土曜プレミアム・一千兆円の身代金 2015.10.17


(片岡)
この国では財政赤字や年金問題少子高齢化から派生した世代間格差が大きな問題となっている
しかし政府はこの問題を解決する具体的対策を明確に打ち出せていない
そんな中1人の青年が怒りの矛先を国家に向けた
(真由)キャ〜!・
(由美)もしもし?真由どうしたの?・
(ナオト)篠田由美さんですね?えっ?大変恐縮ですがあなたの娘の真由さんを誘拐させていただきました。
何を…おっしゃってるんですか?・安心してください。
要求がのまれれば娘さんのご無事は約束いたします。
詳細はマスコミにメールで送りますのでこちらに電話することはもう二度とありません。
われわれの名は革命係。

(記者)デスク!問い合わせ窓口に犯行声明文が!
(一同)えっ?「報道機関各位」「マスコミの皆さんから警察へお伝えください」「我々の名は革命係」「本日元麻布小学校五年生の篠田真由さんを誘拐し保護しています」
(藤井)マスコミ各社に誘拐事件の犯行声明が届いた。
誘拐された可能性があるのは港区元麻布小学校5年生篠田真由。
この子は国武元副総理の孫だ。
(捜査員たち)えっ?
(藤井)片岡当面はお前が現場の指揮を執れ。
(片岡)はい。
(宮坂)まずは被害者宅に向かってくれ。
電話がつながらないらしい。
(片岡)分かりました。
(宮坂)他の者はマスコミ各社に報道規制を徹底させろ。
それから父親の勤務先に連絡を取れ。
(捜査員たち)はい。
(片岡)一課長それで犯人の要求は?
(藤井)身代金1,085兆円だとよ!
(ざわめき)「真由さんは元副総理であり現役衆議院議員の国武義和の孫にあたります」「そう政治資金規正法違反に問われながら不可解な経緯で不起訴になったあの国武義和です」「人質の安全は保証いたします」「逃走不可能な範囲において最大限の自由を尊重し食事ももちろん与えます」「自由を尊重」縛ったり危害を加えたりはしないってことですかね?だろうな。
「我々の要求が満たされない場合命の保証はいたしません」「我々の要求とは」「身代金1085兆円」「一週間後の9月16日水曜日午前9時までに風の森公園モニュメント下にご用意ください」「1085兆円およそ一千兆円」「その意味はお分かりのはずです」
(敦子)片岡さん。
(篠田)警察の方ですか?真由の父の篠田雄一です。
警視庁特殊班の片岡です。
同じく今村です。
さっきから自宅と家内の携帯に連絡してるんですがつながらなくて…。
念のためわれわれが先に入らしていただきます。
はい。

(敦子)片岡さん!
(篠田)由美!救急車呼びますか?いや必要ありません。
私は医者ですから。
貧血です。
もともと体質がそうで。
由美由美。
大丈夫か?
(由美)はい。
(片岡)ではその電話についてですがお嬢さんに関係するものですか?
(由美)はい。
誘拐…真由をしたって真由の携帯からかかってきて真由かと思って出たらそう言われて。
(片岡)男の声でしたか?女の声でしたか?男の人でした。
30代くらいかしら。
名前を名乗りましたか?あっ革命が何とか…。
革命係ですね。
で他には何て?ここには二度と電話はかけないと。
(小田切)もうここにはかけないと言ったんですよね?
(片岡)ああ。
だが念のため待機しておいてくれ。
国武の孫だから狙われたのか!
(篠田の舌打ち)すいません。
あの今日真由ちゃん塾を無断欠席されてるようで。
何か聞いていませんか?いえ。
あっでは放課後によく遊ぶお友達とかは?お友達…。
ずっと家にいて友達も把握してないのか?そんなだからお前には何も任せられないんだ!でもあの子何も話さないし。
(舌打ち)
(ドアの開閉音)
(由美)お父さま。
(国武)由美お前は何をやっていたんだ?それでも政治家の娘か!すみません。
(国武)矢面に立つのは君たちじゃない。
私なんだぞ!申し訳ありません。
あの今はお二人を責めるよりも…。
何だ?君は。
(敦子)警視庁特殊班の…。
(国武)責任者は誰だ?
(片岡)私です。
(国武)確か以前…。
(片岡)はい。
警護に当たらせていただいておりました。
ご無沙汰しております。
フッ…ノンキャリの刑事が責任者ですか。
いや失礼。
とにかく警視庁警察庁公安一丸となって事件解決に臨んでもらいたい。
(一同)はい。
もっとこっち。
そこ。
(ナオト)こっち見ろ。
(シャッター音)
(片岡)身代金の意味考えたか?
(敦子)1,085兆円…およそ1,000兆円なんてリアリティーに欠けてますよね。
昨年度末時点での日本の財政赤字の額だ。
(敦子)えっ?1,000兆円なんて用意できないってことは犯人も重々分かってるはずだ。
(敦子)じゃあ…。
(片岡)政治的思考と無縁ではなさそうだな。
しかも「革命係」と名乗ってる。
この事件公安が乗り出してくるぞ。
ですよね。
俺たちは人質の命優先だ。
(敦子)はい。

(神崎)ご承知のとおり国武元副総理には長女の由美さんの他跡を継いで代議士となった長男和幸氏がいます。
こちらにも2人の小さな息子さんがおりまして…。
(藤井)じゃあ犯人はそっちじゃなくわざわざ由美さんの娘の方を狙ったってことか。
(神崎)代議士の側では警備が厳しいと踏んだのかもしれません。
篠田家の家庭状況について報告を。
片岡さん。
(片岡)国武元副総理の長女由美さんは医師である篠田雄一氏と12年前に結婚。
今回誘拐された真由ちゃんはその一人娘です。
真由ちゃんは週に3回麻布台駅前の進学塾に通っており本日も塾の日でしたが無断欠席しています。
犯行は小学校から塾へ行くまでの間に行われたと推定されます。
目撃情報は?
(神崎)初動の聞き込み段階で目撃情報はゼロです。
駅前の監視カメラを調べても手掛かりは得られませんでした。
だけど10歳の子を誰にも見られずに誘拐するなんてのは可能なのかね?どうしました?犯人は何でわざわざ母親に電話したんだ?そうですよね。
要求はマスコミに伝えたのに。

(ドアの開く音)・
(刑事)失礼します。
マスコミ各社に2通目のメールが届きました。
(刑事)こちらが添付されていた画像です。
手に持ってるのは今日の夕刊です。
(宮坂)犯人からの2通目のメールだ。
読み上げる。
「我々革命係は日本政府に対し二つの選択肢を用意しました」「選択肢1」「先般要求しました1085兆円を支払うこと」「この金額は昨年度末の我が国の財政赤字額です」「受け取った暁には我々なりに赤字減額に役立てるつもりです」
(捜査員)すごい額だ。
(捜査員)用意できるわけねえだろ。
やはり政治犯か。
「選択肢2」「財政危機を招いた責任を謙虚に反省し国民に対して公式謝罪と具体的な再建案の提示を行うこと」「明日の午前9時までにどちらを選択するかテレビカメラを通して発表して下さい」「総理大臣もしくは国武元副総理からの返答を希望します」以上だ。
(藤井)12時間以内に回答しろってか。
一課長公開捜査に切り替えますか?官邸の出方を待つしかないだろ。
(片岡)なぜ国武にこだわる。
食え。
ぜいたくに暮らしてきたお嬢さまはこんな物食えないか?食わなかったら死ぬぞ。
お前に死なれたら困るんだよ。
ちゃんと食え。
(小倉)このオットセイ駆け落ち?
(菊川)どうなんでしょうね。
でも仲いいですよね。
(小倉)うん。
これ騒ぎになるんだよまた。
(古市)何か牧歌的なニュースですよね。
(菊川)はい癒やされます。
(小倉)え〜ただ今入った情報なんですが間もなく警視庁から緊急記者会見が行われるという情報が入りました。
(藤井)え〜昨日午後都内の私立元麻布小学校に通う児童篠田真由さんが下校途中で何者かに誘拐されました。
犯人は総理か国武を指名してたはずですが。
会見を丸投げしたってわけだ。
(記者)犯人からコンタクトがあったとのことですが?はい。
捜査に支障を来すため詳細は申し上げられませんが犯行声明から推測するに犯人は社会に対し強い不満を持った30代の男性。
インターネットの知識を持ち複数犯の可能性もあります。
もう少し具体的な情報をお願いします。
(宮坂)詳細については差し控えさせていただきます。
犯行声明は公開できないということですか?身代金の要求があったんじゃないんですか!?お答えできません。
(記者)どうしてですか?犯人に告ぐ。
今ならまだ間に合う。
速やかに人質を解放しなさい。
われわれも政府も君たちの声に耳を傾け対話をする用意がある。
以上。
(記者)なぜ犯行声明を公開しないんですか?
(記者)身代金の要求は?
(記者)お答えください。
(記者)理由を教えてください。
(ざわめき)じゃこっちから仕掛けますか。
(男性)えっヤバくね?何それ。
(女性)1,000兆円?
(宮坂)犯行声明文がインターネット上に流出した?流出?掲示板サイトにアップされSNSなどで拡散されています。
マスコミが漏らしたのか?いやさすがにそれはリスクが高過ぎる。
会見を見た犯人が漏らしたとみるのが妥当でしょう。
あくまで派手にやりたいってわけか。

(ドアの開く音)
(刑事)たった今もう1通メールが届いたそうです。
モニターに映します。
「政府お得意の先延ばしはこれを最後にしてください」「9月16日の期限までに対応を決めること」「守れないなら人質の命は保証しません」メールの送信者はたどれないのか?海外のサーバーを複数経由してるようで…。
犯人はインターネットについての専門知識を持ち合わせてるだろうとのことです。
(宮坂)分かりました。
内閣総理大臣からの訓示を頂戴したそうだ。
「わが国はいかなるテロにも屈しない」「国の威信に懸けて無事に真由さんを救出し期限までに犯人を逮捕せよ」
(スタッフ)号外だ〜号外!身代金事件の号外!誘拐事件の号外だ!はい号外。
はいは〜い。
はい。
はい号外。
誘拐は良くないですけど正直政府の見解は聞いてみたいですね。
どう見ても身代金目的じゃなくないですか?えっだって1,000兆円なんて絶対無理だし。
財政再建に取り組めば人質の子は解放されるんっすよね?えっ何でやらないんすか?いやおかしくないっすか?街の声をお聞きいただきましたが山下さんこの犯人からの脅迫メールどうご覧になりますか?
(山下)国武氏は大臣の時代公共事業をばらまく典型的な利益誘導型の政治家でした。
その付けが現在の財政問題の一因であることは疑いようのない事実です。
つまり犯人の指摘はあながち間違ってはいない。
(記者)犯人の目的は身代金じゃなく国武元副総理なのでは?捜査は警察に委ねております。
私からいいかげんなこと言うわけにはいかんでしょう。
失礼する。
やっと始まったよ。

(哲平)「身代金1085兆円」
(哲平)これって…。
アルバムですか?
(敦子)おつらい中すみません。
何か手掛かりになればと。
ちょっとお待ちください。
(由美)あっごめんなさい。
ちゃんと整理してなくて。
あっいえ。
ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
(由美)あの寝室にあるかもしれないのでちょっと見てきます。
あっすいません。

