南シナ海:日越は米国支持、マレーシアはあいまい

 日本は第2次世界大戦で南シナ海とそこに散在する島の一部を一時的に支配したが敗戦した。その後70年近く南シナ海とは関係なく過ごしてきた。3年前に安倍晋三首相が就任すると状況は変わった。米日と東南アジアがチームを組み、中国をけん制する構図が出来上がった。

 安倍首相は2013年、東南アジア10カ国を歴訪し、「法の支配」を強調した。昨年5月にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」では、中国の人工島について、「力と威圧を用いるべきではない」と主張した。フィリピン、インドネシア、ベトナムには開発途上国援助の名目で巡視船も供与した。

 先月の安保法案成立により、今後は南シナ海で米中が衝突した場合、自衛隊が米軍の弾薬を補給したり、空中給油を行ったりできる。しかし、朝日新聞によれば、「いつか本当に自衛隊を送らなければならないのか」という問題をめぐっては、日本政府部内でも意見が分かれているという。

 南シナ海の南沙諸島について、ベトナムとフィリピンは歴史的に先に領有した点を、マレーシアとブルネイは大陸棚に関する条約を根拠に領有権を主張している。

 中国が軍事力で南シナ海の領有権を主張すると、当初東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は「団結すべきだ」として共同戦線を張った。昨年初めから中国が南シナ海への外国船舶の進入を規制するなど覇権を拡大すると、ASEAN各国は米日との軍事協力を強化し、積極的に中国を圧迫している。フィリピンは今年4月、米国、オーストラリアと1万人規模の大規模な合同軍事演習を実施したのに続き、日本とも初の合同軍事演習を行った。フィリピンのアキノ大統領は6月に日本を訪問し、「南シナ海の領有権主張を強める中国はナチスのようだ」と批判し、反中路線を明確にした。ベトナムはフィリピンと南シナ海問題で共同対応することで合意し、日本海軍(ママ)と演習を実施することを決めた。

 しかし、マレーシアの態度は各国と差がある。8月にマレーシアで開かれたASEAN地域フォーラム(ARF)でフィリピン、ベトナムなどが米国に対する全面的な支持を表明したのに対し、マレーシアは「平和的に解決しよう」という原則論を堅持した。外国メディアは、マレーシアが中国との経済交流拡大を望んでいるためだと伝えた。

東京= キム・スヘ特派員 , イ・スルビ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース