（女性）全然違います。
入れてみて…。
入れられたらわかりますわ。
細かいですよこれ。
これ自体が。
非常にいい製品なのでぜひつながっていければと思います。
売れそうな感じがしました。
使ってもらったあとにこのシャワーに惚れてもらって…。
今多くの業界から注目を集めるのがこのシャワーヘッド。
開発したのは岐阜県の山あいにある町工場です。
本業は水道の蛇口に使う金属部品製造ですが会社の命運をかけた起死回生の新製品として売り出すと今話題のマイクロナノバブルシャワーヘッドボリーナご体験ください。
熱血社長が今新製品で勝負をかけます。
念願の海外進出。
果たして受け入れられるのでしょうか？ナイストゥーミートユー。
ナイストゥーミートユー。
『日本のチカラ』今週は新型シャワーヘッドを開発した岐阜県山あいの町工場起死回生の物語です。
美濃の山あいの静かな町です。
道沿いにこんな看板を見つけました。
戦後すぐにある大手の水道蛇口メーカーがこの地に工場を建てた事から水栓バルブ産業が花開きました。
名古屋でやってみえてちょうど戦争で焼かれて…。
それからこちらに引っ越されてね。
それがもとで全部で１００軒近く。
まあ本当の家庭の人まで入れればね。
現在でもキッチンバストイレなど水回りの部品を扱う工場が数多く集まり全国でも珍しい水栓バルブ産業の集積地です。
町を横切る国道沿いにはいくつもの工場が立ち並んでいますが国道からさらに奥へ。
車が１台通るのがやっとの山道です。
登り切ったところに工場がありました。
それが社員は２０人。
創業から一貫して水栓バルブの部品を製造していましたが５年前この会社からあるヒット商品が生まれました。
あっいらっしゃいませ。
その立役者がこの方。
社長の田中さんです。
この…実は
（田中さん）私どもの一押しの商品ですね。
全部シリーズを含めたら３０万個ぐらいは販売させて頂いてます。
創業は５０年前。
父昭雄さんが自宅の空き地に小さな工場を建て中古の旋盤機一つで水道のネジを作り始めました。
二十歳で後を継いだ田中さんは仕事のやり方で父とよくぶつかっていたと言います。
それでも順調に受注を増やし工場も拡張。
社員も増えていきました。
３５歳で父に代わり社長となりました。
僕に代われと。
代わるよと…。
まあどっちかいうと無理無理僕がなっちゃったような…。
しかしいい事ばかりは続きませんでした。
社長になって間もなく大手の取引先が突然の廃業。
会社は窮地に立たされました。
取引先に左右されない自社製品を開発したい。
水道部品製造で培った節水の技術を生かす身近な製品を。
そこで起死回生のシャワーヘッドを試行錯誤の末完成させました。
そんな社長に社員は…。
自らのバイタリティーとそういった思い切って任せてくれる部分は非常にありがたいというところですね。
まあ元気がいい勢いのある社長ですね。
ついていきます。
これが開発したシャワーヘッドです。
注目すべきは節水機能です。
同じ水圧にして従来品と比べました。
（田中さん）これが一般的なシャワーヘッドでしたら今１８リッターって感じで出てますよね。
それではこのシャワーヘッドでは…？
（田中さん）実際７．８リッター。
水に空気を混ぜ水の量を半減。
年間で水道料金がおよそ２万円軽減出来るそうです。
そうですね。
水道料金も下げますし光熱費も下げますんでＣＯ２の削減にもなる…。
田中さん最大の自慢がマイクロナノバブルという新機能。
超微粒な泡を発生させる装置を組み込み泡が毛穴やシワの奥まで届くようにしました。
これで特許も取りました。
０．０００１…１ミリの１万分の１ですから毛穴より細い細かい泡が毛穴に作用して保湿作用を生んだりとか…。
あと洗浄作用もある。
この商品を引っさげ社長自ら各地の展示会に出展。
やがてヒットへと結びつきました。
この成功は不景気風が吹いていた水栓バルブの町に希望をもたらしました。
シャワーヘッドの１５余りの部品を近隣の５社が協力工場となり生産組み立て検品まで受け持ってくれました。
地元に新たな仕事が増え町に元気も出てきました。
そういった面では独自性のある商品を開発される人が増えたっていう事で美山としての活気は前よりはあるんじゃないかなと。