(物音)
(敦子)由美さん。
由美さん由美さん!
(篠田)失礼。
ちょっと心配なので私の大学病院へ運びます。
私が車を出します。
(小田切)今村!表にはマスコミが大勢いる!マスクあんのか?あっ大丈夫ですか?
(記者)出てきたぞ!
(記者)何かあったのですか?
(記者)捜査に進展はないんですか?奥さまは大丈夫ですか?
(記者)大丈夫ですか?
(記者)犯人から新たな要求があったんですか?
(記者)国武元副総理は何をしてるんですか?
(クラクション)
(敦子)どいてください!どいてください。
危ない…。
(記者)どちらに行かれるんですか?
(敦子)危ないんでどいてください。
(記者)奥さま大丈夫ですか?
(敦子)そっちもどいてください。
(記者)どちらに行かれるんですか?危ないんでどいてください。
(記者)奥さま大丈夫ですか?
(敦子)そっちもどいてください。
危ないんでどい…。
ずいぶんどじな刑事がいるんだな。
とんでもないことをしてくれたもんだな!何でマスクを着けずに外に出たんだよ!
(敦子)いっ急いでて…。
特殊班がメディアに顔をさらすのは最大のタブーだって分かってんだろ!
(宮坂)即異動が暗黙のルールだ!私の指導不足です。
公安がここぞとばかりに捜査の指揮権を渡せと言ってる。
片岡班にはおとなしくしてもらわなきゃな。
ちょっと待ってください。
これ私のミスです。
班員には関係ありま…。
(宮坂)そんな小さい首1つで済む問題じゃないんだよ!
(藤井)片岡班はこの捜査本部への出入りは禁止だ。
粛々と被害者宅と病院のマークを続けろ。
以上。
ちょっと待ってください。
(片岡)行くぞ。
でも…。
(片岡)いいから行くぞ!
(神崎)おい美人過ぎる刑事さんに電話だぞ。
(敦子)ちょっとやめてください。
(神崎)情報提供だとさ。
「彼女じゃないと話したくない」って言ってますよ。
はい。
えっ?ありがとうございます。
何か?
(哲平)美人っすね〜。
まあ「過ぎる」は言い過ぎかな。
問題のブログというのは?合コンとか行くんすか?刑事はあなたが思ってるほど暇じゃないんです。
こいつは気が強い上に柔道空手の有段者だから。
上司の俺でも手が付けられないときがある。
問題のブログのタイトルは?『嘆願ブログ』です。
嘆願ってあの嘆願書の嘆願?そうっすね。
つい最近削除されたみたいですけど。
削除?
(哲平)あっ一応スクショ撮ってたんですけど見ます?お願い。
見せて。
(片岡)スッスッ…スクショ?ページをコピーして取ってあったんです。
お手柄じゃないか。
(哲平)結構人気のブログだったんですよ。
例の脅迫文ニュースで見て似てるな〜と思って確認しようと思ったらもうページなくなってて。
似てるっていうのはどの辺りが?まあ世代間格差の話とか国武に対する恨みとか。
確かに似てますね。
このブログの書き手について何か知ってることは?「ナオト」って書いてありますけど結局本名は教えてくれなかったんですよね。
(片岡)んっ?待ってくれ。
実際に会ったのか?ええ。
結構好青年風でしたよ。
30代半ばくらいかな?ずっとスルーされたんですけど会って話したいって何度もコメントしたらオフ会しようって流れになって。
詳しく教えて。
どんな話をしたの?
(哲平)ええ。
まあ取りあえず2人じゃ何だからってことで同じようにコメントしてた女性と3人で会ったんですよね。
(哲平)《マジで俺ナオトさんの言うとおりだと思いますよ》《日本の年金制度を設計したやつって犯罪者ですよね?》《あれ将来的に破綻すんの目に見えてたはずじゃないですか》《自分たちの世代が良けりゃいいのかって話ですよ!》
(遥)《ちょっと哲平君飲み過ぎ》《哲平君みたいな優秀な学生がいるならこの国も捨てたもんじゃないな》
(哲平)《ちょっと真面目に聞いてくださいよ》《俺はナオトさんと建設的な議論がしたいんですよ》《絡まないの》
(哲平)《もう何なんすか?》
(哲平)でも何か不完全燃焼っていうか…。
何が?
(哲平)その女性は全然薄っぺらいし肝心のナオトさんも黙ってうなずいてるだけで全然議論に乗ってこないっていうか…。
何か俺だけ空回りしてるみたいになって。
何かそのナオトという男のことで印象に残ってることはないか?あ〜そういや1回だけあの人が熱くなったときがあって。
(遥)《ナオトさん出身はどちらなんですか?》《ちょっと合コンみたいな質問やめてくれます?》《いいじゃない別に》《せっかく出会ったんだし》《北海道の十勝って分かるか?》《分かります》《十勝っていったら土建王国ですよね》《大物政治家が力で予算をもぎ取ってたから公共事業の予算が突出していた》
(遥)《またそんな話?》《俺の…俺の友達の親父さんも公共事業の恩恵を受けてて…》
(哲平)《あっ建設業者だったんですか?》《てことは構造改革のあおり受けた口っすか?》《大幅に予算が削られて産業自体が一気に傾いた》《友達の所も対処しきれなくてある日の夕方お父さんが首をつって自殺していたらしい》《今でも思うよ》《自分に何かしてやれることはなかったのかって》
(哲平)あれは嘘じゃなかったと思うんで。
ナオトさんは北海道の十勝出身ですよ。
これ結構な手掛かりじゃないですか?まだ犯人と決まったわけじゃない。
ブログの文章が似ていたというだけだ。
まっそうですけど…。
(片岡)どうもありがとう。
もしかしたらまた話を聞くことになるかもしれないけどそのときはまた頼むよ。
ブログの画像だけ彼女に送ってやってくれ。
(哲平)あっあの…。
こういうのって捜査協力費とかもらえるって聞いたんですけど…。
(哲平)あざ〜っす。
(車のドアの開閉音)どう思う?ブログにも国武への言及もありましたし何よりつい最近ブログを削除している。
確かに偶然とは言いにくいですよね。
だがだとしたらなぜナオトはオフ会なんかに参加したんだ?その時点ではまだ犯行計画を描いていなかったとか。
それか…。
何だ?さみしかったとか。
(国武)本当にお前は役立たずだな。
そもそも俺があてがった議員との結婚を断って医者なんかと結婚した上に女しか産めないなんて。
(由美)でも真由はお勉強もよくできますし…。
(国武)できたって女なんか何の役にも立たん。
(由美)まだ政治家を続けるんですか?
(国武)当たり前だろう。
こんなうまみのある商売辞められるか。

(片岡)このブログの文章何かにおいませんか?お前さもうここには来んな。
ここだけの話今本ボシじゃねえかって男が浮上してんだよ。
本ボシ?早坂っていう真由ちゃんの小学校の担任教師だ。
政治活動で問題を起こした前歴があって左寄りの思想を持ってる。
授業中児童たちに財政破綻についての特別授業をしたこともあったそうだ。
特別授業?
(藤井)うん。
今現場の者が徹底的に洗いだしてるからじきに結論が出るだろ。
じゃこいつは?部長はネットの情報を嫌うからな。
まっ調べてもいいよ。
ただしやるなら確実な証拠をつかんでこい。
(片岡)はい。
(神崎)おい部外者がなぜここにいる?他に何かないですか?特徴とか。
ホントにこれ以上覚えてないんです。
仕事あるんでもう戻っていいですか?あっすいません。
小田切どうだ?動きはあるか?
(小田切)あるわけないでしょ。
分かってるでしょ?
(片岡)まあそう腐るなって。
ところでお前さん確か北海道出身だったよな?ええそうです。
十勝で生まれ育った知恵の働く男はどこの高校に行くもんかね?そりゃあ帯広の柏高西高ですね。
その高校の卒業アルバム北海道警に頼んで取り寄せてくれ。
着替えだ。
ずっと制服のままじゃ窮屈だろ。
着替えろまだまだ続くんだから。
甘口にしといてやった。
何度も言わせんな。
長期戦になるんだ。
飯くらい作ってやる。
いただきます。
面白いもん見してやるよ。
(国武)そもそも俺があてがった議員との結婚を断って医者なんかと結婚した上に女しか産めないなんて。
(由美)でも真由はお勉強もよくできますし…。
(国武)できたって女なんか何の役にも立たん。
(由美)まだ政治家を続けるんですか?
(国武)当たり前だろう。
こんなうまみのある商売辞められるか。
この動画をネット上に流出させたのが誘拐犯かどうかは定かではありませんが国武氏の問題発言に世間は大きく反応…。
それ食ったら勉強でもしろ。
(哲平)国武ヤバくないですか?私利私欲にまみれた政治屋ですよね。
(敦子)それよりこれよ。
何度も悪いね。
協力費今回も払うから。
この中からナオトさんに似た顔探すんですか?
(哲平)この人だと思います。
(敦子)間違いない?年は取ってますけど全然雰囲気変わってないです。
いや間違いないと思います。
本部に伝えますか?落ち着け。
ブログを書いた男を特定した。
それだけじゃ本部は動かん。
じゃあ…。
(片岡)足で稼ぐしかないだろ。
柏高1998年卒業の3年E組名前は伊藤直哉。
こいつの経歴と現在の居場所を北海道警に探ってもらってくれ。
(篠田)犯人ですか?
(敦子)まだ何とも言えない段階です。
現在は30代半ばになっていますが見覚えは?
(由美)分からないです。
「ナオト」と呼ばれてるそうですが聞き覚えとかは?お前は何にも分からないじゃないか!他に何か思い出したことはありますか?どんなささいなことでも構いません。
(由美)いえあの…。
何だ?言いなさい!
(由美)真由に話し掛けている女性なら見ました。
(敦子)女性…どんな方ですか?この病院の看護師だった方ですけど…。
もう辞められた方で。
(敦子)どこで見掛けたんですか?駅の近くで親しげに話してて…。
(敦子)そのとき声掛けられなかったんですか?
(敦子)知り合いなら普通声掛けますよね?辞めた看護師におうな。
あまり辞めた方のプライベートを漏らしたくないので。
(片岡)事件解決につながる鍵にならないとも限らない。
お聞かせください。
分かりました。
(看護師長)この人がお辞めになった方です。
辞めた理由は?
(看護師長)あくまで噂ですけど篠田先生と不倫の関係にあったとか。
やっぱり。
その方のお名前は?橋本沙織といいます。
橋本沙織さんですね?
(沙織)9月9日ですか?
(片岡)ええ。
その日の午後です。
(沙織)アリバイですよね?これは形式的な質問…。
(片岡)失礼ながらあなたが篠田医師と不倫の関係にあったことは調べがついています。
ハッハハ…。
あっ私そんなことで政府を脅したりしません。
その日は普通に仕事をしていました。
確認していただければ分かります。
そうですか。
(沙織)実は納得できる慰謝料を頂いたんです。
私も奥さんがいたのは知ってたしベンツも買えたし根に持ってなんかいません。
もういいですか?
(片岡)失礼しました。
最後に1つだけいいですか?
(沙織)はい。
病院以外の場所で真由ちゃんと会ったことはありますか?いいえ。
ありません。
そうですか。
ありがとうございました。

