国家情報院(国情院)は20日「北朝鮮が最近、大統領府と外交・安全保障関連省庁、国会のオンラインシステムに対するクラッキング(不正アクセスによる破壊・改ざん)を試みた」と発表した。大統領府と各省庁のオンラインシステムへのクラッキングには失敗したが、国会内の議員事務室のパソコンはクラッキングの被害に遭い、国政監査に関する資料が流出したことが分かった。
国情院はこの日行われた国会情報委員会の国政監査で、このような内容を報告した上で「関連省庁に対するクラッキング未遂があった事実を通告した」と発表した。クラッキングの対象は、大統領府と外交部、統一部、国防部(部は省に相当)などと、国会内の議員事務室のオンラインシステムだったという。クラッキングが行われた時期は今月初めだったという。
ある情報委員は「国情院が北朝鮮でクラッキングにより流出した資料を奪い返した際、国会議員事務室のパソコンがクラッキングされていた事実を把握した。その中には、先月末から今月初めに行われた各議員の国政監査の資料が含まれていた」と話した。議員3人と公設秘書11人のパソコンがクラッキングの被害に遭ったという。この日の国情院に対する国政監査で、ある情報委員は「クラッキングの被害に遭った国会議員の中に、情報委所属の議員はいるのか」と質問したが、国情院側は「現在のところ、情報委委員は被害の対象に含まれていない」と答弁したという。
また別の情報委員は「国情院はひとまず、海外で活動している北朝鮮のハッカー部隊の犯行とみている。海外で活動する北朝鮮のハッカーは約1100人、北朝鮮にいるハッカー部隊まで含めると、その規模は6800人ほどいるとの報告があった」と話した。
北朝鮮はこれまで、韓国のメディアや公共機関などを対象にたびたびクラッキングを繰り返してきた。昨年7月には、北朝鮮と推定されるサイバーテロ組織がソウルの地下鉄1-4号線を運営するソウル・メトロのサーバー2台をクラッキングし、また昨年8月には韓国鉄道公社(KORAIL)内部のオンラインシステムが北朝鮮とみられるハッカーによってクラッキングされた。
2013年3月には、KBS、MBC、YTNのテレビ局3社と新韓・済州銀行、農協のパソコンとオンラインシステムが一斉にダウンしたが、これも民間と政府、軍の合同対策班の調査の結果、北朝鮮の偵察総局の犯行だと推定されると発表した。