謝罪だけで済むような問題じゃない。
正直、頭にきています。
信じられないような不正が相次ぎました。
横浜市では、大型のマンションが傾き、東洋ゴムに3度目の不正が発覚。
本当に申し訳ございません。
企業倫理が問われました。
そして、ここでも。
こうした不祥事、皆さん、どう受け止めますか。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
まずは横浜市のマンションで、建物を支えるくいのいちぶのデータが偽装されていた問題です。
昨夜、新たな改ざんが明らかになりました。
改ざんされていたのは、くいを地盤に打ち込む際に先端付近に流し込むセメントの量のデータでした。
きょう未明まで行われていた住民説明会。
データを偽装していた旭化成建材の前田富弘社長が初めて出席し、謝罪しました。
前田社長は説明会で、すでに明らかになっているくいのデータの偽装以外に、くいの先端付近に流し込むセメントの量についても、データを改ざんしていたことを初めて明らかにしました。
データが偽装されたくいの工事を行っていた現場の社員については。
旭化成建材は、くいが強固な地盤に届いていない事実を隠すため、社員が意図的にデータを改ざんした可能性があると見ています。
ずさんな工事の実態を聞いた住民からは。
また改ざんかといいますか、同じようなことをやっているというのは、やはりショックです。
何が起きたのか、こちらで整理をします。
問題が発覚するきっかけとなったマンションなんですが、建物を支えるため、こちらの強固な地盤に向けて、52本のくいを打ち込んでいます。
52本。
本来であればこうなっているはずだったんです。
ところが、ここですね。
強固な地盤に届いていなかったり、打ち込む深さが足りなかったりしていたくいが、8本あることが分かったんです。
このため、1棟のマンションが傾いてしまいました。
これ、隣のマンションとは、上下に2センチ余りのずれが生じて、これに気付いた住民からの通報で、今回の事態が明るみになりました。
これについて当初、三井不動産レジデンシャルは、東日本大震災の影響と見られると回答をしていたんです。
さらに、打ち込まれたくいのデータが、別の棟のデータを流用したものだったことも分かりました。
データは使い回しなんですね。
そして昨夜、新たに分かったのが、くいの先端付近に流し込むセメント量のデータの改ざんです。
これ45本のくいで、セメントの量が不足している可能性があるということです。
強固な地盤に届いていなかったものですとか、セメントの量が改ざんしたものを合わせますと、データが偽装されたくいというのは、4棟の建物の合わせて70本に上ることになりました。
これを聞かされたときは、ショックだったでしょうね、住民の方々。
そうですよね。
旭化成建材では、これまでのおよそ10年間に手がけたマンションなど、全国のおよそ3000棟の建物についても、データの偽装などが行われていなかったか、確認するとしています。
また住民によりますと、マンションを販売した三井不動産レジデンシャルは、4棟あるマンションをすべて建て替えることを基本に、住民と協議を進める方針を改めて示しています。
建て替えにはおおむね3年から3年半かかる見通しだと説明したということです。
説明会はきのう行われて?
そうですね。
きのうが最後の予定だったんですが、会社側は。
きのうが最後の予定だった?
今後、改めて説明会を開くことを会社側は約束したということです。
大切なマイホーム、買うときは目で見て確認することができない部分じゃありませんか。
それだけに裏切ってしまった信用や信頼ってものは、ものすごく大きいですよね。
そうですね。
絶対に不備のない調査を行って、全容の解明をきちんとしてもらいたいものです。
次もあってはならない不祥事のニュースです。
今度はこちらです。
マイナンバー。
今月、法律が施行されまして、これは拡大したものなんですが、来年1月からはカードが交付されることになっています。
制度が始まったやさきに発覚した今回の事件、何が起きていたんでしょうか。
警視庁の捜査員が、厚生労働省に入りました。
収賄の疑いで逮捕されたのは、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者です。
平成23年、マイナンバー制度の導入に向けた、医療分野のシステム設計などの業務を巡り、都内の情報関連会社に便宜を図り、その見返りとして、現金100万円を受け取った疑いが持たれています。
贈賄側の当時の社長については、時効が成立しています。
中安室長補佐とは、どんな人物なのか。
国立病院の事務職員を経て、10年前に厚生労働省に異動。
その後、一貫して医療情報のIT化に関する政策に携わってきました。
7年前、本人にインタビューした記者は。
医療分野にマイナンバー制度を導入すべきだと主張していたという中安室長補佐。
医療情報のIT化に関する専門家として、医療関係者や行政の間で知られた存在だったといいます。
中安室長補佐が座長を務めたシンポジウムに参加した人は。
これまでの調べで、中安室長補佐は、100万円をカードの支払いなどに充てていたと見られるほか、複数回、飲食の接待も受けていたことが分かっています。
さらに、ほかにも現金数百万円を受け取っていた疑いもあるということです。
今回、汚職の舞台となったマイナンバー制度。
ITや情報関連の会社にとって、どのようなものなのか。
業界の動向に詳しい専門家は、その市場規模は、2兆円を超えるとしています。
その上で。
巨額の金が動くマイナンバー制度。
今回のように、入札を巡る汚職があった場合、不正を見落としてしまうおそれもあるといいます。
さあ、今度はがらっと変わります。
こちら、見てください。
お米ですね。
新米の季節がことしもやってきました。
小野さん、特A米ということば、聞いたことありますでしょうか?
いや、すみません、ないです。
ちょっと、これ見てください。
特A米、こちらですけれども。
特級品?
日本穀物検定協会というところが、炊いたお米の見た目ですとか、香り、味、粘り、硬さ、こういった5つの項目で総合的に最高評価としたものなんです。
例えばですね、こちらを見ていきましょう。
平成22年度。
なんですけれども、私たちも食べたことのあるものもあります。
例えば、これ、新潟産、新潟の魚沼産のコシヒカリ。
聞いたことありますよね。
ありますね。
こういったものなどが、22銘柄、平成22年ではあったんです。
毎年、選ばれるんですか。
それが、ことし発表された平成26年産では。
ことし、多いんですね。
44銘柄。
数だけでいうと、倍になってます、5年間でこれだけ多くなっている。
これ、お米屋さんに聞いてみますと、特A米っていう評価がありますと、お客さんが興味を非常に示すので、勧めやすい。
ですから、全国各地の産地の間では、年々競争が激しくなっていまして。
1回選ばれたらずっと選ばれ続けるというわけでもなさそうですね。
ではなくて、中にはこの特A米の評価を得るのが悲願という場所もあるんです。
その悲願がようやくことしかなったのがこちら、青森県の青天の霹靂。
という名前のお米?
そうなんです。
このお米について取材をしてきました。
青森県庁にやって来ました。
その正面、ことし初めて特A米の評価を得た、青天の霹靂の文字です。
私たちがまず訪ねたのは。
こんにちは。
青森県の三村申吾知事です。
おっ、おい!
2月、特A獲得の知らせが届いたときの青森県庁。
喜んでおられますね。
と、大興奮なんですが、ここに至るまでには、研究者の多くの苦労がありました。
青天の霹靂の開発者、農林総合研究所の須藤充さんです。
率直にうかがいますけど。
須藤さんは、専門家として、28年にわたり、米の品種改良に携わってきました。
この特Aを取るのは、難しいんですか?
青森県の現在の主力品種、つがるロマンです。
この米は、評価がここ数年はA止まりで、これまで特Aには届きませんでした。
須藤さんたちが新たな品種を作り出すにあたって重視したのが、国内で高い評価を得ているコシヒカリの系統を取り入れることでした。
しかし問題の一つが、コシヒカリは、稲の病気、いもち病に弱いことでした。
青森県は朝晩が冷え込んで湿気が多く、いもち病が大発生しやすいんです。
そこで取り組んだのが、コシヒカリに寒冷地に適した品種を掛け合わせること。
小野さん、これ、掛け合わせた組み合わせは、毎年50を超えました。
こういう組み合わせがいっぱいあって、これをやっていくんですか?そして1組ごとに2000本の稲を植えます。
つまり。
2000の50なので。
10万本植えるんですか?
10万、毎年作る。
10万も作るんですか。
この10万本の中から選び出されるのは、毎年なんと1本か2本、その後も、さまざまな試験を繰り返します。
開発を始めておよそ10年。
ようやく作り出されたのが、この青天の霹靂なんです。
この秋初出荷。
新米が店頭に並び始めています。
須藤さんもこの米を多くの人に食べてほしいと願っています。
私もこの青天の霹靂のおにぎりを頂いたんですけれども、ほんのりと甘みがね、口の中に広がって、おいしかったです。
なんか米作りにかける情熱にちょっと心を打たれますね。
さあ、今度はこれです。
歌が聞こえてきましたけれども、これね、アンパンマンの作者で、おととし亡くなった漫画家のやなせたかしさんが作詞作曲した歌なんです。
晩年、出身地である高知県の子どもたちのためにこの歌を作っていたことが分かりまして、来月、地元で初めて披露されることになりました。
やなせさんというと、漫画とか絵本というイメージがあるんですが、これまで作詞などに関わった歌というのは、およそ600曲もあります。
どうしてそれだけたくさん残したのか。
歌作りに込めた思いを取材しました。
いらっしゃいませ。
きょうはよろしくお願いします。
やなせさんの秘書を、20年以上にわたって務めた越尾正子さんです。
今回、特別に案内してもらったのは。
やなせさんの作品が生み出された仕事場です。
亡くなって2年。
生前のままの状態が保たれていて、絵の具の跡など、やなせさんの仕事ぶりがうかがえました。
実はこの歌も、やなせさんの作品。
そうなんです。
昭和36年にやなせさんが作詞した、手のひらを太陽に。
小学校の音楽の教科書にも載りました。
載ってました、載ってました。
やなせさんの歌は、さまざまな所で歌い継がれています。
その一つが東京・世田谷区の松丘幼稚園です。
やなせさん直筆の歌詞、タイトルは、ぼくらのうた。
幼稚園の様子ですとか、通うことの楽しさなどが歌詞に盛り込まれています。
ここの幼稚園の園歌をおつくりになったんですか。
みんな、歌詞も完璧です。
今から30年以上前に作られたこの歌。
お手紙ですね。
幼稚園には、やなせさんからの手紙が大切に残されていました。
そこには。
当時、手のひらを太陽にが全国的に歌われるようになったので、責任を感じていたと書かれていました。
その責任ということばについて、秘書の越尾さんに尋ねると。
代表作の一つ、アンパンマンのマーチ。
晩年、やなせさんは、歌の力を再認識することになります。
東日本大震災の直後、ラジオ局にこの歌のリクエストが殺到。
子どもだけでなく、大人たちも生きることをたたえた歌詞に励ましを求めました。
歌は、世代を超えて人々を励まし、支える。
だからこそ、やなせさんは歌を作り続けていたのではないかと越尾さんは振り返っていました。
童謡集には、自身の歌に寄せる思いがつづられていました。
さあ、今週はほかにも気になるニュースがたくさんありました。
アメリカ軍普天間基地の移設を巡って、沖縄県と政府の対立が深まっています。
名護市辺野古への移設を阻止したい翁長知事。
仲井真前知事が行った、移設先の埋め立て承認を取り消しました。
承認には取り消すべきかしがあると認められたことから、承認取り消しが相当である。
今後も辺野古に新基地を作らせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります。
これに対し、菅官房長官は。
防衛省はその次の日、承認の根拠となる法律を所管する国土交通大臣に対し、承認取り消しの執行停止と無効を求める申し立てを行いました。
防衛省は、執行停止が認められれば、埋め立ての本体工事に着手したいとしていて、最終的には政府と沖縄県による法廷での争いに発展することも予想されます。
トルコの首都アンカラで行われていたデモの近くで爆発があり、97人が死亡しました。
デモは、政府軍とクルド人武装組織の和平を訴えていて、参加者の多くはクルド人でした。
トルコの治安当局は、男2人による自爆テロと見て捜査しています。
ラグビーワールドカップで、快進撃を見せた日本代表。
多くのファンの出迎えを受け、帰国しました。
続いて深読みのコーナー。
きょうは5年をかけてようやくまとまったあの話です。
今月5日。
アメリカ・アトランタで発表された歴史的な合意。
日本やアメリカなどが協議を続けてきたTPP環太平洋パートナーシップ協定の交渉が大筋合意に達したのです。
TPPとは太平洋を囲む12の国が関税の撤廃や投資のルール作りなどを行いお互いが自由に貿易できる枠組み作りを目指すもの。
協定が発効すれば世界最大規模の経済圏が誕生することになります。
このTPP皆さんが関心あるのは…。
でもTPPは物が安くなるというだけじゃないんです。
12か国で合意された貿易やビジネスの共通ルール。
このルールが私たちの社会を大きく変える可能性を秘めているというんです。
しれつな交渉の末まとまったTPP。
その気になる中身とは?
そうです、夜明けのスキャットなのは、るーるるーだからです。
TPPというと、牛肉が安くなるとか、お米が外国から入ってくる量が増えるとか、バター不足解消されるとか、なんか、貿易の話みたいに思われていますが、こうなんだそうです。
TPPとは、ルールブックである。
私も全く意味分からず、しゃべってます。
ルールブックなんですって。
一体どういうことなのか、中山アナウンサーの、こんなプレゼンからきょうはスタートです。
おはようございます。
けさもいろいろ農業関連などで、完全にTPPのお話って出てきてたんですけれども、今回、私も一から勉強しまして、TPPって、この太平洋を囲む12の国々の間、どこででも、自由に公正にビジネスできるようにしましょうねという、ルールのことなんですね。
ルールができればですよ、12か国の総人口8億人を相手に、あらゆる企業がビジネスをできるチャンスが生まれるだろうと期待されているわけなんです。
ですから、日本は少子高齢化、国内市場も先細り、未来、なかなか暗いなあなんていういわれ方もしております。
中小企業にアベノミクスの恩恵がなかなか届いていないんじゃないかななんていうお話も出てきております。
その中小企業もTPPで大いに飛躍できるんじゃないかというようなことなんですって。
個人、中小企業の深読みタオル店さんがいらっしゃいます。
この深読みタオル店さんこの色とりどりのふかふかのタオルを使って、海外に進出したいって考えていらっしゃった。
でもなかなかね、できなかったんですね。
というのも、これまでは、こちら、いざ、輸出となっても、大きな壁、タオルでいえば20%近い関税がかかることもあったそうなんです。
でも、TPP、今後ルールで、関税、工業製品、ほぼ撤廃することが決まっております。
ですから、もうスムーズにどんどん輸出することができるようになるんですよ。
でも、ここにもある意味、壁、港近くにこんな方々。
税関関係の人たちですね。
これ、書類がたくさんあったそうなんですね。
しかも、これ、各国ばらばらです、手続きが。
これもう、大変だったそうなんです。
が、今後はこうしましょうよ、ルールで。
窓口を一本化して、コンピューター化を進めて、できるだけ48時間以内に作業を完了することっていうことを決めます。
ルール化したんです。
ですから、深読みタオル店さんも、どうぞ、どうぞ、スムーズにお進みくださいということで、さあ、上陸できるようになりますよということですね。
こうして上陸いたしましたらばです。
上陸できたら、こういう人たちいます。
だーん。
誰ですか?誰ですか?
国内のもともとのメーカーですよね。
ああ、そうか。
実際に、自分の国の産業を保護しようということで、国内メーカーをひいきするようなところもある。
国によっては深読みタオルさん、来るんですか、土地売りませんよ、規制をかけるなんてこともあるんだそうです。
ですが、今後はルールで、こんな優遇しちゃだめ。
もう、この国内メーカーと深読みタオルさん、まさに同じ土俵で戦っていただくようになりますよ。
さあ、8億人市場が目の前となってまいりました。
とここで。
深知りタオル店さん?
これね、似ていますよね、そっくり。
触り心地まで似ちゃってる。
ああ、技術、デザインが盗まれちゃうかもしれないなあなんていう心配がおありだった。
でもね、今後、こうです。
違法な業者は逮捕するなんていうことまで、ルールで書かれてるんですね。
ですから、もうね、ここは安心して、ビジネスをスタートさせましょうよ、深読みタオルさん。
でもやっぱり、日本で作って、運んでっていったら、運搬のためのコストもかかるし、そんな簡単に勝負できないんじゃないですか?
それでね、じゃあ深読みタオルさん、現地に工場を建てたり、お店作ったりってしたいから、でもお金がかかりますよね。
こんな支店作るっていったら、大変なお金がかかるでしょ。
でもね、これもTPP、後押しするんですよ。
簡単にいえば、ちょっと難しいですが、簡単にいえば、これまで規制がなかなか厳しかった、銀行が海外に進出しやすくする。
つまり、深読みタオルさんと、これまで取り引き、長年続けてきたあの銀行さんが現地に行って、いろいろ融資、サポートしてくれるようになるんですよ。
こうして、TPPのルールを上手に使っていけば、8億人を相手に、思う存分ご商売していただくことができるようになるんです。
でも、そんなにタオルっていらないですよ。
いろんな企業に期待していて。
必要な人たちもいるんでしょうね。
政府はね、いろんな企業ということ、こうなんですよ。
TPPの主役は中小・小規模事業者の皆さんです。
勇気を持ってチャレンジすべきですと言っている。
ですから、このTPPによって、中小企業に関わっている、このテレビをご覧の皆さんに、ビジネスチャンス!
いやいやいや。
こんなうまいこといきますかね。
ポーズつけられるものほど怪しいというか。
そういう習慣が身についておりまして。
うまい話には気をつけろと。
そうそうそう。
でも逆になんかね、中小企業さんにとっては、なんか、ああ、かわいそうにって思ってたのが、すごく今の説明で、夢が、希望が膨らみますね。
競争力のあるものと、そうでないものがありますからね。
競争力ないものは負けていくでしょうし。
それと、関税下がっても、為替レート変わればどうなるんだいっていうようなところもありますからね。
そこらへんはきょうは専門家の方々、どうお考えなんでしょうか。
まず、共通ルール自体作ったというのも、大変、むしろ中小企業寄りなんですね。
今のご説明にあったようにですね、例えば、世界でどういうふうに…だとか、あるいは経済活性化させるっていうときに、こういう広域で共通ルール作ってというのは結構、先行してるのは大きなのがあって、EUがそうなんですね、みんな入りたがってるわけですね。
為替のところは、これはアメリカなんかでは、規制すべきだという、そういうルールも入れるべきだっていう議論はあったんですけれども、今のところ、入らなかったんですね。
為替のルール?どの話ですか?