そして２０１５年７月さらなる新製品が誕生しました。
マイクロナノバブル効果と節水機能に加えメタリックな素材で高級感を全面に打ち出した新型シャワーヘッドです。
こちらは手元に水ストッパーを付け利便性を高め高級感を出すために化粧箱に入れました。
（田中さん）こちらやはり美容作用の強いシャワーですのでちょっと自分を磨きたい方に使ってもらいたい…。
名神高速を西に向かう田中社長。
新製品を発表すると同時に大量注文が入りました。
（田中さん）５年前からずっとトライしてまして…。
やっと新型が出てね。
出た瞬間に欲しいって言われましてね。
長かったですけどよかったですやっておいてね一生懸命。
着いた先は京都。
納品先は市内でも有数の高級ホテルです。
納品数２２０本。
このシャワーヘッドが全ての部屋に取り付けられる事になりました。
どうですか？手で…。
宿泊客へのもてなしをグレードアップしたい。
そこで広くて快適と評判の浴室にもさらなるサービスをと田中さんのところに白羽の矢が立ったのです。
（田中さん）ご無沙汰しております。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
（篠さん）お世話になります。
（田中さん）今回ありがとうございます。
いえとんでもない。
ありがとうございます。
シャワーヘッドの導入はこの篠社長の肝煎りのプロジェクトでした。
今回ですねこのようなものが出来て実際に当ててみましたけども使用感は非常によくてですね…。
いいものに仕上がってるというふうに実感しましたので。
長く長くお待たせしました。
（篠さん）いえいえ。
導入した製品にはホテルのロゴまで入れました。
（篠さん）色んなメーカーの…１０社ぐらいですかね。
色々サンプルを頂いてですね試したところ田中金属さんのがいいなとこういうふうに直感したんですね。
新型シャワーヘッド幸先のいいスタートを切る事が出来ました。
ここに入れさせてもらうというのは…。
誇りだよな水野くんな。
もう大変安心しました。
無事…。
長くやってたんで…。
そしてその１カ月後。
新型シャワーヘッド格好のお披露目ステージの幕が開きました。
大手販売店の年に１回の売り出しで店頭販売を行うのです。
今回ちょうどですねわざわざ来てくださってですねうちも本当に助かってますし…。
私も使わせて頂きましてもうすぐわかりました。
もう…あれっ？違うっていうのがすぐわかりました。
社長自ら色んな東急ハンズへ行ってやりますから現場をよく知っててお客さんをよく知ってるんですよ。
果たしてお客さんの反応は？気持ちよい。
これでね５０パーセントも節水してるんです。
これで？そう。
腕時計を使ってマイクロナノバブルのテスト。
水に１分間入れておくと汚れがご覧のとおり。
（田中さん）出てきましたね。
（男性）うわあすごい。
（田中さん）結構いってますね。
お母さんこれ。
（女性）うわあやだ。
すぐさま購入を決めました。
（溝口さん）すぐわかる！私体験してるよ。
（溝口さん）ああそうですか。
時計の汚れビックリしました。
体ピカピカになるわね。
はい。
ありがとうございました。
まずまずの成果を上げる事が出来ました。
ひと山越えて軽い打ち上げ。
すると三島さんのスマートフォンにメッセージが届きました。
（三島さん）そうですね。
同じ時期名古屋や渋谷など他の店で店頭販売をする社員から売上好調の嬉しい報告が。
（三島さん）そうですね。
ハハハ…。
久々に家族そろっての休日。
田中さんの父は会社の創業者。
しかし２人そろうとなぜか目を合わそうとしません。
時代が違う。
黙っちょれっていうような状態やで。
黙っちょれというようなふうではとても…。
なあ昔の事を言ってみたって始まらへんし。
田中家の長男として大きな期待を背負って生まれた田中さん。
しかしその頃から父の反対を押し切ってどんどん事業を広げる方向に進みました。
そういうのを父昭雄さんが重い口を開きました。
自分にも。
そんで車の中におった。
そしたら仕事やってみえる人が「何やっとる？」というような事言われて…。
そういう時があったのよ。
本当に…。
ありがたいと思いますよ。
ありがたいとは思うけどね…。