(メールの受信音)
(直哉)やるしかないな。
「約束の日まであと4日です」「国武義和さん孫の命が心配ではないのですか?」「篠田由美さん」「真由さんのお母さん」「あなたは今何をしていますか?」「政府や警察は国はあなたの大切なものを守ってくれそうですか?」何だか妙な文面ですね。
なぜ急に母親が出てきた。

(記者)すいません。
国武さん追加の声明文を読まれた感想を!
(記者)暴言を暴露したのは誘拐犯だとお思いですか?
(記者)お孫さんを見殺しにするつもりですか!?今言ったのはどこの記者だ!?
(記者)本はといえばご自分が原因だとはお思いになりませんか!?貴様…名誉毀損だぞ!
(記者)あっちょっと待ってください!
(小田切)伊藤直哉の生い立ちについてですが彼の父親は十勝で建設会社を営んでいました。
政府の無計画な公共事業費ばらまきにより一時潤っていた会社はその後急速に傾き伊藤直哉が高校生のとき父親が首をつり自殺を遂げています。
《友達の所も対処しきれなくてある日の夕方お父さんが首をつって自殺していたらしい》自分の話だったのか。
いや続けてくれ。
不幸はそれだけでは終わりません。
伊藤直哉には父の死以来すっかり疎遠になっていた兄がいました。
兄もまた小さな工場を一代で起こし家庭を築き北海道で暮らしていましたが去年経営破綻を機に一家4人で心中をしています。
(小田切)兄との久々の再会は亡きがらとの対面となったわけです。
通夜の場で伊藤直哉は兄の幼い子供たち…つまり自分のおいとめいが巻き添えになったことに涙を流したそうです。
(女性)《もともと経営苦しかったのにことしの増税でしょ?》
(女性)《8%といえば中小企業にとっては大きな痛手だからね》
(女性)《でも結局はお父さんと一緒でしょ?》《ほら国武のばらまき政策が終わって…》
(女性)《直哉さん今度こそホントに1人になっちゃったわね》
(敦子)政府や特に国武に恨みを抱いている。
(小田切)班長動機はじゅうぶんにありですね。
ああ。
その伊藤直哉の東京での住所をつかみましたが4月に誰にも告げずに引っ越していたようです。
(店員)お待ち遠さま。
どうぞ。
(敦子)ありがとうございます。
(店員)はいお待ち遠さま。
(片岡)はい。
(敦子)腹が減っては戦はできぬですよ。

(敦子)う〜ん。
しょうが焼きおいしい。
(小田切)だろ?この豚カツもうまいから今度食ってみろよ。
(敦子)あっ一切れだけ下さい。
(小田切)何言ってんだよ!
(敦子)何でですか!だって…。
(小田切)何言って…。
(敦子)結構あるじゃないですか。
(小田切)いや結構あるけれどもなお前のしょうが焼きだって結構あんじゃねえか。
いいよ。
次食べればいいじゃねえか。
(敦子)いいじゃないですか。
(片岡)伊藤直哉はこうやって一緒に飯を食う人間がいたんだろうか?こうやってしゃべって飯食って…。
そういう相手いるんだろうか?はい。
飯できたぞ。
いただきます。
(敦子)天涯孤独…。
(片岡)この犯行が政治的恨みで実行されたことはまず間違いない。
ただそれとは別に家族や孤独そういったものが見え隠れしてる。
もしかしたら真由ちゃんも孤独だったんでしょうか?私を誘拐しても無駄だったかもね。

(泣き声)早坂典雄先生ですね。
(早坂)もう勘弁していただけませんか?ようやくアリバイが証明されたっていうのに。
大変お気の毒でしたがわれわれ警察は真由ちゃんの一刻も早い救出に向け動いています。
犯人が指定した期日まであと2日しかありません。
担任教師としてどうかご協力を。
(早坂)どうぞ。
真由ちゃんは学校ではどんな子でしたか?
(早坂)もともとは何の問題もない子でした。
素直で…。
(敦子)もともとは?破綻の特別授業というのをなさったそうですね。
(早坂)ええ。
(早坂)《よし。
みんな今日はちょっと難しい授業するぞ》
(児童)《先生破綻って何ですか?》
(早坂)《いい質問だね。
破綻っていうのは…》
(早坂)私がこの国の財政赤字について話しこのまま日本経済が破綻したらどうなるか生徒にシミュレーションさせたんです。
日本の現状をゲーム感覚で教えられたらと。
けど篠田真由についてはもう少し気を使うべきでした。
《先生》
(早坂)《んっ?》《パパが言ってたんだけど予算をばらまきまくったのって篠田のじいちゃんの時代なんでしょ?》
(児童)《あっ国武だろ?》
(児童)《私もそれ聞いたことある》
(児童)《私も》
(早坂)《こらこら。
おい篠田関係ないだろ》
(早坂)その場かぎりの冷やかしかと思っていたら…。
(児童)《おい国武ランドセル貸せよ!》
(児童)《貸せ貸せ…》《やめてよ!》《ねえやめて!》《やめてよ!》《やめて!やめてよ!》《お願い!やめて!返して!》《待って》《やめてよ!やめて!》
(早坂)いわゆるいじめに発展してしまったんです。
篠田真由に関してはホントにおわびのしようもありません。
刑事さん何とか彼女を救ってやってください。
《私を誘拐しても無駄だったかもね》お前手紙書け。
手紙。

