「9歳の被爆」伝えたい 京都・舞鶴の山田さんが手記
京都府舞鶴市愛宕中町の山田達磨さん(79)が、広島で被爆し、行方不明になった父を捜した幼少期の体験を本にまとめて出版した。戦後70年の節目に戦争体験を語る人々の記事を見て、これまで語ってこなかった自らの体験を書いたという。
本は「ひろしま 九歳の時の父捜しと被爆体験」。広島県生まれの山田さんは、疎開していた同県安佐郡で「黒い雨」を浴びた。広島市内に残って働いていた父を、母と一緒に捜し歩いたが見つからず、後年に広島県警から死亡報告書が出ているのを知ったという。
黒こげの遺体を兵士が2人がかりでトラックに放り上げる場面を、今でも覚えている。「ショッキングな描写でも、戦争が起こったらこうなるんだと、子どもたちに伝えたい」と話し、市内の学校や図書館などに本を贈呈した。
【 2015年10月19日 17時10分 】