2015年10月20日14時30分
大阪維新の会の小林由佳(よしか)堺市議(37)が配っていない自身の政策ビラの印刷・配布代金を政務活動費に計上していた問題で、堺市議会は19日、小林氏が支出した19件の印刷・配布代金のうち発注・納品の記録があるのは2件だけで、全19件で印刷・配布の実態を証明できないとする調査結果を報告した。小林氏は印刷・配布代金約285万円を含む約370万円の政活費を返還する意向だ。
この問題で維新は同日、小林氏の元秘書で印刷・配布と資金管理を担当した黒瀬大・堺市議(39)を除籍、小林氏を会員資格停止3カ月の処分とし、発表した。維新によると、2人は処分を受け入れるという。
堺市議会は、水ノ上成彰議長(維新)が条例に基づく職権で2氏から事情聴取し、この日の議会運営委員会で報告した。小林氏は秘書だった黒瀬氏に印刷・配布業務を丸投げし、黒瀬氏は知人業者に委託したが、業者が大半のビラの印刷・配布をしていなかった。黒瀬氏は業者との現金取引を説明したが、資金の流れを証明できなかったという。
また、業者が小林氏に対し、依頼された印刷・配布業務を約束通りに行ったことがないと認めていることも報告された。
水ノ上議長は「小林氏は政治家としての事務処理が極めてずさんだ。黒瀬氏は資料を保存せず秘書としての役割や説明責任を果たしていない」と指摘。小林氏は調査に「議会の名誉を傷つけて申し訳ない」、黒瀬氏は「政活費について大変迷惑をかけておわびする」と話したという。
2氏は11月2日の議運に出席し、直接、説明と謝罪をする予定だ。