李禹煥作品の贋作販売、容疑者は日本へ

ソウルのギャラリーを捜索

 ソウル地方警察庁知能犯罪捜査隊は20日、日本を拠点に活動する韓国の現代美術家、李禹煥(イ・ウファン)氏(79)の絵画の贋作(がんさく)を販売した疑いで、ソウル・仁寺洞のAギャラリーを先ごろ家宅捜索したと明らかにした。

 李氏の絵画にはたいてい数億ウォン(数千万円)の値が付くが、昨年以降に同氏の作品として出回ったもののうち一部が贋作の可能性があると指摘された。警察は、Aギャラリーが贋作と疑われる「点より」「線より」シリーズなど10点余りを流通させたとみて、16日に同所を家宅捜索した。

 警察によると、Aギャラリーの女性経営者(58)は2012年から2年間にわたり、美術品の贋作を販売する業者から「李禹煥の作品」を買い入れ、共犯の鑑定士から鑑定書を取得して美術愛好家らに販売した疑いが持たれている。警察は、ソウル市内の別のギャラリーからこの女性経営者に50億ウォン(約5億3000万円)が送金された事実をつかみ、これが贋作の売買金かどうかを調べている。

 女性経営者は今のところ参考人として聴取を受けており、贋作疑惑を否定しているという。警察の関係者は「このギャラリーから購入した人々の絵画を押収してこそ、贋作かどうかを最終的に判断できる」と説明した。警察はまた、贋作と疑われる絵を描いたとみられる人物(67)が日本に出国したことをつかんでおり、国際刑事警察機構(ICPO)と連携して捜査に当たる方針だ。

イ・スンフン記者
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