(敦子)すいません。
すいませんこちらこそ。

(敦子)あっすいません。
ありがとうございます。
いえ。
あなたの娘の真由さんを誘拐させていただきました。
(藤井)この子は国武元副総理の孫だ。
犯人の要求は?
(藤井)身代金1,085兆円だとよ!実際に会ったのか?
(哲平)ええ。
結構好青年風でしたよ。
この人だと思います。
真由ちゃんと会ったことはありますか?いいえ。
ありません。
私を誘拐しても無駄だったかもね。
政府や特に国武に恨みを抱いてるはず。
(小田切)動機はじゅうぶんにありですね。
ああ。
お前手紙書け。
失礼します。
えっ?これ…。
由美さんこれ…。
「おかあさんわたしは元気です」「ごはんも食べています」「だから心配しないでください」「真由」
(敦子)《すいません》・
(石崎)どうしました?
(石崎)大丈夫ですか?救急車呼びましょうか?薬あるんで。
(石崎)あっ…じゃあちょっと待って。

(石崎)これで飲んで。
すいません。
お金…。
(石崎)いやいいですから。
もし気になるようならどっかの募金箱に100円入れといてください。
でもホントに大丈夫ですか?はい。
ありがとうございます。
じゃあお大事に。
(敦子)これはいったん預からせていただきます。
また伺います。
失礼します。

