小さな旅「アユ香る里で〜島根県 高津川〜」 2015.10.17


(テーマ音楽)
島根県の西部。
中国山地から流れ出る高津川。
全長はおよそ80km。
全国有数の清流です
流域は森に覆われ清らかな水に満たされています
どこまでも澄み切った流れ。
60種を超える魚が育まれています
魚がいますね。
何かしら?「日本一の鮎どころ」アユか。
高津川は古くから味のよいアユが取れる事で知られています。
9月上流にある吉賀町を訪ねました
アユ釣りが解禁になる6月から9月にかけて全国各地から釣り人たちがやって来ます
こんにちは。
こんにちは。
アユ釣れましたか?う〜ん7〜8匹ぐらいですかね。
随分釣れましたね。
見せて頂いていいですか?うわ〜きれいきれい。
釣り上げたのは体長25cmほどの見事なアユ
初夏上流まで上ってきたアユはここで川底に生えたコケを食べながら成長し秋の産卵に備えているのです
毎週末山口県から釣りに来ている郷田真一さん。
20年以上通い続けています。
高津川のアユには清流ならではの魅力があると言います
香り嗅いでみます?香り?いいですか?香りがするの?ああ〜何か…果物みたいな野菜みたいな。
そうですね。
キュウリかスイカかそういう類いの匂いですよね。
新鮮なコケを食べて育つ高津川のアユ。
臭みがなく香り高い事が特徴です
郷田さんはアユの習性を利用した友釣りをしています
おとりのアユに針をつけて泳がせると川にいるアユは縄張りを守ろうと体当りしてきます
そこを針で引っ掛け釣り上げるのです
水の中の動きを見極めながらアユとの熱戦が続きます
駆け引きが面白いんですか?そうですね。
それとかかった時引きとかですね。
そういうのがある面白いですね。
結構引くんですか?結構引きますよ。
こんなちっちゃいけども信じられないくらいの強さで。
川沿いの集落に食堂がありました。
地元の人たちや観光客でにぎわっています
夕方釣りを終えた郷田さんがやって来ました
(郷田)お疲れさん。
お疲れさま。
(郷田)生きとるよ。
アユ?今行きます。
店主の山脇裕子さん。
アユ釣りの時期になると目の前の川で取れたアユを使った料理を出しています
こっちこっち。
こっち?うわ〜すごいでかいのがおる。
郷田さんが持ってきたのは釣ったばかりのアユ。
山脇さんはなじみの釣り人から生きのいいアユを買い取っているのです
お茶どうぞ。
どうもありがとうございます。
高津川のアユをできるだけおいしく食べてもらいたいともう10年以上続けています
たくさん釣れるようにって拝んどかんといけん。
お店の自慢はアユの香りを楽しむ料理
骨をつけたまま薄く輪切りにする背ごしです
(山脇)アユは骨もちゃんとアユの風味がするんですよ。
こうやって身と一緒に食べて頂けるっていうのは一番ぜいたくな食べ方じゃないですかね。
香り高いアユを味わい尽くす。
清流の里ならではの味覚です
失礼します。
お待たせしました。
高津川の天然アユの背ごしです。
どうぞ。
アユのうちで作っているおしょうゆとそれから梅酢ですねどうぞ。
アユの腹をあけてうろこを取って。
あっ骨も食べるわけだ。
(山脇)骨も食べるんです。
全然邪魔にならないでしょ。
ならないならない。
香りがいいですね。
(山脇)そうですね。
高津川のアユはほんとに香りがあるので味もすごく濃く感じますよね。
これはぜいたくですね。
これはほんとぜいたくだね。
脂も乗っていて口の中に入れた時の香りがするのでおいしかったです。
高津川の豊かな恵みがこの地に集う人たちを結び付けます
おいしいっちゅうてもろうてえかった。
安心した。
地元の人とのつながりもだしアユ釣りの方たちとのつながりもだしそういう人とのつながりをすごくたくさん作ってくれるのは高津川があってだと思いますのでね。
いいアユがたくさん釣れるように祈りながらずっとおつきあいしていけたらと思いますよね。
うまい。
顔のとこがちょっと顔の骨が苦かったけど。
川辺に秋の風情が感じられる頃
アユは群れを作って一斉に下流へ向かいます
河口付近で産卵するためです。
落ちアユと呼ばれています
高津川の下流にある益田市です
川には漁師たちの姿
狙っているのは落ちアユです
こんにちは。
こんにちは。
何のお仕事されてるんですか?これねアユ取る網なんですよ。
アユを取る網?それを今修理しよるところ。
随分大きな網ですね。
そうですね。
高さ3.5m長さが80mあります。
80mもある。
漁師の…
丈高漁という高津川伝統の漁法を受け継いでいます
名前の由来は丈の高い刺し網。
この網で落ちアユを群れごと捕まえます
昭和初期に始まった丈高漁。
高津川の下流で盛んに行われていました。
しかし漁の難しさなどから今では森さんだけとなっています
群れになるとこう沸き立つように見えるんですか?すごいですよねそれを見つけるとドキドキしますよね。
「あっ来た」と思ってね。
だんだん興奮してきますよね。
森さんが橋の上から川の様子を見ていました。
落ちアユが来ているかどうか確認するためです
アユが大好物のカワウがやって来ました
落ちアユが下って来たと考えた森さん。
妻の清子さんと漁に出る事にしました
アユの群れを探してみなもの揺れに目を凝らします
(森)おるの。
おるなぁ。
そこおるな。
おっ跳んだ!やってみようか。
よいしょ。
警戒心が強いアユに気付かれないよう素早く網を入れてゆきます
川底まで届く丈の高い網を使い1分足らずでアユの群れを取り囲みます
(水面をたたく音)
長さ3mのさおで水面をたたきアユを追い込んでいきます
(水面をたたく音)
(水面をたたく音)
この日は大漁
落ちアユが150匹ほどかかっていました
もう小さい時から高津川に愛着はありますね。
川自体は好きですよ。
眺めるのも好きじゃが漁をするのも好きですしね。
丈高漁は自分の生きがいですよね。
魚と駆け引きができる唯一の漁ですよ。

下流にもたらされる落ちアユの恵み
川沿いの集落では焼きアユ作りが始まります

産卵のため脂が抜けたアユを丸一日かけてじっくりあぶります
香ばしい焼きアユ。
冬場に欠かせない保存食として古くから珍重されてきました
やっぱり秋の感じがしますよね。
我が家は昔から雑煮のだしにはアユを使っております。
おいしいですよ。

アユがたくさん取れると森さんは近所の人たちにも振る舞います
塩焼きにアユ飯
焼きアユをあえた酢の物も並びます
それじゃ乾杯!
(拍手)初めてだけんね今年。
おいしい。
でしょ。
炭の加減がちょうどよかったですよ。
今年もやって来た落ちアユに感謝する森さんです
おいしい。
これはもう別格で楽しみなんですよ。
地域の人にアユを食べて頂いて盛り上げて頂けりゃあいいなと。
高津川のおかげですよ。
清流の恵み豊か。
里の秋です

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/10/17(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「アユ香る里で〜島根県 高津川〜」[字]

中国山地から流れ出る清流、島根県の高津川。この川で盛んなのはアユ釣り。各地から釣り人が訪れる。秋、産卵のため川を下る落ちアユを狙う漁師など川と生きる人と出会う旅

詳細情報
番組内容
中国山地から流れ出る清流、島根県の高津川。この川の暮らしは、古くからアユ漁とともになりたってきました。最盛期の夏場、全国から釣り人が訪れ、地元の人は、ともにその恵みを分かち合ってきました。秋の訪れとともに、アユは産卵のため下流へと下ります。この「落ちアユ」をねらう伝統の漁法を継ぐ夫婦は今も漁を続け、落ちアユを使った保存食も作られています。“清流の恵み”アユとともに生きてきた人たちと出会う旅です。
出演者
【語り】山田敦子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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