【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の軍事交流・協力が加速している。日本の防衛相が4年9カ月ぶりに韓国を訪問するなど、軍高官レベルの接触が活発になり、これまで冷え込んでいた韓日関係が軍事分野から改善を試みられる形になっている。
中谷元・防衛相は20日来韓し、ソウル市内の国防部庁舎で同部の韓民求(ハン・ミング)長官と会談する。
防衛相による訪韓は民主党政権だった2011年1月の北沢俊美防衛相以来となる。
韓長官と中谷氏は北朝鮮の核・ミサイルの脅威をはじめ、朝鮮半島安保情勢に関し意見を交換する予定だ。
中谷氏は先月成立した集団的自衛権の行使を可能とする安保関連法について詳しく説明するものとみられる。
これに対し、韓長官は韓国の同意や要請なしに自衛隊が韓国の領域に進入することはできないという立場をあらためて示すとされる。
1時間ほど予定されている会談で目に見える成果が出る可能性は高くないものの、中谷氏が訪韓し会談が行われることそのものに意味があるという評価も聞かれる。
19日には斉藤治和航空幕僚長も韓国を訪問し、この日開幕したソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会(ソウルADEX2015)の会場で鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)空軍参謀総長と会談する。
今月2日には原田憲治防衛政務官が訪韓し、ソウルの国防部庁舎で同部の白承周(ペク・スンジュ)次官と会談した。
◇部隊交流も協力への道険しい
また、軍部隊による交流も目立つ。同18日には韓国駆逐艦「大祚栄」(4500トン)が神奈川県沖の相模湾で実施された海上自衛隊観艦式に参加。韓国海軍が日本の観艦式に参加するのは2002年以来、13年ぶりとなった。
両国の軍事協力は活発化するが、本格的な協力関係に発展するためには課題も多い。
とりわけ、歴史認識問題が解決されない限り両国の軍事協力の実現は難しい。
中谷氏は韓長官に対し両国間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と物品役務相互提供協定(ACSA)の締結を求めるとみられるが、韓長官はこれに対する議論は時期尚早との立場を示すと予想される。
このため、来月1日にソウルで予定されている韓中日3カ国首脳会談を契機にした朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相の韓日首脳会談に関心が集まる。
韓日の最大の懸案である旧日本軍の慰安婦問題をはじめとする歴史問題をめぐり、首脳会談である程度成果が得られた場合、両国の軍事協力に一段と弾みがつく。
ただ、中国の抗日戦争勝利70年を記念した軍事パレードに韓国軍が代表団を派遣するなど、韓国と中国の軍事交流が目に見えて活発化している状況では、韓日の軍事協力に限界があるとの見方も出ている。