なかなか口には出せないっていうかね。
会社では新たなプロジェクトのための会議が開かれました。
もうどっちかいうと世界に発信したいなという僕の夢があるんね。
そのためにはやはり今この２０１５年の状態で少しでも海外に布石を打っておきたい。
（三島さん）って事は次なる新型シャワーヘッドのターゲットは海外。
手始めは中国です。
すぐに行動を起こした田中さん。
この日同じ岐阜県出身で同年代パティシエの柴田武さんに会いにいきました。
名古屋を中心に４店舗。
人気のケーキショップシェ・シバタを経営しています。
８年前から中国上海や香港にも店を出し成功しています。
やはり中国のほうとかね海外にも行ってみえる方ですから。
僕らがわからない部分とか逆に指導して頂ければね。
うまくいけば中国ナンバーワンのホテルグループの社長がうちのパートナーと仲いいんで。
それやるとホテル全部いきますけどね。
あっと驚くような柴田さんの申し出。
うまくいけばそれがやっぱりね色々と…。
僕毎月行ってるんで。
ご一緒させて頂く事も増えればいいかなと思いますけどね。
その足で田中さんはあるところへ出かけました。
こんにちは。
去年からジム通いを始め体重を１０キロ近く落としました。
う〜っ！
（青山さん）そういいね。
僕のなんかのような
（青山さん）はい５。
（田中さん）う〜っ！この日国内外４００社近い美容メーカーが集うイベントに出展する事に。
美容のプロの厳しい目に新型シャワーヘッドがどう映るのか？これも勝負です。
（女性）こっちのほうが水圧があるような気がします。
（田中さん）広がりがあるから全体当たるからね。
皆さん十分使って頂いてます。
去年から見てて気にはなってたんですけど…。
今回はちょっと…上手なので買ってみようかなと思います。
マイクロナノバブル効果はプロにとっても驚きのようです。
全然違います。
入れてみて…。
入れられたらわかりますわ。
細かいですよこれ。
これ自体が。
お肌があれだけきれいになればお客様もそういうふうになりたいと思って来て頂けると思うので…。
導入をお話しさせてもらってちょっと考えてるんですけど。
この日は営業社員総動員。
誰もが確かな手応えを感じていました。
スポーツクラブさんとかもありましたし…。
これからの自分たちの仕事につながっていくかと思います。
特に異業種の思わぬいい反応に海外での販売に自信を深める事が出来ました。
非常にいい製品なのでぜひつながっていければと思います。
色んなところに流通出来たらなって思ってお話しさせてもらいました。
売れそうな感じがしました。
これから新しいものがどこまでね皆様に受け入れられるかというのは考えてたんですけど…。
意外とやっぱり一般大衆的なシャワーからちょっと豪華なシャワーヘッドというふうにね受けているみたいですね。
中国最大の経済都市上海。
田中さんは常務の三島さんとともに上海のある場所に向かいました。
それがパティシエ柴田さんの経営するシェ・シバタ上海店です。
日本ブランドの高級ケーキショップとしてすっかり人気も定着しています。
（柴田さん）ああどうも。
（田中さん）ご無沙汰してます。
月に１回は上海に来ているという柴田さん。
田中さんを待っていてくれました。
明日うちのパートナーを紹介します。
（田中さん）よろしくお願いします。
まあアメリカあとはドイツとか海外…外国と貿易をやってる会社なんで…。
柴田さんは上海の大手商社にすでにアポイントを取り付けてくれていました。
そこで新型シャワーヘッドの実演をする事になりました。
田中さんはあと１軒上海でどうしても行きたいところがありました。
日本のスーパー銭湯が２年前に出店し上海で大成功しています。
実は田中さんの新型シャワーヘッドをいち早くこの店に取り付けたというのです。
（田中さん）ありがとうございます。
ありがとうございます。
（田中さん）３０００人ですか！？
（小林さん）そういったお客様によく髪の毛のシャンプーが流れるよっていうのでお褒めの言葉頂戴して…頂いております。
中国でも受け入れられている事を知り田中さんは自信を深めました。
上海２日目。
いよいよプレゼンテーションの日。
柴田さんに案内されたのは中国全土にネットワークを持つ社員２０００人の総合商社です。