円ドルを固定すると。
苑は高すぎる、いや、安すぎる。
だから、輸出しやすくなりすぎてるんで、こういう共通ルールで、みんなやりやすくなるんだったら、ついでに為替もルールで決めようと。
だから円は強すぎるんで、もうちょっと円高にして、すべきだとかですね。
そこまでは決まってないんですけど、しかしその為替の水準までちょっと監視するようなルール作ろうっていう議論もあったんですね。
ただそれは入ってません。
ただルールが、こういうふうに決まっていくと、お商売するほうとしては安心がありましょうね。
まさにそうなんですね。
そういうことでしょうね。
先ほどからちょっと出てますけど、最近、TPPで大騒ぎになってますけど、基本的にはちょっとね、浮かれ過ぎな感じが、僕はするんですが。
例えばね、ちょっとこれ見てもらうと、どこへ出せばいいんだ、ここでいいですか?これ、輸出の数量ですね。
例えば1台車、1万ドルの車を売ったら、80万円でしたと。
今や円安が進んで1ドル120円だから、120万円です。
金額で見ると、どんどん伸びていくんですけど、実際、車、何台売れたかっていうのが大事ですよね。
そうじゃないと下請けの仕事増えませんから。
そういう意味で、輸出の数量を見てるんですけど、実はこれ、このころって円高で、むしろ1ドル180円、これ、今120円ぐらいまできて、円安が進みましたけど、輸出の数量、ほとんど伸びてないんですね。
実際、ものが動いてないんです、そんなに。
円安にしても。
日本からいうと、3割以上円安になるっていうのは、3割ぐらい安く売っても円に変えれば、同じ金額だから、値段安くしてもいいよっていうことになるはずなんだけど、30%安く売れる条件ができても、輸出って増えてないんです。
伸びないんですね。
ということは、今、関税でね、例えば、2%工業品、あるいは3%、その2、3%の数字とかそういう数字が消えて、ちょっと自由になったからって、急にね、世の中の物の動きが活発化して、どんどん売れるようになるって、3割安くしても売れないわけですから、だから、やはりそういう、数字上のことだけで、全体が動くわけじゃないんで、やっぱり、市場をどういうふうに作っていくかとか、そういうもっと具体的な一個一個の問題が重要だと思うんですね。
確かに、実はNHKで今回、中小企業に勤めている人に、アンケートを取ってみたんです。
中小企業で働く皆さん、あなたの会社、海外進出しますか?TPPでこういうふうに条件が整ったとして。
すると、するって言われる方がそして、…。
わりとご心配の声のほうが多い感じだったんですが。
日本の中小企業も、結構海外に出てるんですけど、今、例えば自動車関係なんか、どこへ出ているかっていうと、タイとかインドネシアが多いんですね。
タイもインドネシアもTPP、今度、入っていないんですよ。
だから何か、大きく変わるって、すごく大きく変わるっていうのはあんまりないと思うんですね。
それよりも、こういうことに関心を持って、自分のところも海外に行く可能性ってあるだろうか、ないだろうかって、考えてみるきっかけにはなると思うんですよ。
ちょっと、これは、これ、焼き鳥なんですけど。
串打ち機メーカーですか?
この串をですね、ぴゅっと打つための機械があるんですね。
職人さんがやると1時間80本、機械でやると1600本ぐらい打てるんですよ。
ばーっと。
焼き鳥って、プロがやると波打たせながら打つんですね。
なんでかっていうと、そのことによって、肉が重なるじゃないですか。
そうすると、焼いても肉が離れて、芯が割れちゃったりとか、ないっていうんで、そういう機械を考えた中小企業がありまして、今、コンビニなど、よく串の料理、いっぱいあるじゃないですか。
あれを串打ってる業者の大体8割ぐらいが、その機械使っていて。
でも串で食べてる姿って新橋のガード下のサラリーマンのイメージじゃありませんか?
そう。
だから国内に関係するだけだとずっと、社長は思ってたんですね。
ところがホームページ、英語のホームページ出したらですね、世界各国から問い合わせが来て、というのは考えてみると、串を使う料理って世界中にありますから。
そっか、焼き鳥に限らず、シシカバブとか。
シューマイが刺せないかとかね、いろんなとこから来て、そしてそれ、いいねっていうことになって、海外にも結構、需要があることが、結果分かってきて、5年ほど前に僕、別のある番組で取材をしたんですけれど、そのとき初めて、やり始めて問い合わせか来てますっていう話だったんです。
5年後、もう一回取材したら、もう、この売り上げのなんと4割近くが、海外なんです。
しかもその会社ね、従業員ね、5人ぐらいしかいないんです。
機械を組み立てることだけなんで。
だからうちは無理でしょうとか、これは国内に関係するだけで、外国には関係ないでしょうというふうに思い込まないで、向こうから、それ、うちだったらこうやって使えるんじゃないのとか言ってもらえることが大事なんで、まず情報を出すということが大事ですね。
中島さんも海外進出すべき?
いや、そこ、大事なとこですよね。
というのはですね、例えば、ヨーロッパだって、あれだけEUとかユーロ圏とかもっと広域な経済圏があっても、多くの企業は輸出とか、域内で、してないんです。
ただ2割ぐらいしてるんですよ、2割から3割ぐらい。
日本は2%台なんですね。
ですから、もっともっと、日本の場合には輸出できる余地あるし、TPPの場合には、先ほどあったように、貿易だけではなくて、サービスとか、ほかもやりやすくなるっていうことですから、今まで海外なんか考えられなかったんですね。
例えば、小売店だとか、コンビニが出やすくなるとか、そういう外資の規制をやってるベトナムとかもそれを解除するということになってますし、そういうチャンスは多いに広がるんで、あとはどういうふうにそれをうまく支援して押して出してあげるか。
政府はそこを支援する。
それは誠に結構なことなんですけど、もっと近所の中国とか、韓国で商売をしたいって思ってらっしゃる方が、たくさんあると思うんですけどね、それがTPPについては、別扱いになっているところが。
入ってないんですよね。
厳しいですよね。
AIIBっていうんですか?なんか、そっちのグループと、2つに分かれてるっていうのは、それでいいのかなって思うんですけどね。
入ってくれないんですか?TPPには。
これは大変、難しい話で、AIIBというのはまた、銀行機能っていうか、中国が中心になって、お金を貸すという機能であって、それとはまた別に貿易のグループも、アールセップというちょっと難しい言い方です、ASEANと日中韓などを入れた別のグループをまた中国が一生懸命、それを主力にしようとしているわけですね。
ですから、今大きく2つのグループがせめぎあおうとしてる。
ただ、日本は非常にいいポジションにつけているのは、そのどちらにも中国が進めようとしているアールセップっていうグループにも、日本は入ってるし、こちらのTPPにも入っているし、ですから、日本は決してどっちかだけという意味じゃなくて、これからいろんな、それぞれのグループで、日本が一生懸命、もっともっと働きかけていけば、もっとまさしく中国、韓国との商売も、もっとやりやすくなる可能性もある。
日本はそういったパイプ役をできる可能性があると?
