【コラム】「スポーツ成金」韓国人選手の賭博スキャンダル

 プロ野球界にとって10月は収穫の季節だ。1シーズン汗を流した結果を成果として評価される。プレーオフに出場したチームが主演となり、ファンの歓声を浴びて名勝負を生み出さなければならない。しかしこの秋、野球界には残念ながら別の主人公がいるようだ。グラウンドで熱くなるべきプロ野球が、今年は場外で、それも全く場違いな所で熱くなっている。

 最初の火の手は大邱で上がった。5年連続統合優勝を狙うサムスン・ライオンズの一部主力投手がマカオで数億ウォン(1億ウォン=約1000万円)も絡む賭博をしていたというニュースが、複数のメディアで報道された。A選手・B選手・C選手の実名がインターネット上に飛び交っているだけでなく、海外で活躍している選手たちの名前も取りざたされている。

 また、別の火の手は京畿道水原市を本拠地とするKTウィズで上がった。あるスター選手と交際女性のスマートフォンでのやり取りをキャプチャした画像がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて拡散しているのだ。そのやり取りの内容は別の野球選手と人気チアリーダーに関するもので、赤面するような描写となっている。その選手は球団を通じ発表した謝罪文で「交際女性とのプライベートなやり取りだった」と許しを請うた。しかし、いくらそうだとしてもSNS上のやり取りを「まったくなかったこと」と考える人はほとんどいないだろう。

 この二つの事件の主人公が、プロスポーツ選手でなかったとしたらどうだっただろうか。海外違法賭博事件はたびたび起こっている。今回の賭博事件の容疑者として名前が取りざたされている選手たちの場合、賭け金の金額そのものは他のケースに比べて少ない方だったという。「プライベートなやり取り」も当事者が赤面し、痴話ゲンカ程度で済む程度ものだった。だが、この二つの事件の影響力は、ほかの人物が犯したもっと重い犯罪よりも大きかった。彼らは人気を支えにすることで成り立つプロスポーツ選手だからだ。公の立場にあるからこそ、そのたった一つ言動で国民の一日が楽しくなることもあるし、不愉快になることもある。残念ながら、選手たち自身はこうした意識があまり強くないようだ。ある球団関係者は「これまで韓国プロ野球は目を見張る発展を成し遂げてきたが、肝心の選手たちの意識レベルは昔とあまり変わっていない」と言った。

スポーツ部=姜鎬哲(カン・ホチョル)次長
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