(物音)「大きらいなおかあさんへ」「私をさがさないでください」「さがしても私はみつかりません」「私はとうめい人間だから」「いつでもそうだったでしょ?」「さようなら」
(アナウンサー)犯人が提示した期限はいよいよ明日に迫りましたが政府はいまだ何の声明も発表していません。
上条さん今回犯人ですがメールを使わずに直接手紙を持参したということでリスクを冒しているんですがいったいなぜでしょう?
(上条)政府の鈍い動きに嫌気が差しいら立っているのかもしれません。
肉親に訴えかけることでより効果的なメッセージを送れると計算していたのではないでしょうか?母親にとってはお金には代えられない掛け替えのない存在ですからね。
(アナウンサー)ただ手紙の内容なんですが真由ちゃんは無事だから心配しないでということでこの内容からは身代金をあおるそんな意図は…。
《お母さん》《後にして今頭痛いから》《「私はとうめい人間だから」》《「いつでもそうだったでしょ?」》《「さようなら」「さようなら」》
(片岡)では橋本沙織さんは篠田さんと円満に別れたわけではないと?
(女性)当然です。
おなかの子を殺されたんですから。
えっ殺された?沙織身ごもった子供をあの篠田って男に無理やり中絶させられたんです。
あの子ずっと立ち直れなかったんですよ?恨んでないなんて絶対に嘘です。
橋本沙織は動機ありか。
(敦子)あの今怪しいのは伊藤直哉ですよね?橋本沙織が犯人なんてことはさすがにないのでは…。
お前山登りしたことあるか?
(敦子)えっ?山の登り方ってのは1つだけじゃないぞ。
別のルート見ると案外突破口が見えるってもんだ。
別のルート…。
(アナウンサー)おいしそうですね。
(山下)実は僕先日このベジソバ食べたんです。
(アナウンサー)食べたんですか?山下さんラーメン召し上がるんですね。
(山下)ええ。
(アナウンサー)しかも女性客の多いお店ですよね。
(山下)まあそうですね。
(アナウンサー)味はいかがでした?
(山下)いや〜おいしかったですね。
どいつもこいつもどうして動かない!
(アナウンサー)中継?誘拐事件…はい。
誘拐事件に動きがあったようです。
それでは篠田真由ちゃんの自宅前からの中継に切り替えます。
(記者)あっ来たぞ!来たぞ!
(記者)真由ちゃんのお母さんが今帰ってきました!真由ちゃんのお母さんです!
(記者)真由ちゃんのお母さん一言お願いします!
(記者)一言お願いします!
(記者)体調どうですか?
(記者)退院されて今のご気分は?
(記者)お加減は大丈夫です?事件に…状況に進展はあったんでしょうか?
(記者)一言お願いします!
(記者)お母さん一枚下さい!こちら見て…こちら一枚お願いします!
(記者)一言お願いしますよ!革命係の皆さん私はあなた方の主張に心から同意します。
(篠田)やめろ!何やってんだ。
入りなさい!日本が財政危機に陥ったのは父国武義和をはじめとした政治家に原因があると思います。
(由美)私は国武義和の娘として国民の皆さまに深くおわび申し上げます。
だからお願いです。
革命係の皆さん娘を…真由を返してください!
(篠田)どいてください。
バカなことはやめろ!娘のために戦って何がいけないの!?
(由美)お願いです。
私このまま真由と離れるわけにいかないんです。
真由をこの腕に抱き締めて真由の目をちゃんと見て話さなくちゃいけないんです。
ごめんね真由。
お願い…元気に戻ってきて。
もう一度私をお母さんにさせて!犯人の皆さまお願いします!私の大切な真由を返してください!総理!私の娘を助けてください!お願いします!真由…会いたいの。
あなたを抱き締めさせて。
真由…真由…。
(篠田)もういいだろ。
(記者)お父さん一言お願いします!お母さん…。
母親が動きましたね。
これが犯人の狙いだったのかもしれん。
狙いとは?最初の電話から始まり犯人は一貫して母親にメッセージを送り続けた。
その結果がこれなら犯人は別の動きを見せるかもしれん。
座れ。
計画をここから変更する。
「変更」って?計画をここから変更する。
「変更」って?俺たちの誘拐事件の今後の展開を変えるんだ。
どんなふうに?2人で海外に逃げるのはやめだ。
えっ?何でよ。
逃げるのは俺だけ。
お前は家に帰れ。
何でそんなこと言うの?約束したじゃない一緒に逃げるって。
私の言うこと聞いてくれるって言ったじゃない。
《私を誘拐して》《私を誘拐して》《それでどこか遠くに連れてって》《いきなり何言ってんだ》《外国がいいなどこか遠くの》《私のことも私の家族のことも知らない所》《いいよ》そう。
確かに約束はした。
でも根本的状況が変わったんだ。
難しい言葉使ってごまかさないで。
お母さん変わったろ?おじいちゃんやお父さんに怒られてまた今までと同じになるかもしれないじゃない。
また私のことなんかどうでもよくなって…。
さっきのお母さんちゃんと見たろ!?お母さんもうお前から逃げるのやめたんだよ。
お母さんにとってお前はもう透明人間なんかじゃない。
お母さんのとこ帰れ。
ホントはそうしたいんだろ?でも…でもナオトと一緒にいたいもん!ナオトは私の家族だもん!ありがとな真由。
ねっ?だからずっと一緒に…。
俺と一緒にいたらお前はまた独りぼっちになる。
《えっ?》《がんが体中に転移していて残念ながらもう手の施しようがありません》《1年持つかどうか…》《1年?》俺はもうすぐ病気で死ぬんだ。
お前とはだから一緒にいられない。
嫌だ!嫌だ!ナオトが死ぬなんて嫌だ!人はいつかみんな死ぬ。
それが俺はちょっと早いだけだ。
けど病気になったから真由にも会えた。
自分のやりたいことが見つけられた。
扉を開くことができたんだ。
俺は会社を辞めてあのブログを始めた。
少しでも何かを残したくて心の奥深くに押し込んでいたものを吐き出した。
そうすれば誰かが何かを感じてくれるんじゃないか。
少しずつでも何かが変わっていくんじゃないかって。
(沙織)《「私は国武義和の娘婿にひどい目に合わされています」》《「彼の娘つまりは国武の孫とは顔見知りです」》そんなとき沙織と知り合ってお前と出会った。
《こっちも食べる?》《うん》最初はお前を誘拐するかどうか迷ってた。
お前は大して優しくもない俺をなぜか気に入って俺たちはたびたび秘密の場所で会うようになった。
《おい真由》《お前いじめられてんの?》《違う。
何でもない》《何でもなくないだろ》《先生やお母さんは知ってんのか?》《無駄だもん!》《誰も私なんか見てないもん》あのとき俺の中でお前と死んだ兄貴の子供たちが重なったんだ。
国武のせいで…大人のせいで子供が苦しむ。
そんな世の中はもううんざりだった。
《私を誘拐して》《私を誘拐して》《それでどこか遠くに連れてって》ホントはナオトの『嘆願ブログ』読んでたの。
ナオトだったら私の気持ち分かってくれるって思って仲良くしたの。
やっぱそっか。
ごめんなさい。
お前のためじゃない。
俺が俺のためにやったことだ。
こんな世の中じゃ駄目なんだ。
このままじゃ俺は死ねないって思った。
ホントに死んじゃうの?そんな顔するな。
最初から1人で逃げようと思ってたの?お前がず〜っと独りぼっちだったら連れていこうって思ってた。
けど今はもうそうじゃない。
お前にはちゃんと向き合ってくれるお母さんがいる。
俺は…。
俺は1人で外国に行って奇麗な景色の中で残りの時間をのんびり過ごしたいんだ。
そこはきっと天国に一番近い場所だから。
行かせてくれよ。
なっ?手紙ちょうだい。
ああ。
(片岡)伊藤直哉さんは去年の冬突如こちらを辞めてらっしゃいますよね?理由をお聞かせいただけますか?
(社長)彼は至って真面目な人間でした。
その真面目な人間がなぜ辞めたんでしょうか?伊藤直哉君がうちを退職したのは健康上の理由です。
彼は病院で余命いくばくもないと診断されたそうです。
いいな?お前はあしたの朝学校に登校する。
「犯人の顔は見ていない」と言ってその混乱の中俺は海外に逃げる。
しっかりできるよな?できる。
「ずっと目隠しされてたから犯人の顔は知らない」って言う。
ちゃんとテスト受けさせてもらえよ。
うん。
約束。
約束。
病気?
(小田切)医師の確認もとれました。
間違いありません。
そっちはどうだ?例のオフ会に参加していた中川遥さんなんですが…。
収穫なしだったと聞いたが。
何かあるかもと思いもう一度食い下がってみたんです。
そしたら…。
《そういえば帰り際彼に女性から電話がかかってきてました》《女性ですか?》
(遥)《ずいぶん親しそうにしてて確か「沙織」って呼んでたような…》橋本沙織か。
その可能性はあると思います。
政府に不満を持つ青年伊藤直哉は自らの死期を知り孤独と闘いながらブログを始める。
そんな折橋本沙織から真由ちゃんを紹介され誘拐の計画を立て実行した。
(小田切)ん〜もどかしいですね。
推論の域を出ない。
橋本沙織を問い詰めますか?彼女の周辺を徹底的に洗う必要があるな。
それと伊藤直哉の徹底捜索だ。
本部へ行くぞ。
(小田切・敦子)はい。
「報道機関各位」「いよいよ明日です」「約束の時です」「身代金を用意するのか国民に謝罪するのか決断を下してください」明朝9時犯人からわが孫ひいては主権国家たる日本の尊厳を守るべく犯人と対峙する決心をいたしました。
(国武)この身に何があろうと死力を尽くし孫の真由を救出する所存であります。
以上。
(記者)真由ちゃんを助けてあげてください。
おじいちゃん。
(リポーター)はい。
こちらは国武元副総理と犯人との接触が図られるとみられる風の森公園のモニュメント前です。
1,000兆円などという身代金が用意できるわけはなく果たして国武氏は犯人に対し過ちをわび再建案を提示するのか注目されるところです。
弁当。
作ってくれたの?サンドイッチだよただの。
ありがとう。
お前忘れ物ないか?うん。
あのね…。
これナオトにあげる。
幸せを呼ぶ四つ葉のクローバー。
ナオトに持っててほしいの。
ナオトを幸せにしてくれる。
ナオトがちゃんと逃げられるように守ってくれるから。
ねっ?だから持ってて。
約束だよ?大切な約束だよ?うん。
泣くな。
行ってこい。
この前さ…。
1人の警官が水くれたんだ。
自販機までわざわざ走って買いに行って。
(石崎)《これで飲んで》《すいません。
お金…》《いやいいですから》《もし気になるようならどっかの募金箱に100円入れといてください》《でもホントに大丈夫ですか?》警察や政治家やこの国を動かす人たちがみ〜んな…。
あの警官みたいな優しい心を持ったら…。
この国はもっと良くなるんだろうな。
そうだね。
うん。
逃げてね。
遠くに。
うんと遠くのすごく奇麗なとこにちゃんと逃げてね。
いってきます。
いってらっしゃい。
いいか?敵が不審な動きを見せたら即射殺命令を出せ。
いいな!?
(敦子)今着いた。
はい。
(刑事)橋本沙織の行動圏内を片っ端から当たったら…。
お願いします。
あっ…お手柄よ!決まりだな。
(リポーター)こちら現場はますます緊張感が高まっております。
(小倉)約束の時刻が刻一刻と迫ってるわけなんですが古市さんこれ犯人が現れる可能性どのぐらいだと予想します?
(古市)まあでもその1,000兆円なんて額の身代金の授受が行われることはまあまずないでしょうから犯人が現れるとは思えないんですよね。
(片岡)もう言い逃れできませんよ。
あなたは真由ちゃんとプライベートで接触している。
しかも容疑者の伊藤直哉も一緒だ。
あなたも犯人グループ革命係の1人…。
(沙織)違う!あっあの人が勝手にやったことよ。
まさか…まさかホントに誘拐するなんて…。
説明してください。
ちょっとしたいたずら心だったの。
国武を恨んでいる人のブログを見つけて「私孫と知り合いよ」「誘拐でもして脅迫したら?」って言って…。
やっぱり…。
(沙織)ホントにやるなんて思わないでしょ!?篠田の知らない所で娘にこっそり会って家族の悪口言って私はそれで十分だったの。
なのに…なのにあの子が!あの子?真由ちゃんですか?あの子がもう一度彼に会いたいって言って…。
それ以降私は知りません。
私は関与してません!片岡だ。
(小田切)伊藤直哉のアジトが特定されました。
闇のルートで閉店したこの店を現金払いで借りていたようです。
(刑事)小田切さんこれが…。
片岡さん…海外へ逃亡です!空港へ向かえ。
(サイレン)
(男性)あっ…。
(男性)警視庁から各局。
人質の篠田真由が学校に登校してきました。
(菊川)約束の時間を待たずに人質が解放された。
これはいったい何を意味するんでしょうか?そうですね。
まあこれで事件の計画はいったん終焉を迎えるっていうことかもしれません。
まあ確実に逮捕されると恐れた犯人が犯行を途中で諦めたっていうことですか?だとしたら犯人は今逃亡中ということですよね。
戻るぞ。
車を回せ。
はっ?孫の身柄が確保されたんだ!私が出ていく必要はないだろう!早く車を回せ!
(宮坂)ちょっと待ってください!国民が納得しませんよ。
また国民を欺くつもりですか?何だと?
(敦子)話を聞かせていただきます。
真由ちゃん…。
ずっと目隠しされていたので場所は分かりません。
犯人の顔は見た?ずっと目隠しされてたから見ていません。
でもご飯とか食べてたんだよね?1人で食べてたから見ていません。