そうです。
だから、本当、すごくいい位置にいるんです。
なんかだんだん甘利さんに見えてきた。
すみません、申し訳ないです。
じゃあ、ちょっと質問が来ています。
中小企業経営者ですが、TPPメリットの説明や情報は全く下りてきません。
新聞や専門書で、自発的にやらなければならないんですかね、という声もあります。
その商品、海外で売れる商品力がないということに対しては、今、山口さんは、あるある、商品力とおっしゃいましたが、実際、じゃあタオルだったら、どこで売れるのか、どこが、お歳暮でタオルが押し入れにたまっていない国なのかとか、そういうの、どうやって調べればいいのか?
日本のタオルの品質は高いレベルだと思います。
競争力もあるんでしょうね。
だから、汗かくとこは皆タオル。
暑い国。
チャンス。
じゃあ、例えば私がぼた餅メーカーだったとしたときにですよ、どこだったら、ぼた餅で海外進出ができるかって。
甘党の人がいる国。
あちこち。
そういうのを自分で調べて回るお金も時間もない。
外郭団体みたいなところに、JETROというのがあって、これは海外のいろんな市場の状況をずっと調べてるんですよ。
だからそこに問い合わせると、結構、情報は入ってきますよね。
それから、向こうにマーケットがあれば、そういうところが仲介すればいいんですけれども、まだマーケットがない途上国が相当入ってるんですね。
カンボジアとかそういうのが。
そういう所は、市場を、どう作っていくかが大事なんですね。
例えば、ある中小企業の人が、すごく栄養価が高くていい食材を作りました。
これはぜひ売り込みたいなと思って、向こうに買う力がないんですよ。
買う力があれば、マッチングだけでいいんだけど、ないんですね。
そういうところは、今日本ではどうしてるかっていうと、外務省が政府開発援助といって、ODAってやつですけれども、途上国にお金を出してあげたり、技術をいろいろと教えてあげたりするということをやってるんですけど、そこのODAの予算の中に、日本の中小企業が海外に展開をして、しかも向こうにも役に立つというものだったらば、補助金も出して、援助しましょうということをやってますね。
そういうJICAなどは、途上国の情報をすごく持ってるので、そういうところと情報を交換しながら、進めていくというのが一つのやり方。
思いがけないっていうのはありますよね、この串みたいに。
そうそう。
それでさっきの例えば、食材、いい食材ありました。
でも、そんな買ってくれる人いませんって言ったら、例えば、日本の外務省が向こうの文部省に、給食で使いませんか?ということを言ってもらえるんです。
そうすると、でも給食で使うのはいいんだけども、そんな予算ないんですけどって言われたら、それは日本のODA・政府開発援助の予算でちょっと援助しますからっていうと、向こうの子どもたちの体力向上にもいいし、日本の中小企業の新しいビジネスチャンスにもなる。
そういう支援をやっているんですね。
今、やってるんですけど、そういうのをやっぱりこまめにやっていかないと、大まかな話じゃないですか、今のルールも、細かい、実際の運用がどうだとか、細則どうかによって、本当に自由になるかどうか怪しいんだよね。
中小企業にはチャンスです。
ぜひチャレンジしてください。
でも失敗しても自己責任よってことでしょっていうのが来てますね。
入り口のところのステップは補助金とか情報収集だとか、提供だとかというので、ある程度、みんなして国を含めて、助けてあげないと、さあ、行けと言われてもね。
どうしていいか分からない。
あと1つ、大事なご指摘が来ています。
外からタオルが入ってくるという話もしたほうがいいのでは?人はよいものより、安いものを買い求めます。
輸入ということですか?
そう、逆ですよね。
これは、今日本からタオルが出発しましたけど、逆もありうるということですよね。
逆はあるんです。
だけど、すでに日本の場合には、工業製品の関税って、もうほとんどないんですね。
ですから、事実上、ないんですよ。
ですから、もうタオルは入ってくるんです。
ですから、それが割安かとか、品質がどうかとか、日本の消費者に合うか、そういうことなんですね。
服でもほとんど、メード・イン・チャイナとかじゃないですか、Tシャツとか。
あれはもう。
どんどん入ってきてるんで、工業品に関しては、問題になっているのは、農業関係のものについては、やはり相当大きな影響を受ける可能性があります。
これはだって、30%関税かけてるとか、60%かけてるやつがなくなったら大変な影響、農業者は受けるわけで、そっちはあるんですけど、工業関係でいうと、僕はこのことでそんなに大きな、少なくとも日本は受けない。
外国に対しても、そのことだけで突然、日本の中小企業がどんどん出て行って、ビジネスチャンスができてくるっていう、あんまりならないと思いますね。
外国の安い店が人気出たら、日本から日本の企業が消えそうだよねいうご心配の声も来てますが。
そこはもちろん消えるところもありうるんですけどね。
もう一方で、外国にも、そういう、すごく能力とかパフォーマンスのいいような企業が出てくると、同じ業種の日本の企業のパフォーマンスが上がるという、そういう数字も出てるんですね。
ですから、いいとこ来ると、日本の中では確かに難しくなるところもあるけれども、他方では、よし、あのやり方を自分たちで見習おうじゃないかというところも、これは確実に出てくるんで、そういうところは、確実に力が上がってくる。
安くていい衣料が出てくると、そっちに私なんかもなんか買いに行こうかな、安いからと思っちゃって、高級な日本のブランドがなんかこう。
元気がなくなるかもしれない。
でも、事実上、そういう競争はとっくに始まっている。
今、もうすでにそれは行われてるわけです。
今実際、そういう切さたく磨の中で、今、日本企業も頑張っているわけで、すでにそこまで開かれてるので、これで新たにっていうのは、やっぱり、先ほど山口先生も言われたように、基本的にはやっぱり農業のほうをどうするのか。
食糧安全保障といったような営業の観点から、本当に農業をこれから支援していくのかっていうことは、必要なことですね。
食料の安全保障とともにね、日本の国土の、このみずほの国の美しさをどう維持していくんだっていう。
環境の問題になっていこうかと思うんですけど。
それ、別で考えないとしかたないんじゃないでしょうかね。
それはね、基本的には例えば、国内で1500円で農産物作ってましたと。
外国から1000円の商品が入ってきますと。
そうすると、もうそのまま、今まではそれを1500円に無理やり上げていたわけでね、関税で。
それをやめたらやめたら、1000円で入ってくるじゃないですか。
じゃあ、どうするかっていうと、日本が結局、1500円でしか作れないんだったら、500円分を補助してあげるしかないんですよ。
結局、ヨーロッパもアメリカも、直接支払いといって、農家に国際価格基準と、国内で下がって、国際のほうがレベル、安いですよと。
それに合わせるとすごく赤字になっちゃいますというところは、直接にお金を払って埋めていくということをやってまして。
補助してくださる?
