生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分です。
きょうは、身近になったハイレゾオーディオというテーマで、流行の兆しを見せている音楽の楽しみ方と応用の可能性についてお伝えします。
担当は三輪誠司解説委員です。
まずハイレゾ。
どういう意味なんでしょうか。
三輪⇒ハイレゾというのはハイレゾリューションの略です。
これは意味としては高解像度ということなんです。
高解像度というとデジタルカメラの性能などで聞いたことがありますけれども音楽に関しても使うんですか?音の解像度というとぴんとこない方もいらっしゃると思うんですが高解像度ということは端的に言いますと音がいいということなんです。
高音質だということですね。
実際に聴いてみるとそのよさが分かると思います。
今回ハイレゾで録音しました音楽を用意しました。
岩渕さん一度聴いてみてください。
このイヤホンで?はい。
再生してみますね。
♪〜
「Misery」
おお!目の前で演奏しているような感じですね。
テレビのデジタル放送ではハイレゾの品質の音は再生できませんので視聴者の方にはハイレゾの本当の実力はちょっと伝わりにくいと思うんですけれどもスタジオでも今かかっていますが申し訳ないんですが全然違いますね。
実際に聴いてみると驚く方が少なくないんですね。
CD、今までの音楽で満足していたんですけれどももっと上の世界があるんですね。
驚きました。
プレーヤーもびっくりしたんですが、これで聴くわけですか。
ハイレゾの本当の実力、能力というのを引き出すためには専用のプレーヤーが必要なんですね。
ハイレゾの音楽、楽曲のほうなんですが、今ほとんどがネット配信なんです。
ネット配信のハイレゾ専用のサイトがありますのでここで注文するとパソコンの中にダウンロード、データとして取り込まれます。
アルバム1枚当たり2500円ぐらいのCDと同じぐらいのものもありますし1曲あたり600円ぐらいという少し高いものもあります。
これをデータとして専用のハイレゾプレーヤーの中に入れるという、そして楽しむというようなスタイルになります。
専用のプレーヤーでないと先ほど私が聴いたような高音質にはならないんですね。
ハイレゾ特有の高音質は専用のものが必要になります。
こうしたハイレゾ対応の音響製品の売り上げが今伸びています。
都内にある家電量販店です。
ハイレゾ製品を集めたコーナーというのができています。
いろんなものがありますね。
以前は数十万円もする機械が必要だったんですけれども今は2万円代というものもありまして手が届きやすくなっています。
民間の調査会社によりますと量販店でのことし上半期のハイレゾ対応製品の販売金額は前の年の1.4倍ということになっています。
今オーディオ機器全体の売り上げが少し落ちています。
業界としては拡大に期待を寄せているということです。
ビジネスチャンスとして捉えているわけですね。
でも、どうしてあんなに音がきれいに聞こえるんでしょうか。
音楽の記録方法の違いということになります。
もともと音楽というのは上の図のように滑らかな波形をしています。
横軸が時間です。
これをデジタル化してCDに記録する際に左側の図のように時間で細かく切っていきまして値を取っていくんです。
こうすることによってデータ量を少なくすることができますので長い曲の演奏もCDに収めることができます。
一方、ハイレゾはCDの時間にして4倍の細かさということで細かく記録していきます。
するともともとの滑らかな波形に近いような形で記録、再生することができます。
これが解像度の違いということです。
しかしこうするとデータ量が多くなりますので同じ長さの曲は同じCDには入りません。
このためネット配信が中心になっているんです。
そういうことなんですね、CDがないということは。
どんなジャンルの曲でもハイレゾで聴くと音の違いが分かるんですか?好みとジャンルの違いがあると思います。
クラシック音楽やジャズにつきましては違いというのが聴き取れる方が多いようです。
この中でも高い音は柔らかく聞こえる、低い音は豊かに聞こえるという評価をよく聞きます。
確かに音に立体感がありました。
臨場感も感じるようになったという方も多いです。
こういう楽しみ方もあります。
♪〜
「青い珊瑚礁」
松田聖子さんの曲ですね。
懐かしの歌謡曲を、ハイレゾでもう一度味わいたいという楽しみ方もあります。
これもハイレゾ用に、わざわざレコーディングし直したものなんですか?もともとあった音源を使います。
というのはレコード用に収録した音源というのは先ほど紹介した滑らかな波形の音楽です。
これをデジタル化する際に特定の周波数の音をカットするなどして処理していたんです。
しかしもともとの音質でもう一度楽しみたいよねという中高年の音楽ファンもかなりいましてこのために音源をハイレゾ用に加工した形での歌謡曲もかなりあります。
昔の音源でそのままハイレゾにできるわけですね。
聴くと懐かしいだけでなく初めて聴くような新たな発見もあるかもしれませんね。
デジタル化した際に切り捨てていた音が今改めて見直されるというのも興味深いことだと思います。
はい。
今、こうした音の技術が人体に与える影響について研究が行われています。
特に注目されているのは人の鼓膜で聞き取ることができる周波数の2.5倍という高い周波数の音ということでハイレゾ技術を使えば記録再生することができるんですね。
耳で聞こえない音もハイレゾには入っているんですね。
研究の説明をしますね。
音楽を聴いたときの脳波を示した図です。
左側は人が聞き取れる範囲の周波数のみの音楽です。
右側が高周波音を含む音楽を聴いたものです。
違いを見ますと右側の頭の後ろの部分色が濃くなっていると思います。
脳がリラックスしたときに出るアルファ波といわれる脳波が増大しているということを示しています。
同じ研究室で脳の血流について調べました。
視床下部というところの活動が活性化していることが分かりました。
ここが活性化するということはどういうことなんですか。
自律神経や内分泌系をつかさどるところです。
体の中の環境を一定に保つ役割があります。
喜怒哀楽という感情がありますがこのうち心地よさ楽しさというポジティブな感情を生む神経回路の拠点となっています。
ここに作用しているということは自律神経やストレスなどからくる病気の改善に、効果があるのではないかと推測されています。
非常に興味深いですね。
研究が行われていますが実は耳に聞こえない音というのはどうして人が感じることができるのかというところとかどんな音を聴いても有害性はないのかということがありましてまだ分からないことがいくつかあります。
医療現場の実用という意味ではまだ多くの課題があると思います。
音には可能性ですとか、まだまだ不思議なところもたくさんあるわけですね。
音にはまだ分からないところもありますが人間の体には何か作用するんじゃないかということです。
今回のハイレゾブーム音楽に興味がない人が音楽に新たに興味を持つきっかけになったりしています。
本来の音楽の表現力に触れることになりますのでハイレゾブームについてはその点において歓迎すべきことだと思います。
あの音質だったら私もまた聴きたいと確かに思います。
三輪誠司解説委員でした。
次回は、土屋敏之解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
病室やご自宅で介護されている皆さん2015/10/20(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「身近になったハイレゾオーディオ」[字]
NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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