしもし?
(鳴沢)まなみちゃん?
(まなみ)鳴沢君?久しぶり。
(鳴沢)元気にしてた?
(まなみ)うん何とか。
(鳴沢)中川のことなんだけど。
(まなみ)どうかした?お母さんがさ。

(看護師)中川さん。
はい。
(有馬)あしたから2回目の抗がん剤の投与に入ります。
1回目の投与でお母さまの体には相当の衰弱が見られています。
(有馬)二度目はさらに苦痛を伴うことになるかもしれません。
(有馬)やはりお続けになりますか?
(有馬)残された期間を有意義に過ごすという選択肢もありますよ
(手塚)最近はお母さんの影響か落ち着くのも悪くないかなぁなんて思ったりして。
そう。
よかったやないね。
(耕平)おばちゃん退屈しとろうち思うて花札持ってきたけえ。
(徳本)うん。
また教えてくださいよ。
(レオ・耕平)うん。
そうやね。
(レオ)ママ。
これおいしいよ。
(徳本)うんうまい!みんなちゃーんとご飯食べとるん?
(レオ)うん。
食べてますよ。
(徳本)食べてますよ。
でもねやっぱりお母さんのご飯が恋しいなぁなんてね。
(耕平)おばちゃんの漬物早く食べたか。
(有馬)中川さんどうされますか?
(雅也)抗がん剤治療ば続けてくださいほれ。
プリン取っとったけえ食べんしゃい。
いつまっでん子供やないけえ。
仕事ちゃーんとしちょる?うん。
ゴジラに餌は?やっとるよ。
まなみちゃん元気にしとる?うん。
オカンのこと心配しとった。
そう。
オカン。
うん?抗がん剤あしたからまた始まるばってん大丈夫ね?うん。
きついけど頑張り。
絶対治るけん。
そうやね。
頑張るたい。
うん。
ずーっと一緒におったけん。
いつでん当たり前におったけえ。
考えられんのよ。
おらんごとなるって。
あきらめられるわけなかろう。
何が何でん治ってもらわな!0.1パーセントでん治る可能性あるんならどげん苦しゅうても頑張ってもらわな!そうやろう?・
(栄子のうめき声)ううっ!
(香苗)痛いねえ。
(看護師)痛み止め使いますね。
(うめき声)
(香苗)つらいねえ姉ちゃん。
(うめき声)
(香苗)つらい。
(うめき声)
(徳本・レオ・耕平)マー君お帰り!
(耕平)先輩最近ろくなもん食うとらんやろ?もやし炒め作ったけん。
焼きビーフンに焼きうどん。
はい!主役はこっちこっち!はい脱いで脱いで。
(レオ)どうぞどうぞ。
(徳本)ほいほいほいほい。
はい座って!はい。
飯食わねえと元気出ねえぞ。
おばちゃんのことなら大丈夫や!何度も崖っぷちから生還してるんだし!みんなで応援すれば大丈夫!何が分かるん?頼むけん帰ってくれ。
帰ってくれ。

(ドアの開く音)
(香苗)マー君?おると?どげんしたと?電話も出らんでから。
何しとう?病院にも来んで。
早行かんね。
行くよ。
行かん。
何言うとるん!?行って何になるん?もう…。
無理や。
言えんのよもう。
頑張れっち言いきらん!
(たたく音)バカチン!何て顔ばしとるん!?あんた誰の息子ね?どげんつらいときでん姉ちゃん笑ってきたやないね!あんたに心配かけんごといつでん笑ってきたやないね!今はあんたが姉ちゃんを励ます番と違うん?あんたが笑わんで誰が笑うと!?
(泣き声)バカ。
マー君!まなみちゃん。
お母さん。
ごめんなさい。
起こしちゃいました?ううん。
そげな顔しなさんな。
ごめんなさい。
ずっと来れなくて。

(栄子)実家大変やったろう。

(まなみ)もう大丈夫です。
これからはお見舞い来ますから。
甘えん坊やったき昔から。
・まなみちゃん。
あの子がくじけそうになったときちぃーっと寄りかからせてやってくれんね?二人でおればどこでん大丈夫やき。
はい。

(栄子)うーん。
うーん。
オカン!オカン!大丈夫?オカン大丈夫?うん。
マー君。
うん?やめたか。
もう…やめたか。
もう…。
やめよっか。
はあー。
うんそうしよう。
よう頑張ったね。
オカン頑張った!頑張った。
大丈夫やけん。
大丈夫。
大丈夫。
もう心配せんでよか。
僕がいちばん恐れていたこと
抗がん剤治療をやめたいと思います。
(有馬)そうですか。
分かりました。
もってあと2、3か月だと思っていてください。
いつか本当にやって来ること
2015/10/22(木) 14:55〜15:50
関西テレビ1
東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜 #10[再][字]【ハンカチ必須の名作!】

「最期の選択」
速水もこみち 香椎由宇 浅田美代子 平岡祐太 柄本佑 石黒賢 泉谷しげる 倍賞美津子ほか

詳細情報
番組内容
 中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)は、2度のガン手術を克服していたが、すでに胃にもガンが転移していた。雅也は、手術すれば治ると励ますが…。
 アパートにはいつものように、山田耕平(柄本佑)、手塚修一郎(石黒賢)たちが栄子の料理を食べに来ていた。皆、口々に栄子の早期退院を願うが、その中に佐々木まなみ(香椎由宇)の姿はなかった。
番組内容2
雅也は、まなみが実家に帰ってしまい、事実上2人は別れたということを栄子に話していなかった。
 それから、入院までの日々、栄子はまるで何かを予期するかのように、部屋を片付け、身の回りを整理し始める。そして、栄子は雅也に連れられて、東京タワーの麓の病院に入院した。数週間後、病院を訪れた兆治(泉谷しげる)は、雅也に、今度は栄子もダメかもしれないと漏らす。
 栄子の検査結果が出た。
番組内容3
雅也と藤本香苗(浅田美代子)は担当医から、栄子の胃ガンが進行性で他の部位にも転移しているため、手術は出来ないと言われてしまう。雅也は、栄子のためにと抗ガン剤治療を決意する。
 そして栄子の抗ガン剤治療が始まった。それは、辛い毎日で、栄子の姿を見る雅也の生活はすさんでゆく。そんな雅也を見ていられない鳴沢(平岡祐太)は、まなみに栄子のことを伝えて…。
出演者
速水もこみち 
香椎由宇 
平岡祐太 
柄本佑 
チェン・ボーリン 
高岡蒼甫 
石黒賢 
浅田美代子 
泉谷しげる 
倍賞美津子 ほか
原作・脚本
【原作】
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー(扶桑社刊)
【脚本】
大島里美
監督・演出
【プロデュース】
中野利幸
【演出】
久保田哲史
音楽
河野伸 
澤野弘之
【主題歌】
『蕾』コブクロ(ワーナーミュージック・ジャパン)

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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