報道特集【法廷闘争も!?沖縄基地問題▽“基地と共生”佐世保は今】 2015.10.17


横浜市のマンションで建物が傾いている問題。
昨日夜に開かれた住民説明会で新たなデータ改ざんが判明した。
おとといまでに住民が知らされていたのは、マンションの杭が固い地盤に届いたことを示すデータの改ざん。
しかし、昨日夜…杭を地中に固定するためのコンクリートの量のデータが改ざんされていた。
改ざんされた杭はこれまでのものも含めると70本に上る。
その上で、基礎工事を請け負った旭化成建材は意図的にデータが改ざんされた可能性があるとの認識を示した。
会社側は70本の杭はすべて1人の現場管理者が担当していたと説明。
この社員は15年間、同じ業務に携わるベテラン社員だと言う。
ただ、横浜市のマンションには、これ以上の改ざんはないと断言した。
しかし、住民は…旭化成による調査では信用ができないとの声が相次ぎ会社側は、今後、外部の第三者委員会を立ち上げる方針。
データの改ざんは、ほかのマンションにも波及するのか。
旭化成は過去10年に工事を担当した全国におよそ3000軒の建物のうちベテラン社員が関わった20〜30件を優先的に調査すると言う。
私たちの国には軍事基地を抱える地域がこの2つの場所の現実を今日の特集でお伝えしますが、皆さんは何をお考えになるでしょうか。
今朝、大阪市阿倍野区でケンカをしていたと見られる男2人から警察官が事情を聞いていたところ1人がパトカーに車で衝突して逃走した。
逃げる車に向かって警察官が拳銃を1発、発砲しましたが男は逃走中で、警察が行方を捜査している。
午前6時過ぎ、大阪市阿倍野区のファミリーレストランの駐車場で男2人がケンカをしていて、包丁を持っていると警察に通報があった。
現場に駆けつけた警察官が2人から事情を聞いていたところ、このうち40〜50代ぐらいの男が車に乗り込んでパトカーに2回衝突して逃走したため、警察官が車に向けて拳銃を1発発砲した。
発砲によるケガ人はいなかったが車に接触した別の警察官が転倒し、ケガをした。
逃げた男は身長およそ170cm、丸刈りの小太りで、逃げた車はシルバーのセダンタイプだったとのことで警察は殺人未遂と公務執行妨害の疑いで捜査している。
訓練中の航空機事故などで殉職した自衛隊員の追悼式が安倍総理参列のもと、行われた。
防衛省で行われた追悼式には安倍総理や遺族らおよそ400人が参列し中谷防衛大臣がこの1年間で殉職が認定された27人の名簿を慰霊碑に奉納した。
27人の中には訓練中のヘリコプター事故で死亡した3人の隊員や、過重な業務の負担で自殺した10人の隊員らが含まれている。
台湾の与党・国民党は来年の総統選挙の候補者の公認を取り消した。
支持率の低迷が原因だが、公認候補の差し替えは異例。
国民党の臨時党大会が始まりました。
投票が3カ月後に迫る中での候補者差し替えの動きは、国民党の強い危機感を表しています。
国民党は今年7月、立法院副委員長の洪秀柱氏を総統選の候補者として公認した。
しかし知名度の低さに加え、中国との統一に前向きととらねかねない発言をしたことなどから支持率は低迷。
8年ぶりの政権交代を目指す最大野党・民進党の蔡英文主席に大差をつけられているとして、国民党内部から交代を求める声が上がった。
臨時党大会では、洪氏の公認取り消しがつい先ほど決まり、国民党のトップ朱立倫主席に差し替えられる見通し。
しかし、国民党のイメージダウンと党の求心力低下は必至で厳しい選挙戦が予想される。
8月に就任したアメリカのジョエル・エレンライク沖縄総領事が「報道特集」の単独インタビューに応じ、普天間基地の辺野古移設は既に合意された事項で、実現に努めたいと述べた。
エレンライク沖縄総領事は翁長沖縄県知事が辺野古の埋め立て申請を取り消した2日後、インタビューに応じ焦点の普天間基地移設問題について、辺野古に移転することは日米政府間で既に合意されており、その実現に向けて引き続き努力したいと基本姿勢を明らかにした。
その上で、もしそれが実現できればとの条件つきで、次のように述べている。
条件付とはいえ、嘉手納などのほかの基地の閉鎖にまで言及したことが注目される。
さらにはアメリカと沖縄県が互いの立場を尊重し合うことが最も重要と述べ、先月、翁長知事が国連人権理事会で演説を行ったことについて、次のように述べている。
エレンライク総領事のインタビューについてはこの後の特集でもお伝えします。
映画「スター・ウォーズ」の最新作の公開を前に人気のキャラクターをデザインした特別塗装機による遊覧飛行が行われた。
飛行機に乗っているのは「スター・ウォーズ」のキャラクターです。
これは今年12月に行われる映画「スター・ウォーズ」の最新作の公開を記念して全日空が企画したイベントでファンおよそ90人が遊覧飛行に招待された。
客室乗務員が手に持っている小物や機内の装飾に至るまで「スター・ウォーズ」一色。
中でもあのキャラクターに特に注目が集まった。
機体に「スター・ウォーズ」に登場する人気のロボット、R2−D2が描かれたこの特別塗装機は明日から羽田−バンクーバー路線などに就航するほか、一部国内線でも運航される予定。
犠牲者の数は増える一方。
イギリスに拠点を置くシリアの人権団体は民主化デモが激化した2011年3月以降、シリアの内戦での死者が25万人を超えたと発表した。
行方不明者も多数いて、実際の死者数はさらに多いと見られる。
そのシリアなどからドイツなどへ向かう大量の難民の流入を食い止めるため、ハンガリーは17日からクロアチアとの国境を検問所以外封鎖すると発表した。
ハンガリーは既にセルビアとの国境も封鎖しているため、難民らは今後、さらに西のスロベニアを通るルートに押し寄せると見られる。
東京・九段の靖国神社では今日から4日間の日程で秋の例大祭が始まり、安倍総理は、内閣総理大臣・安倍晋三の名前で真榊と呼ばれる供え物を奉納した。
安倍総理は第2次政権発足後、おととしの12月に靖国神社を参拝したがそれ以降は参拝を控え、春と秋に行われる例大祭で今回と同様に真榊を奉納している。
特集です。
沖縄県の翁長知事が今週、普天間基地の移設先となっている名護市辺野古の埋め立て承認を取り消しました。
防衛省は直ちに対抗措置をとりましたが、これで国と県が全面対決という局面に入りました。
沖縄で何が起きているのか、徹底取材しました。
今週火曜日、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題で、翁長知事が名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した。
県民の反応は…一方で、基地移設を支持する声も聞こえる。
国に対して最大限の異議申し立てを行った沖縄県。
これによって辺野古の新基地移設工事は法的な根拠を失うことになった。
埋め立て承認の取り消しに対し、不快感をあらわにした政府。
防衛省は直ちに取り消しを無効とする不服審査請求と執行停止申立書を国土交通大臣に提出した。
それはどんなことがあっても辺野古の基地建設は進めるという政府の強い意思の表れだった。
埋め立て承認を知事が取り消した当日、10月13日の今午後2時過ぎですけれども、大浦湾辺野古沖です。
真横を今、海保の警備艇が併走して走ってますけど。
今日、知事が埋め立て承認を取り消したことによって工事自体の法的な根拠が完全に失われたというそういう今、瞬間が来ているわけでこういう状態であることと、警備の緩やかさというのは関係があるのかもしれません。
以前の辺野古沿岸は、海上保安庁による警備が厳しく、抗議活動に対する過剰警備だとの批判もあった。
だがこの日は、工事も止まり、海は穏やかさを取り戻していた。
安保関連法の成立が最大の焦点だったこの夏。
政府は沖縄県に対して、一見歩み寄りの姿勢を見せるかのように辺野古問題に関する1カ月の集中協議と工事の一時中断を提案した。
しかし協議は決裂。
政府と沖縄県の溝は、ますます深まった。
辺野古への基地移設が進まず、普天間基地が固定化されるのは翁長知事に責任があるとする政府。
これに対し翁長知事は、会見の席でこう述べた。
今のような沖縄が、これを邪魔するからできないんだというような姑息な、あれだけの権力を持って、姑息な言葉を促すというのは私からすると…今日知事は、非常に強い言葉で、国の政治の堕落だとおっしゃってたんで。
ある意味で独裁主義がこれから以降も続くとなるとちょっと日本の将来危ういので、やっぱり地方がしっかりするという意味でも沖縄がこういう主張をしながら各地方地方の、それぞれの強さというものが豊かな海が広がる名護市辺野古。
地元の歓楽街はアメリカ軍基地に依存する形で発展してきた。
地域経済の大きな支えとなったのは、基地移設決定後に国から支給された交付金や補助金。
基地の移設に対し、条件つき賛成の立場をとる住民もいる。
久辺三区と呼ばれる3つの地区は具体的な条件を政府に要望した。
久辺三区の1つ、辺野古地区が政府に提出した文書をJNNが入手した。
住民への永続的な補償などの要望とともに記された一文が今、注目されている政府は基地建設に反対する名護市を通さず久辺三区に直接支給する新たな交付金を検討している。
地方自治に対して、非常に大きな問題を残す。
いわゆる分断工作ととられ兼ねない。
私は許さないです。
今、こんなにおかしくなってるだろうと。
基地経済の専門家は新たな交付金の受け入れはかえって地域に打撃を与えかねないと指摘する。
交付金などを受け取って始めた事業が結果的に市の財政を圧迫しさらなる金が必要となる悪循環に陥ったと言う。
今回も同様の事態が起こる可能性があると言う。
さらに…特定の地域に特化して大金をばらまこうというわけですからそういうことで議論を封じてしまう。
それで本当にいいんですかと。
今、沖縄で起きている事態をアメリカはどう見ているのだろうか。
この夏、着任したばかりの沖縄総領事がテレビのインタビューに初めて答えた。
翁長知事が埋め立て承認を取り消した2日後、自民党の国防部会では法廷闘争を視野に入れた発言も飛び出した。
一方、防衛省の不服審査請求そのものが違法だとの指摘もある。
行政法を専門とする成蹊大学法科大学院の武田真一郎教授は、次のように指摘する。
武田教授が指摘したのは、法律に明記されている国民の権利利益の救済を図るとする目的に反しているという点。
さらに今回の審査の公平性についても疑問を呈する。
武田教授は沖縄県の今後の対応について、まずは第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し立て、時間をかけて結論を求めるべきだと話す。
さらに国に対しても、次のように述べた。
1998年から2期8年にわたって沖縄県知事を務めた稲嶺恵一氏に話を聞いた。
お元気そうで何よりです。
元気は元気ですね。
もう平均寿命を越えましたから。
稲嶺元知事は在任当時、15年の使用期限を設けるなどの条件付で辺野古への基地移設を容認した。
今の翁長雄志知事はかつて自民党沖縄県連の幹事長として稲嶺知事誕生の立役者となり、その後、那覇市長としても稲嶺知事を支えた。
いや、結論を出すまでは迷ったと思いますけれども、やはり出たとき、知事選に出たときからは1つも変わってないと思います。
ぶれてもないと思います。
稲嶺氏は、かつて沖縄と関わった政治家たちの名前を挙げ、今との違いを指摘する。
1つは戦争を何らかの形で知ってる方ですね。
野中さんとか梶山さんとか、それから山中貞則さんとかね。
それと若いけれども小渕さんや橋本さんは私より4つくらい若いんでしょうか。
ただ共通しているのは若い頃から沖縄とのつながりを持った。
沖縄っていうものを肌で体験を持って感じてる方が沖縄に接しておられたわけですよ。
だからこちらも、その心みたいなのを向こうは沖縄を理解してるなという心を感じるからこちらもどこがギリギリの選択かということで随分悩んだと思うんですけどね。
ここで地震のニュースです。
先ほど午後5時53分頃、鳥取県中部を震源とする地震があった。
この地震で震度4のやや強い揺れを鳥取県の湯梨浜町で、震度3を鳥取市で観測した。
気象庁の観測によると、震源地は鳥取県中部で、震源の深さはおよそ10km、地震の規模を示すマグニチュードは3.9と推定される。
この地震による津波の心配はない。
この後の時間帯、余震にも十分ご注意ください。
スタジオには沖縄の基地問題を取材してきたRBC琉球放送の嘉手納記者です。
よろしくお願いします。
改めて今回の承認取り消しなんですけれども、この決断、どのような意味合いがあったんでしょうか?この問題、政府と県の全面対決と言われていますが翁長知事としては単に普天間基地をどこに移設するのかという話ではなく、この問題をきっかけに沖縄の置かれた現状、基地が過重に集中している現状が本当に健全なのか、国民全体で考えてほしいという位置づけなんです。
埋め立て承認取り消しの会見は30分ほどでしたが、国民の皆さんというふうに翁長知事、「国民」という言葉を15回も使って何度も呼びかけたのが非常に印象的でした。
逆に言うと政府の厳しい対応は当然なんですけれども本土でも沖縄の問題について議論がなかなか盛り上がらない状況がある、そこに何とか一石を投じたいという、そういった思いだったと思います。
そういう意味で、今回の承認取り消しを新たなスタートだと語っていました。
国と県が全面対決という事態になっているわけですが沖縄の人たちは翁長知事の決定をどう受け止めておりますか?沖縄ではおととしから去年にかけて政治家の公約違反が相次ぎ、政治不信が高まっていたんですが、こうした中で翁長知事は公約の一環として承認の取り消しを決断しました。
県民としては当然なことだという感想もありますし、納得できる結果だという受け止めが多いと思います。
ただ今後はより厳しい展開になるというのも県民の率直な意見です。
今後、裁判になれば結果が出るまでに時間がかかるでしょうし、裁判をしながらも、政府としては辺野古での工事を進める姿勢を変えていません。
これまでの選挙や今回の承認取り消しで沖縄の民意ははっきり示されたわけですが、それでも政府は強引に進めていくのか。
安倍総理は内閣改造のときの会見で、沖縄の心に寄り添うと話していたんですが、その言葉どおりに県民と向き合おうとしているのか沖縄は見つめていると思います。
嘉手納さんは沖縄に軸足を据えて取材なさっている。
これは取り消しの翌日の地元の新聞ですが、大きな見出しになってますけれども、嘉手納さんの立場から見て今これだけは指摘しておきたいことは何でしょう?この辺野古の問題については沖縄と国との対決という視点で語られていますが翁長知事は逆に追い詰められているとも話しているんですね。
こうした構図は全国どこでも起こりうる話だと思います。
民意を省みない国の姿勢は地方自治と民主主義の危機なんだと当事者意識を全国の方でも持ってもらいたいというのが1つ、そしてもう1つ、日米安保の恩恵で日本全体が現在の平和を享受しているとするならば、この安全保障の代償、コストというんでしょうか、これを1つの県に肩代わりさせて本当にいいのか、そうした議論の深まりも今後期待したいと思います。
安保関連法が成立して1カ月。
日米防衛当局の現場レベルでの一体化は加速し、日本版海兵隊とも言われる水陸機動団が創設されます。
こうした中、戦前から海軍の町と呼ばれその経済効果に期待する基地の街の現実を取材しました。
アメリカ海軍第7艦隊の旗艦「ブルーリッジ」。
91年の湾岸戦争では司令部となった。
母港は横須賀だが、オーストラリア海軍との合同演習を終え、ここに寄港した。
港に通じるのは1カ所だけの狭い水路。
10万トンの原子力空母「ジョージ・ワシントン」も水深があるわずかな部分をすり抜けるように入ってくる。
ここは防御に優れた天然の要塞。
駅から見える港の風景に、いきなり軍艦が飛び込んでくる。
人口25万人、長崎県第2の都市、佐世保市。
1889年、旧日本海軍の鎮守府設置と同時に移住者が殺到。
3500人の寒村は巨大な軍港に発展した。
佐世保の街は軍港です。
歴史がそういう歴史ですから。
日露戦争ですか、1900年頃ですね。
そのときに結構、バッと来られた方が多いんじゃないですか。
生まれたときからあったんで、あまり抵抗というふうには考えたことはなかったですね。
うちのじいちゃんとかも、昔からあったけど海軍さんとか自衛隊さんとか、ようしてくれよったけんねぇと言っておったけん。
アメリカと日本の友好っていう意味でも、ここの街って、それで発展してる部分もあるので、一概にダメだ、嫌だとかは私は思わないですね。
飲食店には自衛隊歓迎のステッカーが貼られ、至るところで星条旗も見られる。
130mを超える巨大な3本の無線と真珠湾攻撃の開始を南太平洋で展開する味方の艦隊に送信したと言われる。
旧海軍が染みついた街。
旧日本軍のイメージを払拭したい自衛隊だが、この街では、つい伝統を口にしてしまう。
戦後、旧海軍の拠点は進駐してきたアメリカ軍に接収され、自衛隊との共同使用の基地になった。
佐世保に入港するフランスの軍艦。
目指すは基地に掲げられた、ある旗星条旗、日の丸とともに在日アメリカ海軍の司令部にたなびく国連旗。
フランスの軍艦が入港できる根拠はこの旗にある。
1950年、朝鮮戦争が勃発した。
3年後、休戦が成立したが戦争の再開に備えてアメリカを中心にした国連軍は佐世保をいつでも使える基地に指定した。
国連旗は朝鮮戦争が休戦中、つまり戦争が終わっていないことを示している。
96年、北朝鮮の潜水艇が韓国に侵入、そして…東シナ海では北朝鮮の工作船が銃撃戦の末、自爆した。
ゲリラが離島に上陸したらどうなるのか。
この危機感から、ある部隊が発足した。
陸上自衛隊西部方面普通科連隊。
部隊の詳細は公表されていない。
これは2002年、部隊発足直後に取材した映像。
当初は若い隊員の教育的要素が強かった。
体力強化のため、繰り返し行われる4kmの障害走。
銃口に土がつけば失格、やり直し。
きついでしょ。
そうですね…彼らが生活する隊舎にカメラが入った。
まだあどけなさが残る隊員たちは銃を撃つことについてこう語っていた。
すごい怖いことですよね、実際実弾を撃って見て、実際、これを人に向けるとなったらどういうとき撃つんですか?自分を守るときとか。
それと同時に、日本を守るために銃を使うという感じです。
考えたことあります?何回かはですね。
撃てるんだろうかって。
部隊の任務は離島に侵入した北朝鮮ゲリラの掃討だった。
島から島へ、ヘリで移動する。
ひたすら歩き続ける。
リュックの重さは50kg。
カモフラージュした隊員が突然現れる。
追い込んだゲリラを一斉に攻撃する。
部隊は山中に潜む北朝鮮ゲリラの掃討訓練を繰り返していた。
しかし、この事件を機に、尖閣有事に対応する部隊に変化することになる。
戦力を集中して上陸、島を奪回する部隊、中国人民解放軍も注目する存在になった。
九州に限られていた訓練はアメリカの海兵隊とともにしかも海外で頻繁に行われるようになった。
近く、部隊は3000人の水陸機動団に拡大する。
日本版海兵隊。
初代連隊長はその後の部隊の増強の速さに驚きを隠せない様子。
すぐこんな大きくなると思いませんでしたが、私のときは基礎をつくるということですね。
隊員に離島対処初めてできた部隊の使命感だとか、この風景が日常化する可能性もある。
佐世保市崎辺地区。
一時、100万トンタンカーの造船所が計画されていた土地が水陸機動団の拠点になる。
アメリカ軍から返還された場所には、海岸を埋め立てて大規模な岸壁が建設される。
岸壁は揚陸艇を搭載する大型輸送艦とオスプレイが着艦可能で、ヘリ空母とさえ呼ばれる護衛艦が使用する。
一大基地ですよね、米軍にとっても重要な基地だし、海上自衛隊にとっても重要な基地だし、陸上自衛隊にとっても水陸機動団を持ってきてなくてはならない基地ですからね。
これは朝鮮半島と中国ですか?そうですね。
陸上自衛隊は既に水陸両用車52両、オスプレイ17機の導入を決定している。
水陸機動団の予定地は旧海軍の滑走路。
軍港・佐世保の歴史がここでも顔をのぞかせる。
機動団創設を受けて早くも地元の業者に対する説明会が始まった。
ここから先の取材は許可されなかった。
自衛隊の規模としてはそこそこ大きな規模となる。
佐世保は基地がないとダメですか?ダメですね、ダメです。
佐世保商工会議所の中には、自衛隊の後援会もある。
佐世保はもともと軍港の街ですからその中にまた陸上自衛隊が加わって、国防に当たるということですから、恐らく市民で反対するような人はいないんじゃないですか。
経済が衰退していくよりも、何とか経済を振興させて人口増加というのは、どの都市でも重大問題ですから。
自衛隊と連携して地域の活性化を図ろうという団体も存在する。
佐世保防衛経済クラブの馬郡謙一会長は3代、115年にわたり、基地に資材を調達している業者。
基地と共存・共栄じゃなくて、国の施策の中で生きていくのに、経済の効果、経済まであれば、それにこしたことないなということだと思いますけどね。
佐世保の自衛隊とアメリカ軍の基地の年間予算の合計はおよそ1000億円。
佐世保市の予算に匹敵する。
基地との共生を強力に進めているのが佐世保市当局。
帝国海軍を中心にしたいわゆる軍事城下町じゃないですけど、そういうような形で人が集まって、そうしてできた街ですから、海軍、そしてまた海上自衛隊に対する思いというのは先祖代々ずっとつながってきていると。
戦争はやるべきじゃないと基本的にみんな思ってますよ。
西部方面普通科連隊の隊員が迷彩服姿で市の中心部を行進した。
小銃を携行している。
国会で安保関連法案が審議されている最中の出来事だっただけに一部で物議を醸した。
全然ないんじゃないですか。
むしろ当然じゃないですか。
警察にしろ、制服にはちゃんと拳銃持ってるわけですし、自衛隊の方だって、それが正式な装備であるんであればそれは当然持っておかしくないことだと思いますしね。
この行進、実は地元の商店街が要請したものだった。
不思議な街でしょうね。
だから空気がそうなってる。
経済的効果は認めつつ、基地依存から脱却すべきだする声も一部にはある。
戦争かな、そういう法律とかがありますので、できればいてほしくないというのは、本心はですね。
でも佐世保経済はそれでもってますからね。
非常に難しいところですよね。
街の活性化の一翼として自衛隊とかね、そういうのは、特別な産業があるわけじゃないでしょ。
生き方を見直さんといかんのじゃないですか、市民自体の。
佐世保でもかつて大規模な基地反対闘争が起きたことがある。
1968年全国から反対派の学生たちが集結。
ベトナム戦争に投入されていた原子力空母「エンタープライズ」の入港を阻止しようとした事件。
アメリカ軍基地への突入を図るデモ隊が機動隊と激しく衝突した平瀬橋。
今は新しい橋が架かり、基地への引き込み線の跡がわずかにあるだけ。
また、元の海軍さんの街に戻った。
佐世保市では基地を担当する部署は基地政策局となっている。
対策局とは呼ばない。
米軍基地です。
ここが中心部になりますので。
佐世保港ですね、軍港ですね。
ここから全体が佐世保港。
佐世保港34平方キロメートルの8割が在日アメリカ軍の制限水域。
24時間365日何らかの制限を受けているという。
赤色の部分は終戦後、進駐してきたアメリカ軍の施設。
黄色の自衛隊と合わせると佐世保港の沿岸部の多くを軍事関連施設が占めることになる。
そして海上部分の80.5%が立ち入りや漁業などが禁止されているアメリカ軍の制限水域。
有事の際にアメリカ軍が使う水上飛行機が離着陸する滑走路も海上に設定されている。
造船所などの施設もアメリカ軍が優先して使用できることになっている。
様々な制限が生じても行政の側は基地の経済的な効果を強く意識している。
いろんなまちづくりにも協力していただいていますし経済的な面でも支えていただいているというところがありますので、こういう関係は今後とも大事にしていきたいと思っております。
海上からは軍港の素顔がさらに浮き彫りになる。
長さ1.2kmのアメリカ海軍赤崎岸壁。
原子力潜水艦やオスプレイも使用する。
爆撃にも耐えられる地下タンクには20万キロリットルの燃料が備蓄されている。
大型タンカー1隻がそのまま埋まっている計算。
ここも旧海軍が太平洋戦争前に建設したもの。
住宅の真下にある前畑弾薬庫。
弾薬は総量4万6000t、アジア太平洋地域では最大規模と言われる。
