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【世界記憶遺産】「アンネの日記」登録で注目 中国は国際的関心を利用か

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【世界記憶遺産】
「アンネの日記」登録で注目 中国は国際的関心を利用か

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産の審査部門で、日本人の専門家が過去に1人しか起用されていなかったことが17日、明らかになった。国内外で記憶遺産への関心が高まったのは、2009(平成21)年の「アンネの日記」登録以降とされるが、今回の「南京大虐殺文書」登録により、国際的な関心を引き付けたい中国側の思惑と日本側の対応の甘さが浮き彫りになったといえそうだ。(寺田理恵、花房壮)

 「アンネの日記」はナチス・ドイツの迫害を逃れるための隠れ家でつづられた生活の記録で、隠れ家は博物館として公開されている。昨年末にアンネの隠れ家を訪れた南京事件研究家、阿羅健一さんは「見学者が世界各国から訪れていたのが印象的だった。今回の登録で中国の南京大虐殺記念館も訪問者が増えるのではないか」と危惧する。

 「アンネの日記」登録以降、日本でも記憶遺産への関心が高まっている。登録されれば観光客の増加にもつながるとして、国内での申請案件は増加傾向だ。

 昨年6月には、申請のあった4件から、国内候補として今回登録されたシベリア抑留関連資料など2件に絞り込む必要が生じた。今年3月には、ユネスコで2017年に審査される国内候補を初めて公募したところ、16件も集まり、ユダヤ人の救出に尽力した外交官の杉原千畝の資料など2件が選ばれている。

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