北朝鮮が、海外に派遣したIT(情報技術)要員を違法なオンライン賭博サイトなどに投入し、韓国の資金を北朝鮮に吸い上げていることが明らかになった。
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は20日、国会情報委員会による国政監査で「北朝鮮のハッキング組織や支援組織が、現在中国・マレーシアなど海外に派遣しているIT要員の規模は、およそ1100人の水準。これらの要員は昨年、1人当たり年平均2万ドル(現在のレートで約240万円、以下同じ)を稼いでおり、これは北朝鮮の一般的な海外労働者1人当たりの年間所得(3000ドル=約36万円)のおよそ7倍」と報告した。
中でも国情院は、北朝鮮の海外IT要員の代表的な外貨稼ぎ手段として「賭博サイト」を挙げた。北朝鮮が開発したあるスポーツ賭博サイトの場合、今年上半期だけで40億ウォン(約4億2000万円)規模の収益を上げたことを国情院では把握している。
また国情院は、韓国の有名オンラインゲームで取引されている「アイテム」類も、北朝鮮の外貨稼ぎの手段だと説明した。国情院によると、北朝鮮のIT要員は、直接ゲームをせずともコンピューターに組み込んでおけば自動でゲームを進めてアイテムを収拾する「オートプログラム」を作り、韓国国内で販売した。中国などで、こうした「オートプログラム」を大量に動かす作業場を運営し、アイテムを獲得した後、これを韓国国内のサイトで韓国人に現金で売るという手法を利用したという。
国情院側は「過去1年間の違法オンライン賭博、ゲームアイテム取引市場は、(世界的に見て)年間34兆ウォン(約3兆6000億円)規模だった。北朝鮮が違法な外貨稼ぎに積極的に介入した場合、巨額の現金が北朝鮮へ流出することが予想される」と説明した。