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 環太平洋経済連携協定(TPP)で、農林水産物の重要5項目(米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖)について、約3割にあたる約170品目の関税が撤廃されることが19日わかった。

 農林水産物全体では、いままで撤廃したことのない834品目のうち、半分にあたる400品目弱が撤廃。すでに撤廃されているものを含む約2300品目では約8割が撤廃されることになり、関税が残るのは約440品目だけとなる。

 TPP交渉は関税の撤廃・引き下げが前提だが、食料戦略の上で重要な食品については、例外として保護を求めてきた。TPPの大筋合意では、生の食材については従来の関税制度が基本的に守られたが、牛・豚肉の加工品などが関税撤廃となることが大きい。

 森山裕農林水産相は「関税撤廃の例外に加えて、セーフガードの確保、関税削減期間の長期化などの有効な措置を獲得できた」として影響は少ないと説明する。だが、果物や水産品、野菜など多くの品目で関税が撤廃されることで生産者には不安も広がっている。(大畑滋生)