【社説】米側から3度の「ノー」、一人辞任させただけで済む問題なのか

 今回の朴大統領の訪米に随行した国防部の韓民求(ハン・ミング)長官は、現地で米国のカーター国防長官に直接4大技術の移転を求めたが拒絶され、これも国民をあぜんとさせた。米国政府は事前に「技術移転は不可」と念を押し、この問題を取り上げないよう韓国側に求めていたという。ところがどういうわけか韓長官は米国の要請を意に介さず再びこの問題を取り上げ、当然のことながら拒絶された。このように愚かなやりとりが行われていた事実も、結果的に国民の誰もが目にすることとなった。

 国産戦闘機開発事業はやってもやらなくてもよい選択の問題ではない。次世代の空軍戦力を確保するのはもちろん、航空や情報技術(IT)、素材など数十の産業分野全般に大きな影響を及ぼしてくるからだ。そのため当然簡単なことではなく、また巨額の費用も掛かる。失敗のリスクも当然あるだろう。これまで韓国の産業界は多くの偉大な成功を収めてきたが、それらと比べても今回のリスクは非常に大きい。このように大きな困難を伴う事業を成功させるために最も必要なことは、国民の信頼と後押しだ。つまり「たとえ困難が伴ってもやるべきこと」という国民の理解が絶対に必要なのだ。政府がこの問題で失った信頼と支持を取り戻すには、今回のように大掛かりな事業も必ず成功させるという強い意思と能力をあらためて国民に示さねばならない。大統領府の主席一人が辞任しただけで解決する問題ではない。

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