イージス艦「こんごう」が出港準備をしている珍しい映像。
海上自衛隊は保有する6隻のイージス艦の半分を佐世保に配置し、ミサイル防衛の拠点にもしている。
湾の入り口付近には数多くの軍事物資専用の船が待機している。
これはアメリカ海軍がチャーターしたデンマーク船籍の弾薬補給船。
佐世保は世界規模で展開するアメリカ軍の弾薬と燃料の一大補給基地。
長年、基地反対運動を続けてきた篠崎正人さんは佐世保の特異性を、こう分析する。
佐世保の場合、どうしても港から切り離されて港は軍のものだと、あるいは政府のものだと。
市民は関係ないところなんだというわけですから、海岸線は自分たちのものじゃないというのがいつの間にか染みついてしまっていると。
あんまり抵抗感も一般の市民にないような?私にもないわけです。
旧海軍の話が出ると、なぜか基地に対する批判はトーンダウンしてしまう。
ただ今回の安保法制にはこれまでになく強い危機感を募らせている。
護衛艦と中国の大型客船が並ぶ奇妙な光景。
佐世保には軍の艦船しか入港できないとの誤解が定着していた。
昨年、岸壁を整備しましてから、市長とセールスをやって、佐世保にクルーズ船が入れるんだと、今そういう認識が世界の方々にやっと持っていただきましたので。
佐世保が軍一色だというイメージは、だんだん払拭されてると思いますけど。
中国国内では民間人は軍の施設には近づけない。
中国人観光客に人気が高いのが軍港の遊覧。
非常にいいロケーションがとれると。
米軍、自衛隊があるのを見せれる、旅行としては最高だと。
なかなか中国じゃ見れないでしょうから、厳しくてね。
行政の側にも新たな模索が始まっていた。
しかし軍港・佐世保を取り巻く国際情勢の流れは複雑。
最新兵器を続々と登場させた中国の軍事パレード。
関係者を驚かせたのは、空母キラーと呼ばれる弾道ミサイルだった。
中国の外交政策に影響を及ぼしてきたアメリカの空母を強く牽制した。
同じ頃、アメリカ・カリフォルニアでは日米合同の上陸訓練が始まっていた。
そこには、あの西部方面普通科連隊の隊員たちの姿もあった。
明らかに尖閣諸島と南シナ海で活動する中国を意識したもの。
日米の一体化は確実に、しかも深く加速している。
より平和で安定した地域につながっていくと確信しているところであります。
安倍総理は抑止力を繰り返し強調して安保関連法を成立させた。
ヘリ空母とも呼ばれる2万トンの護衛艦が新たに就役した。
建造費1100億円。
抑止力は、常に優位な軍事力を求めて膨張する。
安保関連法案は今、際限のない軍拡競争の真っただ中にある。
取材に当たりました巡田記者です。
戦前からの長い歴史もあって市民の方は海軍さんですとか、あとは海上自衛隊について、非常に密接な感情を抱いているということがありましたが実際に経済面でも非常に密接な関係性というのはあるんでしょうか?やっぱり船が出入りが激しいときは、兵隊さんがお金を落とすわけですから、非常に消費も多いと、市の経済も潤うと。
だから、今でもタクシー乗ると、今日、船が入ってるからすごく賑やかですよって言われますね、佐世保では。
ここにきて、日米二カ国だけじゃなくて、第三国を取り込んだ訓練が海外で頻繁に行われていて、今もちょうど日米、インドですか、訓練が行われてますね。
その前は日米オーストラリアでしたから日米プラス第三国と。
だから、地球規模でどんどんアメリカに引っ張られる形で非常に訓練が増えていますよね。
だから、自衛隊の活動域というのがすごく広がって、専守防衛がどこまでかなという気もしますね。
それにしても、前の特集で見た沖縄の現実と佐世保に見られる現実はある意味で対極的な関係にあるでしょう。
地上戦を経験した沖縄と、それからまだ海軍の歴史という中に生きてる佐世保の違いがあるかもしれませんけど、巡田さんは、これどう思いますか?これはいる人も不思議だと、奇異な感じがすると言ってましたが行くと本当に奇異な感じですね、我々も。
