(あさ)頼もう!
(三味線)初めまして私加野屋のあさと申す者。
(美和)加野屋?へぇうちの旦那様がここに…。
シッ!へっ?シ〜?
(三味線)・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
(三味線)
(歓声)すごい…。
今日は新次郎はんのお三味線のお披露目会だすのや。
へ?お披露目?へぇお謡もお茶も絵も何でもお上手だすけどお三味線はずばぬけて。
「家ではお父ちゃんが嫌いやから稽古でけへん」てせやから毎日ここで稽古に精出さはって。
そうだしたんか。
あっ申し遅れました。
うち新次郎はんにお三味線教えさしてもろてます。
美和と申します。
はぁどうも…。
(新次郎)あさちゃん?何でこないな所にいてますのや?そらこっちが聞きたい事だす!せやな。
怒られるのはわての方やな。
そうだす!こないな立派なご趣味隠したはるやなんて。
お三味線はおじいちゃんが隠居の楽しみでやってましたけどこないなお三味線聴くのは初めてだす。
びっくりぽんだす!びっくりぽんはわての方や。
若い娘が晩に一人で…。
そやけど旦那様がどこに行かはんのか心配で。
まさかあないきれいなお人のとこ行ってはったやなんて。
ん?何ややきもちか?そ…そんなんやあらしまへん!そやけど…あ〜ぁ。
また旦那様にうまい事ごまかされてしもた気ぃする。
ハッ。
「ごまかす」てわてそない器用な男やあらへんで。
ほれ見てみ。
わて大事な事や楽しみな事がある日ぃには必ず雨が降りますのや。
みんなに「雨男」言われてな。
おいしそうなお名前だすなぁ。
(笑い声)…で何やったんや?さっき家で話がある言うてましたやろ?あっそうやった。
お店の事なんだすけど…。
ん?何や店の事か。
それやったらええわ。
へっ?「それやったらええ」って何でだす?へ?何でもっとお店の事に関心持ちはれへんのだす?加野屋は立派なお店だす。
旦那様も分家やいうたかてあの家の息子跡取りの後見人。
しかももうええ大人や。
お三味線はあないりりしい弾かはるのにお店の事だけふらふら逃げはるのはおかしい。
どないな訳か分かりまへんけどもうちょっとしっかりしはったらどないだすやろか?堪忍。
また言い過ぎてしもた…。
「何で家に帰らへんのや」て文句言われんのは分かるけどまさか家の事で怒られるやてなぁ。
さあ。
きれいなお師匠さんやったなぁ。
男の人はみんなあないなおなごはんが好きなんやろか…。
(障子が開く音)おやすみ。
おやすみなさい。
回想「風変わり父はあらたな風にのり」。
旦那様。
うん?新たな風いうたらどないな意味やて思いはります?う〜ん…このご時世で新たな風いうたら長の新政府の事やろか。
戦があるいう噂もあるし。
新政府?戦…?新政府と徳川幕府の戦や。
新政府いうのは…ってこら床でする話やあれへんで。
ほな床ではどないな話したらよろしいのだす?どないて…参りましたなぁ。
艶っぽい話やろか。
あんなぁ艶っぽい話いうのは「さあ艶っぽい話でもしましょか」言うてするもんやあれへん。
そういうのをな都の鮫言いますねん。
都の鮫?そうや。
きょうざめ言うてな。
そうだすか。
すんまへん。
(笑い声)
(戸をたたく音)ん?・誰か!誰かおらぬか?なんぞ御用だすやろか?新選組!?俺は新選組副長土方歳三だ。
夜分にすまない。
(大石)この証文で金4百両を借用したい。
幕府再興のためだ。
今すぐ用立てせい。
(正吉)ちょっと…ちょっとお待ちを。
あの…。
あっあっあっ…!ちょっ…あっ。
幕府は今どないなったはるんですか?あさちゃん!先ほど土方様は「幕府再興」と言わはりました。
もし幕府に何かあったらその4百両ほんまに返してもらえるんだすやろか?何?いや両替屋は信用が何より大事だしてそやさかいあなた様方を信用してええもんかどうか思いまして…。
(亀助)新選組相手に何ちゅう事を…。
己!新選組が信用できぬと言うのか!?謝りなはれ。
早う謝りなはれ!謝れまへん!刀と信用は真逆のもんだす!あさちゃん!うちは「お金返してくれはりますか」て聞いてるだけだす!うちはこの家の嫁だす。
このお家守る事が嫁のうちの務めだす!土方様すんまへん!これはわての嫁だしてえらい出過ぎた事を申しました。
いい女だな。
大した度胸じゃねえか。
女だてらに新選組を怖がらねえとは。
大変な嫁をもらったもんだな。
へぇ。
ご内儀。
へぇ。
金は返す。
いずれ必ず。
俺が生きていればの話だがな。
あ…。
あ…ありがとうございます。
(亀助)ああ〜。
あさ!あさ。
腰抜かしてしもて…。
ほんまに肝冷やしたわ。
相手は気の荒いお武家さんや。
下手したらお手討ちに遭うてたかも分かれへんのやで。
心配かけて堪忍だす。
ついこの口が…。
フッ。
また余計な事…。
何でうちはいつまでたってもこないなんやろ…。
せやな。
その口にはわてが蓋したらなあかんな。
今の何だす?あかん。
わてが間違うてました。
あさちゃんの事まだまだ子どもや思てたけどとんでもあれへん。
あんたはしんのある大人のおなごはんや。
惚れてしもた。
わてと夫婦になってくれ。
もう夫婦だす。
フフッ。
せやったか。
ほんならよかった。
ひゃ〜ん〜!うん?もう朝か?へぇ朝だす。
今日はええお天気みたいで。
そうか。
フフフフフフ。
昨日の晩はびっくりする事ばっかりやったな。
へぇほんまに。
そやけど…。
ん?何だす?もし戦になったらあのお金はどないなりますのや?ひゃ〜。
またそないな話かいなぁ。
旦那様一つお願いがございます。
ん?2015/10/16(金) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(17)「新選組参上!」[解][字][デ][再]
ある夜、突然加野屋に新選組がやってくる。莫大な金を借りに来た新選組に、あさ(波瑠)が勇気を出して立ち向かう。それを見た新次郎が…。
詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)が新次郎(玉木宏)の三味線のことを知った夜、突然加野屋の戸をたたく者が。二人が表に出ると、そこに居たのは土方歳三(山本耕史)率いる新選組だった。幕府再興のための莫大な金を借りに現れた新選組に、あさは震えながらもちゃんとお金を返すように敢然に立ち向かう。そんなあさを見た新次郎は改めてほれ直す。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,三宅弘城,山内圭哉,野々すみ花,山本耕史,近藤正臣
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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