そうなんです、それで。
アメリカは、もう実は、農業所得の3割ぐらいは国の補助金で農家の方、食ってるし、ヨーロッパもほとんど、ドイツなどは100%で、もしそれなかったらとってもやれない状況。
ところが日本は、関税方式というやり方で止めてた。
それを。
価格を高くして壁を作っている。
その価格がこれから下がっていく。
その分を直接、農家にきちっとお金を出して、生活が維持できるようにする。
それをやると、例えばアメリカ並みの3割ぐらい補償しましょうってやると、恐らく、1兆円ぐらいかかるんですよ。
年間の予算が。
そうすると、TPPは、まあ、これ、いろんな試算がありますけども、10年で2兆7000億ぐらいプラスになるだろうって政府は言ってたんで、そうするとね、2兆7000億。
本当になるんですか?
そうすると1年2700億しかならないじゃないですか。
10で割るとね。
ところがそのことで受ける農家をなんとかしようという予算が毎年1兆ずつ出ていったら、どうよっていう話になりますよね。
そこはいろんな考え方あって、基本的には、値段安くなる、輸入品が入ってきますからね、消費者が有利になるわけですね。
そうすると、もっとほかに消費しようよっていう余力も出てくるし、例えばそういうことも計算に入れなくちゃならないわけですね。
それから、例えば、確かに、直接農業だったら、ほじょきんふえるところもあるかもしれないその代わりに、農業自体で、補助金は増えるかもしれないけど、実際、値段が安くなるっていうことになれば、日本の農業の中で、それに対抗できるものが出てきて、輸出ができるように増えるようになるとかですね。
ですから、全体増えるところもあるし、それから先ほど、環境とか保全とか、これは農業、ものすごい大事なわけですね。
ですから、今までとはちょっと、考え方が違うようなことも、いろいろやらなくちゃいけないというのはTPPで出てくるかもしれない。
例えば、農家で言えば、農業で支えるんだっていうこともあるんですが、当然、違うやり方で環境保全ってないのかなとか、そういうやり方も入れながら、今までと同じようないいレベルで国土保全だとか農業とか、維持、強化してこうという考え方も出てくるということです。
ちょっと、ここらでプレゼン、行きます。
TPPはルールブックという、プレゼンの第2弾です。
どうぞ。
今、ずっとお話ありましたけど、こんなところも着目っていうことで、われわれ、ルールですよね、TPPって、なんのルールかといえば、公正で自由なビジネスをする共通ルールでしたが、私たちってそもそも、国にこれ、ルール、法律があります。
今後、この法律とTPPルールがぶつかるかもしれないという例、いろいろな専門家に取材して、こんな心配事あるよってこと、見えてまいりました。
こちら、まず、6次産業化・地産地消法っていう法律が日本にはそもそもあるんです。
これ、難しい名前ですけど簡単にいえば、要は地元の食材を応援しましょうっていう法律。
この法律がもとになって、学校給食を地元食材使って出しているという業者には、自治体がお金を出せる、もらえるようになっている。
もらえるようになってるんですね、こちらね。
これが法律で決まっている?
法律で決まっている。
この学校給食、さっき給食お話ありました、外国がなんと、外国メーカーが日本の学校給食もっとうちの外国産で安い農産物で提供できることできますよっていわれるかもしれない。
しかも地元の食材を使っている業者、優遇してるのって、これ、公正なビジネスじゃないですねっていうことに。
地元の食材、使ってほしいです。
なるかもしれないんですね。
でも、法律と国内の法律と、決まってたら?
そのあたりね、気になるでしょ。
どうなるんだ。
次聞いてから行きますよ。
こういうこともあるんですね。
道路運送車両法っていう、これ、法律。
自動車の安全基準を定めたもので、よく試験なんか、テレビの映像などで見たことありますかね。
安全衝突試験。
この法律がもとになって行われているんですね。
で、日本では、大まかにいえば、この側面、横と正面2回の、計3回ぶつかる試験を行って、この基準クリアした、安全性が認められたものだけ日本で売っていいことになっている。
これを、日本に海外から輸出したいっていう海外メーカー。
その国では、安全衝突実験、1回だけ。
1回だけ?
で、こちらからすると、なんで、3回じゃないと安全確認できないんですか?うちは1回だけでも十分に安全確認できているんですよ。
3回やったら、コストかかっちゃうでしょ、値段も上がっちゃうでしょ。
商品買いたいっていうお客さん、安く、それは欲しいでしょ。
自由なビジネスになってないですよねっていうような指摘を、されちゃうかもしれないなんてことが見えてきたんですね。
その場合どうなるんですか?
気になるでしょ。
いきますよ、どうなるか。
こうなんですって。
というのも、TPPというのは条約ですね。
国際的に、批准された国際条約は、国内法よりも上回る。
TPPのほうが強いんですか?
TPPルールによって、国内の法律が変わっていくかもしれない。
変えないといけなくなっちゃうかもしれないということも見えてまいります。
このあたりもちょっと考えないと。
ちょっと、ここはですね、ある程度、そこはもう最初にTPPの議論の中で詰められているんですね。
子どもたちにはわりと、高くても、食の安全がって、私も思うんですけれども、安全は大丈夫?
今でも、政府だとか、地方自治体の大きなとこだけですけどね、が、調達するときにある一定金額以上だと国際入札やらなくちゃいけないって、日本でやっているんですね。
ところが、こういう場合に、たぶん、自治体が小さい、金額も小さい場合には、それは国際入札する必要がないんですね。
今回のTPPでも、どういう金額になるのか分かりませんけども、一定基準額以上、だけについて、広げてやるっていうことになって。
むしろこれで日本の場合には、世界的に見ても一番オープンにしているので、アメリカとかがこれ、困ってるんですね。
それから下のほうの話は、これ、確かに基準はどっちがいいんだというのは、議論になると思うんですね。
安全だと感じられるほうにルールを合わせればいいのに、どうして、TPP条約のほうが、こっちの、不安なほうに合わせなきゃいけないんですか?
