記事詳細
【世界記憶遺産】
「アンネの日記」登録で注目 中国は国際的関心を利用か
こうした国際的な注目の高まりに着目したのが中国だ。関係国間で登録について議論する世界遺産とは異なり、記憶遺産の審査は、日本政府に反論する機会がないなど登録過程が不透明で、政治利用を防ぐ仕組みもない。「南京大虐殺文書」の登録は、日中間で論争が続く問題を中国側に有利な形で国際社会に定着させる狙いがあるとみられる。
一方、日本側にも問題がありそうだ。「南京大虐殺文書」の登録について政府関係者は「国が積極的に関与してこなかった対応の甘さもある」と指摘しており、政治利用されない対策が急務となっている。