みんな待ってますので。
（田中さん）ありがとうございます。
会議室には商品開発担当者がずらり。
社長まで来ています。
（田中さん）ナイストゥーミートユー。
（田中さん）お話ししたように肌の温度を上げるとか…。
これだけ大きさが違いますので…。
シャワーヘッドの用意出来ましたのでこれから皆様に体験してもらいます。
（田中さん）２３４…。
（男性）あっ！
（田中さん）オッケー？
（通訳の中国語）ハッハッハッ…。
はいいいですか？もう少しぐっと…。
非常にいいと…。
ありがとうございます。
早速販売プロジェクトを進めていく事になりました。
そしてその夜。
どうしても結果をすぐに日本から出た時点で求めたがるのが日本人なんですが…。
きちんとまず土台をしっかり作っていくっていうところがすごく大切だと思います。
頑張りましょう。
ありがとうございます。
念願の中国進出が現実となってきました。
そして再び東京。
田中金属の開発したマイクロナノバブルという超微粒な泡。
こうした技術様々な分野で活用されています。
があるという事もいわれてます。
日本の基幹産業になるんじゃないかなといわれてる技術であります。
これから海外がですね日本の技術を目指して一緒にやっていこうというような事になってますので…。
田中金属さんがやられてるという事で我々も無限の可能性に田中さんの夢は膨らみます。
田中さんはある決断をしました。
工場のある山県市の隣で岐阜県の玄関口岐阜市に新たな営業拠点を購入。
窓の外の岐阜城を見ながら夢を語ります。
（田中さん）シャワーだけで終わるっていうつもりはないんでね。
日本発信の技術である事をね…。
そのトップリーダーとは言いませんけど新しい分野にトライしていけたらなというふうには考えています。
現在大学などの研究機関とともに医療分野への進出も考えている田中さん。
生まれ故郷である岐阜を新しい産業の中心地に出来れば。
夢の実現のために走り続ける熱血社長。
美濃の山あいから世界へ。
水栓バルブ発祥の町が新たな一歩を踏み出します。
『日本のチカラ』次回は千葉県いすみ市。
イセエビ漁で港を復活させた男たちの物語です。
2015/10/18(日) 06:00〜06:30
ＡＢＣテレビ１
日本のチカラ[字]
岐阜県の山あいにある小さな工場…ここから、大人気のシャワーヘッドが誕生しました。節水はもちろん、抜群の使い心地！その背景には父と子の確執や熱き想いがありました。
詳細情報
◇番組内容
岐阜県山県市の山あいにある、水道の金属部品を加工する町工場。５年前取引先の廃業などで会社存亡の危機を迎えたものの、起死回生の製品としてシャワーヘッドを開発。「節水能力と超微粒な泡で肌を洗浄する」という日本の高い技術を駆使した製品は、徐々に人気に火がつきヒット商品に。社長は全国各地へプロモーション活動を展開、やがて巨大な市場を求めて中国上海へ。果たして世界で通用するのでしょうか！？
◇番組内容２
いい商品が産まれた背景には、さまざまな親子の確執もありました。猪突猛進で事業拡大を進める社長と、昔気質の父…今や大人気のシャワーヘッドが誕生するまでには、隠された物語があったのです。また、超微粒の泡を作る技術は、シャワーだけでなく、様々な産業から大きな期待が寄せられています。
◇番組内容３
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
鈴木しおり（メ〜テレ アナウンサー）
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画：民間放送教育協会
制作著作：メ〜テレ
協力：文部科学省／中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組ＨＰ
http://www.minkyo.or.jp/
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – ドキュメンタリー全般
趣味／教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:40480(0x9E20)