お金、もうかるからでしょ。
費用かからないもん。
それ考えるときに、一つ、キーワードになるのが、この話なんです。
ISDS条項というのがありまして、これは、企業が海外に進出したときに、この場合には、海外企業、日本に進出したという絵になってますけども、企業が海外に進出したときにその国で、ルールが変更されたりして、不利益を被った場合に、その国を相手取って訴訟を起こすことができると、その訴訟も、今までは相手の国の裁判所に訴えてたんですけど、それ、なかなか勝てませんよね。
相手の国を訴えてもその国の裁判所に訴えるわけだから。
今までも訴えた例あるんですか?
それは、あるんですよ。
今回からは、訴える先がこういう国際的な紛争処理機関に訴えることができるというのがISDS条項のことで、そうすると、当然、勝つ確率が出てくるということになりますよね。
外国企業のほうが?
そうです、そうです。
ですから、これで、今までもずっと問題になっていて、例えば、今までのいわれた懸念からすると、国民皆保険、みんなが医療保険を入って、安く医療が受けられる。
こういうものも海外から進出する医薬品メーカーからすると、薬が高く売れないじゃないかということになって、こういうISDS条項で訴えられたりする可能性はあるんじゃないかということは、いろいろいわれていたんです。
ですから、今ここで言われたことがそういう可能性が出てくるんですけども。
実は、今回は、これに対しては、一つ、こういうことが公共の利益、公共の利益で行われる規制に対しては、このISDS条項は、つまり起こせないというそういう制限が、今回のTPPで入りました。
ですから、あまりそういう極端な、例えばここで言われてる話ですね、ここでいけば、この地産地消の話にしても、これも要するに、いろいろ議論はあるんですけど、例えば、こちらからいきましょうか。
こちらから、この安全性っていうのは、やっぱり公共の利益でしょと、ですから、単なるコストだけの問題じゃなくて、その国の公共の利益としてこの安全性が優先されるんだという理屈が通れば、これは認められるというわけですね。
問題はこっちです。
これもしかし、じゃあ、これ、公共の利益、地産地消、地域が地域のもので栄えるっていうのは、公共の利益じゃなくて、それ、地域活性化なんじゃないの?必ずしもそれは、安全性を担保するために本当にこれがどこまで有効なの?そこはちょっと、争いがあるぞっていうような議論になってくる可能性はあります。
今、地方自治体なんかでも、やっぱり、なんか控除をやるときに地元の中小企業を優先させるとかね、そういうことは実際やってるわけですよね。
恐らく、TPPによって、それで国際入札必要ですよとか、いろんなルールが入ってきた場合に、どこまで金額的に落ちるのか。
よっぽどで買い物はいいにしても、相当、地方自治体がやっているようなものまで入ってくると、影響が出てくる、今のところそういうので訴えられたことないけど、もしも訴えられたら、恐らく、負ける可能性が非常にあると思いますよ。
だって、自国企業を優遇しないっていうルールなんだから。
TPPは。
明らかに自国企業を優遇しているわけですから、それは企業が訴えた場合、危ないかもしれない。
そこにどう歯止めをつけるかっていう議論は、どこまで綿密にやられたかっていう情報が、ないんですね。
なんか日本にとっていいことばっかりでもなさそうですね。
やっぱり、相互の問題だから。
そうすると、TPPで決まったことよりも、公共の利益のほうが、もう一段上にいきますか?
公共の利益をどう考えるかという基準をどこに置くかということによって違いますよね。
解釈しだいか。
これは、確かに解釈しだいなんですけど、先ほどちょっと申し上げたように、アメリカのほうが、例えば政府の調達、あるいは地方にしても、結構、バイアメリカンっていうのが、大恐慌の1933年から、アメリカ製品を買えなんていうの、ずっとあって、したがって、彼らは今、損なの辞めることになるのかとか言って、日本とか全部の国含めた政府の調達は、地方のが入るんですけど、2倍、アメリカだけで調達しているのを、これを開放するのかって、大騒ぎになっているわけですね。
日本の場合には、今の基準でいうと、例えば、大きな政府調達で地方の大きな都市は関係してしまうんですけれども、例えば建設工事、公共事業をやるときは20億円以下だといらないんですね。
こういう基準は、確か、今回のTPPではまだ分かってないんですけどね、下がる可能性はあるんです。
下がる可能性あるんですけれども、まあ、ゼロじゃないんで、例えば、これは公共事業と、それからいろいろ物品の購入、学校給食もそうなりますが、違うんですけど、そういう基準でやって、そっちのほうが小さいんですけどね、金額は。
だけどそれは、相当少額であれば問題になんない。
しかも全部の地方まで入るわけじゃないんですね。
ただ、アメリカとカナダとメキシコでナフタっていう自由貿易協定ってやっているんですけれども、やっぱり、相当訴えたり訴えられたりしてるんですよ、今まで、その中にISDS条項があるから。
そのときに、例えばカナダの国は、30件ぐらい訴えられた中で、3件ぐらい負けてるんですね。
これ、アメリカ企業が訴えてる。
それからメキシコも19件訴えられた、アメリカ企業に5件ぐらい負けてるんです。
アメリカの政府もやっぱり外国の企業、カナダやメキシコの企業に訴えられてるんですけど、19件訴えられてるんですけど、0、1個も負けないんです。
だから、アメリカっていう国は。
どうしてですか?どうしてそんなに強いんですか?
それはさっき言った国際裁定機関っていうのがあるじゃないですか。
国際仲裁聞かん。
ここが世界銀行にあるんですけど、その世界銀行が、やっぱり、アメリカの影響力が非常に強い機関なので、そういうバイアスが働くんじゃないかと。
僕は知りませんよ。
世間の人はそう言っていると。
アメリカルール?
