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【戦後70年】毎日のように誰かが餓死…京都「戦災孤児寮出身者」が振り返る〝孤児の戦争〟

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【戦後70年】
毎日のように誰かが餓死…京都「戦災孤児寮出身者」が振り返る〝孤児の戦争〟

戦後数年間だけあった伏見寮の全景=川崎泰市さん所蔵・本庄豊教諭提供

 奥出さんはこの夏、伏見寮の戦災孤児8人の遺骨や遺髪が保管されている大善院(京都市下京区)で、本庄教諭の教え子らを前に戦災孤児としての体験を語り、孤児たちの心情を基に当時、川崎さんの父が作ったという「伏見寮の夢」を歌った。

 現在、宇治市でお好み焼き店を経営する奥出さんは、「生きたくても生きられなかった孤児たちのことに少しでも思いを持ってもらえれば」と話した。

戦災孤児 昭和23年に旧厚生省が行った調査では、第二次大戦や終戦直後の混乱期に保護者を失った未成年者は約12万人。原爆が投下された広島県(5975人)や、兵庫県(5970人)、東京都(5330人)などに次いで、京都府は4608人で全国4番目になっている。この調査では、両親が亡くなっていても、身寄りがあれば孤児と認めなかったため、実際の孤児は統計以上だったとされる。

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