だからよく、例えば原発とか、刑務所もそうですけれども基地も施設ということで背に腹は替えられない、いわば財政的に困った自治体が誘致するんだという感じで僕らも見ますけど、佐世保の場合はちょっと違いますね。
軍港ができて街がその中に発展していったと、そういう歴史が非常に強いところですよね。
この後はスポーツ、上村さんです。
Jリーグです。
J1の通算得点ランキングは中山選手が176点でトップ。
その記録がこの一戦のこの2選手によって更新させるかもしれない。
広島・佐藤選手と川崎・大久保選手。
偉大なるレジェンド超えへ。
J1・最多得点まであと1点のサンフレッチェ・佐藤とあと1点のフロンターレの大久保嘉人直接対決。
先にチャンスをつかんだのは佐藤。
しかし、決めることができない。
2人のゴールが期待される中、先制点を決めたのは広島・柴崎。
このスーパーゴールで火がついたか、大久保の通算155点目。
ベンチに下がった佐藤も祝福する。
試合は終了間際の劇的ゴールで広島が勝利。
年間順位で1位に浮上した。
リーグ戦は残り4試合。
勝ち点差5で3位を追うガンバ大阪は年間首位の浦和レッズと対戦した。
前半7分、ガンバは阿部が前線に送ったボールがそのままゴールに吸い込まれ先制に成功する。
さらに、この試合J1通算500試合目となる遠藤のフリーキックに途中出場の長沢。
車いすバスケットボールのリオパラリンピック予選、3位決定戦。
この試合に勝てば、パラリンピック出場が決まる日本は韓国と対戦した。
第1クオーター、日本は韓国の固い守備を崩せず、リードを許す苦しい展開に。
それでも第2クオーター、キャプテンの藤本と香西の両エースが疲れが見え始めた韓国の守備をこじ開け逆転に成功する。
両エースの勢いは止まらず、2人だけで50得点を奪い、韓国に快勝。
見事11大会連続のパラリンピック出場を決めた。
続いて陸上。
サニブラウン選手が今季のラストラン。
今シーズンは世界ユース、世界陸上と大活躍だったサニブラウン。
怪物高校生、1年を締めくくる大会スタートで勢いに乗ると、トップを独走。
予選から圧巻の走りを見せた。
ところが胃腸炎で体調を崩していたサニブラウンは準決勝を棄権。
レース後、飛躍した今シーズンを振り返った。
バレーボールのV・プレミアリーグ女子が開幕。
昨シーズンあと一歩で3連覇を逃した中田久美監督率いる久光製薬は上尾に7連続ポイントを許すなど第1セットを落としてしまう。
それでも、すぐに落ち着きを取り戻す常勝軍団、久光。
全日本、左のエース・長岡が22得点を奪えば…こちらも全日本、パワーが自慢の石井がブロックをはじき飛ばすスパイクで19得点。
24歳同い年コンビの活躍で久光製薬が白星スタート。
そしてもう1つ、阪神は先ほど、次期監督について、金本知憲氏の監督就任を発表した。
金本さんが就任されたと?はい、先ほど出たばかりの情報ですスポーツの速報をお伝えしました。
2015/10/17(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【法廷闘争も!?沖縄基地問題▽“基地と共生”佐世保は今】

あまたのニュースの中から、伝えるべき情報を厳選し、報道特集というフィルターを通して、責任をもって視聴者にお伝えします。

詳細情報
番組内容
【法廷闘争も!?沖縄基地問題】
混迷する沖縄基地問題。翁長知事は辺野古沖の埋め立て承認を取り消し、国はその無効を申し立てた。法廷闘争も見据えた対立の現状を金平キャスターが取材。

【”基地と共生”佐世保は今・・・】
旧日本海軍がつくった街、長崎・佐世保に尖閣有事を想定した大部隊ができる。安保法制反対の動きが全国に広がる中、基地との共生を志向する地方都市の現実を取材した。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
上村彩子(TBSテレビアナウンサー)
関連URL
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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