Updated: Tokyo  2015/10/23 20:06  |  New York  2015/10/23 07:06  |  London  2015/10/23 12:06
 

【日本株週間展望】反落、日銀会合と決算両にらみ-テクニカルも重し

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    (ブルームバーグ):10月4週(26-30日)の日本株は反落しそうだ。日本銀行の金融政策決定会合など内外で重要イベントが多く、国内企業決算の発表も増えるため、週半ばまで様子見ムードが広がりやすい。大幅上昇後とあって、テクニカル指標からみた過熱感も重しになる。

第3週の日経平均株価は週間で2.9%高の1万8825円30銭と反発した。安川電機の好決算を受け、週前半は中国関連株に対する警戒感が和らいだほか、欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和観測による過剰流動性の拡大期待、対ドルでの円安進行も相場を押し上げた。

米国では27-28日に連邦公開市場委員会(FOMC)、国内では30日に日銀会合が開かれ、日銀は経済と物価情勢の展望リポートも公表する。FOMCは、政策変更なしが市場コンセンサス。日銀については野村証券が現状維持、ゴールドマン・サックス証券が追加金融緩和を予想と見方は分かれている。ただ、事前に日銀緩和期待を先行して織り込んでいる面があり、結果次第で株価は波乱含みとなりそうだ。中国では26-29日に共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)が開催され、政策発動への期待は世界の株式市場にとって下支え要因になる。

国内では27日にファナック、28日に日立製作所やコマツ、29日にソニーやパナソニック、新日鉄住金と決算発表が本格化。30日は三菱重工業や三菱地所、NTTドコモなど416社が予定し、上場企業の1日当たり発表ピーク日だ。上期業況は想定通り好調、下期見通しは慎重と予想する向きが多く、選別色が強まる展開も想定される。テクニカル指標の1つで、標準偏差から相場の勢いを計るボリンジャーバンドを見ると、日経平均はバンド上限のプラス2シグマまで上昇、急落直前の8月11日以来の過熱状態にあり、戻り売り圧力も高まりやすそうだ。

≪市場関係者の見方≫●新光投信の宮部大介ストラテジスト  材料盛りだくさんの週だが、米国株は手掛かり材料が多い際には市場心理が落ちつくことが多い。米国は決算に先行して下げ、ふたを開けると徐々に安心感が高まって出直りつつあり、日本も同じ状況だ。TOPIXのPERは昨年1月以降は14-16倍のレンジで、今は14倍を少し上回ってきた。17倍の米国などと比べ出遅れ感が強く、センチメントさえ回復すれば、上値余地がある。日銀緩和期待は根強いが、政策変更はない可能性が高い。それでも、来年早々への緩和期待が残り、失望売りは限定的とみる。

●いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員  もみ合いを想定。8月2週から9月末まで海外投資家は日本株を7兆2000億円売ったが、そのうち半分は先物。足元では中国株が下がっても日本株は下がらず、売り方はとまどっている。売りを上乗せするより買い戻したい、とのムードが強い。中国減速の悪材料を株価は織り込んだ。ただ、先行きの業績が良くなるかどうかはまだ不透明で、上値も買いにくい。日銀の緩和は来年後半ぐらいだろう。今回は期待感がない上、買い戻しエネルギーもたまっており、政策変更がなくとも意外に上がる可能性がある。

●三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒井誠治投資ストラテジスト  日銀会合の結果が出るまでは動けず、往来相場が続くが、23日の上昇でそのレンジ上限に来た。米国ではアップル、国内でも自動車やテクノロジーで決算が目白押し。9月までの着地はマーケットが織り込んでいるため、企業側による見通しが重要だ。ただ、今のところ下期を慎重に見ている会社が多い印象で、下方修正ばかりで上方修正がなければ、市場全体に悪影響を与える可能性がある。日銀は何かを出してくると思うが、その内容次第。なければ、為替を含めネガティブで、荒れると予想する。

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記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎

更新日時: 2015/10/23 15:53 JST

 
 
 
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