日本の影響力が強くないと。
これが、いくつかある国際紛争機関の一つは、世界銀行の下にあるんですけど、傘下にあるんですけども、その世界銀行のトップというのは、アメリカから代々ずっと送ってるんです。
歴代ずっと。
他方で、このISDS条項という、いわゆる投資するときに安心して投資できるよ、変なこと国がやったら訴えられるよっていう、そういうことになるわけですけどね、確かに何百件も訴えるのが、実際にあるんだけれども、逆に、日本は2国間の自由貿易協定とか、あるいはそれに先だって投資協定とか、むしろ日本の企業が安心してルールとして、25ぐらい結んでるんですね。
したがって、そういう意味ですと、日本は、確かにこれから訴えられることは出てくるかもしれないけど、今までのところは、このISDS条項を入れて訴えられたことはない。
日本で許されている農薬と、海外で許されている農薬の違いもこれから重要視されるかもというご意見。
法律と条約の優先関係、なんか歯切れが悪くなってきましたね。
要するにまだ分からないんでしょというご指摘も来ています。
分からないんですよ、要するに。
これは一つ、ありませんか?
完全に明らかにされてないんですよ、まだ。
あっ、これからですか。
本当に詰まったところまでは。
TPPっていうのは、なんか合意できても、もう決まりみたいになってるけど、国会で承認しなきゃだめなんですよ。
だから国会で議論をやって、本当にこれ大丈夫なのって議論を、これからがんがんやりあうことが大事なのに。
なるほど。
ほとんど国会、開かれないんですよね、これからも。
全く。
いや、今までは12か国が交渉してましたからね、オープンにして、どんどん話が漏れてしまうと、交渉ができなくなってしまうので、これからもちろん各国の議会で批准するわけですから、その内容を全部オープンにして、しかも法律を作りかえるものも出てきますからね、そういうことをやんなくちゃいけないんで。
これから全部明らかになる。
正念場はこれからということですね。
さっきのこの法律の話にしても、逆もありうるわけですよね。
日本企業が、外国に進出して、外国の国を相手取って訴訟を起こすことも。
そうです。
あるかもしれない。
基本的には、これはISDS条項というのは、基本的なイメージとしては、企業が発展途上国などに行って、まだルールが未整備な、そういう国に行って、どんどんルールが勝手に変更されて、不利益こうむったときに、それを訴えると。
だから勝手なルール変更は認めさせないようにするっていうのが基本的なイメージなんですね。
海外市場とのマッチングをする仕事に需要がありそうな気がしてきましたという方、海外進出コンサルがビジネスになるかもということもおっしゃっています。
なんか、怪しげなやつも出てきそうだな。
ですけどやっぱり、TPP自体は、まさに日本の国内では、これからどう変わるかという議論がずっとあるんですよね。
大きな枠組みですから、確かに12か国、しかもアメリカも入ってるという中で、大きなビジネスができる、しかもそれをやりやすくする共通ルールもあるし、ですからそれをむしろ、確かに不利益もあるかもしれない。
だけどプラスの面を、どうやって取り込むか。
特に中小企業ですね。
生かす方法、皆さんで議論しながら。
英語を話せる社員がいないという声、それから今から海外赴任はつらいなっていう声も来ていますし。
ベトナムに進出した中小企業で、英語しゃべれてもいないし、ベトナムなんか特にしゃべれないじゃないですか。
どうしたかっていうと、JICAとかそういう所に行きまして、向こうから研修生を受け入れて、ベトナムは研修生を受け入れて、5年後、うちの会社、必ずベトナムに工場進出するから、そのとき、君、工場長にしてあげるとか言うわけですよ。
そうすると一生懸命、日本語を勉強して、実際、5年後進出したときは、全部、日本語がある程度しゃべれる、日本で研修したスタッフが全部いるという、そこでインターネットでつないでやってるということで。
必ずしも今の現状を見て、すぐにはだめだけど、5年後、こうしようということを計画的に進めていけば、わりと低コスト、低リスクでできる。
だから目標設定、きちっとするということが大事だと思いますね。
5年あったら、英語力ももうちょっとなんとかなるかもしれない。
語学力がないという点もまさにこれから、だんだんとよくなってくるんですね。
例えば、日本は留学のための英語力の統一テストっていうのが、あるんですけど、世界150か国中、その特にしゃべるの、150位なんですね。
えー?低い?
一番低い、最低なんです。
通訳器が出来るのをね。
ただ、最近訪日外国人がものすごい増えてて、そうすると、当然、それを受けるお店のほうで、あっ、少しは英語しゃべれなくちゃ、少しは中国語できるようにならなくちゃって、やっているから、それでいいんですよ。
まだぼた餅メーカー、ぼた餅メーカー、仮にですよ、ぼた餅メーカー社長の小野としては、やっぱりまだ、これだけポジティブな話を聞いても、まだなんかちょっと、えー?いくかな。
行くかなみたいな気が、というか、このことばにツイートが来てるんです。
少子化でなく、内需が拡大を続けるなら、不要だったかもしれないって。
なんか、急にもろ刃のやいばを突きつけられている感じは、なんかもっと、もっと前に、もっとずっと前に日本が、もっとずっと内需が維持できるような、少子化しないようなことをしてきていたら、このまま、いけたのかなっていう。
ないものねだりはだめです。
ないんですか?
知っとかなきゃいけないのは、日本の中小企業で、海外に出てった、海外に工場を持って、進出していった企業を、ずっと国内にいた企業を、十何年、ずっと追跡調査してるんですよ、中小企業庁。
で、その結果、どういう結論かというと、海外に進出した企業のほうが、国内部門の雇用を増やしてるんです。
国内にじっといた企業のほうが、雇用を減らしてるんですよ。
つまりやっぱり海外でどこかでつ2015/10/17(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「TPP大筋合意 どう変わる?私たちの暮らし」[字]
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が大筋合意に達し、世界最大規模の自由貿易圏が誕生する。TPPで暮らしや企業のあり方はどう変わるのか、わかりやすく解説する。
詳細情報
番組内容
交渉が続けられてきたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)。今月5日、日本を含む参加12か国が大筋合意に達し、5年に渡る交渉が終結した。協定が発効すると、世界のGDPのおよそ40%を占める世界最大規模の自由貿易圏が誕生する。「関税」だけでなく、「投資」や「金融サービス」など幅広い分野で「ビジネスのルール」が作られた。TPPによって私たちの暮らしや企業のあり方はどう変わるのか?わかりやすく解説する。
出演者
【ゲスト】桂文珍,松本明子,【解説】独立行政法人経済産業研究所理事長…中島厚志,立教大学経済学部教授…山口義行,NHK解説委員…竹田忠,【キャスター】小野文惠,高井正智,【気象キャスター】南利幸ほか
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