(ノック)・
(男性)失礼します。
こちらです。
(由美)真由!真由!真由!よかった…よかった…。
(由美)真由…。
(敦子)真由ちゃんは犯人の顔を見ていないと言っています。
それは嘘だ。
篠田真由は伊藤直哉をかばってる。
私もそう思います。
犯人と被害者が心を通わすというのは多くのケースで見られる…。
(片岡)違う。
篠田真由は伊藤の共犯者だ。
えっ?革命係は伊藤直哉と篠田真由の2人だ。
これはただの政治犯罪じゃない。
寂しさを抱えた2人の2人の人生を懸けた革命だったんだ。
伊藤は真由ちゃんのために母親にメッセージを?彼は真由ちゃんの孤独を埋めてやりたかった。
けれど自分に残された命は少ない。
だから母親の良心に訴えかけたんだ。
(片岡)母親がそれに応えたことで真由ちゃんの革命は終わった。
だから学校に戻ったんだ。
だとしたら片岡さん彼の革命は…彼自身の革命はどこに向かうんでしょうか?残された命が少ない中で…。
(男性)警視庁から各局。
犯人が現場に現れました。
(警察官)下がってください!下がってください!押さないでください!はい下がって!皆さん下がって!
(警察官)下がってください。
下がってください。
押さないでください!はい下がって!下がって!俺が革命係だ!
(警察官)危険だから離れてください!
(警察官たち)下がって!動くな!・
(車のドアの開く音)・
(宮坂)国武さん待ってください!国武さん!
(国武)どけ!
(宮坂)国武さん!
(国武)どけ!国武!逃げるな!あんたは本当にこの国のことを考えてきたと胸を張って言えるのか!?自分の保身や利益のためでないと言い切れんのか!?われわれは常に財政再建に向け善処している。
それならなぜ孫一人幸せにしてやれない!?希望を持たせてやれない!?彼女だけじゃない!明るい未来を描くことのできない子供たちがいっぱいいる!その中には命を落とす子さえも!真由ちゃんあなたを誘拐したのはやっぱりこの人だよね?《逃げてね》《ちゃんと逃げてね》嘘つき…。
んっ?嘘つき!この人嘘つき。
こんな人知らない。
(由美)真由?こんなの全部嘘だもん!だって私誘拐なんてされてないもん。
(篠田)それどういうことだ?誘拐なんてされていません。
私はただ1人で別荘にいただけです!だからこんな人の言うこと信じないでください!
(片岡)《篠田真由は伊藤の共犯者だ》《寂しさを抱えた2人の2人の人生を懸けた革命だったんだ》分かった。
分かったわ真由。
お母さん私テスト受けたい。
私テスト受けるために帰ってきたの。
先生テスト受けさせてください。
近寄るな!
(宮坂)君の声はもうじゅうぶんに国民に届いた!ずっと日本中が君に注目していたよ!もういいだろう。
声が届いたって変わらなきゃ意味がない!この国はなぜこんな借金地獄になった!次の世代をなぜ犠牲にする!大人を見て育つ子供たちに希望を与えてやることはできないのか!
(男性)そうだ!年寄りばかりを優遇するな!俺たちばかりに押し付けるな!
(一同)そうだ!お前たちだってそうだ!大人の思惑にのみ込まれるな!未来は若者たちがつくらなきゃいけないんだよ!声を上げるんだ。
どうせ変わらないと諦めちゃいけない。
俺だってもちろん同罪だ。
不満は言うくせに決して変えようとはしない。
けどそれじゃ駄目なんだよ!この国を変えるには俺たちがまず変わらなきゃいけないんだ!俺たちが逃げたらもっと幼い子供たちはどうなる!?俺はようやくそれに気付いた。
子供の未来を救えるのは俺たちだけなんだ!死ぬな!伊藤直哉!死ぬんじゃない!お前が死んだらあの子が悲しむだろ!ナイフを捨てろ!お前はもう孤独じゃないだろ!《でもナオトと一緒にいたいもん!》《ナオトは私の家族だもん!》《ありがとな真由》
(片岡)お前にだって未来はある。
(片岡)こぼれる砂のようなわずかな時間でも真由ちゃんと同じ未来を進む時間があるだろ!
(片岡)それにな世の中そんなに捨てたもんじゃないぞ。
分かってます。
1人の警官と出会ってそう思いました。
そうだ!生きてるかぎり希望はある!だから自分の心と言葉で戦え!挑むことを恐れたら負けなんだ!大人たちがくそ食らえならお前たちが扉をこじ開けろ!お前らの子供たちにそれを見せつけてやれ!同じ過ちを繰り返すな!人としての誇りを忘れるな!その胸に!誇りを持て!やめろ!
(片岡)伊藤!
(片岡)伊藤!伊藤しっかりしろ!
(片岡)伊藤!
(片岡)伊藤!おい!伊藤!伊藤!伊藤!しっかりしろ伊藤!
(監察医)大本は膵臓がんと思われますがとにかくそこら中に転移してました。
あの状態でよく昨日あれだけの体力があったもんだと驚きですよ。
あのさがんのことは書かなくていいや。
えっ?どうせ死ぬからやったなんて思われたら無念だろ。
(敦子)長い間大変お世話になりました。
ありがとうございました。
(片岡)城西署生活安全課か。
気の毒だよな。
ですよね。
せめて刑事課とかって思いますよね。
「お前みたいなの引き取るあっちが気の毒だ」って言ってんだよ。
美人デカ。
(敦子)ちょっ…ホントにそれもうやめてください。
また戻ってこいよ。
失礼します。
(石崎)失礼します。
本日付で警視庁捜査一課に配属になりました…。
ああ…石崎学な。
はい!基礎的なことは若い連中に聞いてくれ。
はい。
あの一応おわびと申しますか自分以前誘拐犯の伊藤直哉を路上で出会いながら取り逃がしたことがありまして…。
申し訳ありませんでした。
まかれたのか?あっいえ。
あの苦しそうにしていたので薬を飲むための水を買い与えてそのまま別れました。
あの…。
お前みたいなやつが世の中を変えてくれるのかもしれないな。
そのホシの取り逃がし他できっちり挽回しろ。
はい!
(石崎)よろしくお願いします。
(刑事)よろしくお願いします。
(刑事たち)頑張れよ。
(石崎)はい。
(刑事)じゃあまあ座って。
(石崎)あっ失礼します。
キャ〜!ハァ〜そんなのかぶってるからびっくりしたじゃない。
かぶらなきゃ顔見られんだろ。
こっち見ろ。
(シャッター音)お前芝居し過ぎ。
だって私誘拐されてますから。
わざとらしいんだよ。
もう1枚。
そんなにガチャガチャすんな。
安心しろ誰も入ってこれないから。
うん。
いってくる。
いってらっしゃい。
着替えだ。
ずっと制服のままじゃ窮屈だろ。
これセンスなさ過ぎ。
文句言うな。
こっちは大変だったんだ。
「お嬢さんのですか?」とか言われて。
お前のパンツ買うの忘れた。
それぐらいちゃんと持ってきてます。
変態。
お前「変態」ってな…。
着替えますからのぞかないでください!よかったよ持ってきてくれて。
さすがにパンツは無理だ。
(由美)政治家を続けるんですか?
(国武)当たり前だろう。
こんなうまみのある商売辞められるか。
盗み撮り。
うまいでしょ?まあな。
子供にしてはな。
俺料理うまいだろ?まあね。
男にしてはね。
お前手紙書け。
2種類な。
警察に見られてもいい手紙とお母さんにだけ読ませる手紙。
お母さんにだけ?本当の気持ちを書け。
16日テストなのか?私には関係ない。
だってナオトと出発する日だもん。
お前は偉い。
お前はテストに関係なくちゃんと一生懸命勉強してる。
そういうの忘れるな。
それがお前の生きる力になる。
宇宙を舞台に三谷幸喜が描くロマンチックコメディー
(ノエ)あなたコンブ。
(ノア)コンブなんてうちにはない!
この秋幸せな笑いをあなたに
トークという戦場に命懸けで臨む者がいる
2015/10/17(土) 21:15〜23:25
関西テレビ1
土曜プレミアム・一千兆円の身代金[字][多]

野球延長の為、15分繰下げてお送りします
このミス大賞映像化!香取慎吾が誘拐犯!女児誘拐と国を脅迫する劇場型犯罪!傷を抱える少女に仕掛けた驚きの結末とは

詳細情報
おしらせ
「野球道〜挑戦〜 セ・クライマックスシリーズファイナル 東京ヤクルト×巨人」延長の際、放送時間繰り下げの場合あり。
番組内容
 平岡ナオト(香取慎吾)は、元副総理大臣・国武義和の孫・篠田真由(本田望結)を誘拐する。国武義和(山田明郷)は政治資金規正法違反に問われながら不起訴になっていた。ナオトは真由の母親(木村多江)へ電話をかけ、同時に誘拐事件の犯行声明文をマスコミ20社に送り届けた。声明文を通じ、一週間後までに身代金を1085兆円用意するよう指示を出す。この金額は前年度末時点での国の財政赤字額。「この金額を国内に
番組内容2
ばらまけばインフレが起き財政赤字額が大幅に目減りするが、金額を用意しない場合は財政危機を招くことになるため責任をとって国民に対し公式謝罪しろ」という内容だった。
 悪質な政治犯だとにらんだ警察。早速、刑事部捜査第一課特殊犯捜査係、通称SITの片岡(杉本哲太)たちが動き始める。警察が報道規制を敷いたことを察知したナオトは、自ら犯行声明文をネット上にアップし一般人に知れ渡るように仕掛けた。
番組内容3
 SIT・片岡班の一員、敦子(仲里依紗)はうっかりマスコミに顔をさらしてしまったため上層部が激怒、片岡班は捜査の本流から外されることになる。
 この誘拐事件のニュースを知ってピンときた男がいた。大学生の大谷哲平(高田翔)だ。彼は「怪しい男を知っている」と警察へ通報する。通報を受けたのは本流から外された片岡班だった。
 一方ナオトは、政府や国武が全く動きを見せないことにイラつき始めていた。
出演者
平岡ナオト(誘拐犯): 香取慎吾 

篠田真由(人質): 本田望結 

今村敦子(捜査第一課特殊犯捜査係): 仲里依紗 
篠田由美(真由の母): 木村多江 

篠田雄一(真由の父): 前川泰之 
宮坂管理官(捜査一課管理官): 宮川一朗太 
小田切刑事(捜査第一課特殊犯捜査係): 遠藤雄弥 
橋本沙織(看護師): MEGUMI 
大谷哲平(大学生): 高田翔
出演者2
国武義和(元副総理・真由の祖父): 山田明郷 
石崎学(警官): 北山宏光(Kis−My−Ft2)〈友情出演〉 

藤井一課長(捜査一課課長): 浅野和之 
片岡晋太郎(捜査第一課警部補): 杉本哲太
スタッフ
【原作】
八木圭一「一千兆円の身代金」(宝島社) 

【脚本】
龍居由佳里 
小峯裕之 

【プロデュース】
栗原美和子 
小林宙 

【演出】
河野圭太 

【編成企画】
加藤達也 

【制作】
フジテレビ 

【制作著作】
共同テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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